それなりに無理してます
きっと人にとってはなんてことないこと。
けれど私にとってはどうしようもなく苦痛でしてた。
会話、笑顔、何かの当番、そんな他愛もないことが私の心を掻き乱す。
だから私は毎朝、嘘をつく。自分に一つ嘘をつく。大きな大きな嘘をつく。
自分はできると嘘をつく。
それはきっと後ろ向きな私がどうにか前に進むための乗算。前が見えない後ろ歩きでも進もうとするための苦肉の策。
そんな私の努力はいつもそれなりでしかありませんでした。よく言って器用貧乏と評され、悪く言えば努力不足。周りは後ろ歩きを否定し、前を向けと口を揃える。
乗算を否定し、加算で結果を私に求め続ける。
できる人の理論を突き付け続ける。
それはまるで水中から出ようとする私の頭を押し続けるようでした。
「死んでしまいたい」
そんな言葉がふとした時に出るようになりました。
しかしそんな勇気は私にはありません。
いっそ事故にでも遭えばと期待してもいます。
そんな期待を胸に私は今日も今日とて嘘をつき続けます。
いつか楽になれる日が訪れるまで。
息苦しさを感じなくなるその日まで。
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