はじめに断っておくと、私はカードバトルという物で遊んだ経験が無い。
ルールも、ほとんどわかっていないと言って良い。
そんな私でも、何が起きているのか、映像で想像する事ができた。
これはもちろん、作者の筆力のなせる業であろう。
だが、それ以上に作者のカードバトルへの愛情があってこそのものだろうと感じずにはいられない。
主人公達が小学生らしく元気でありながらも、礼儀正しい姿にも好感が持てる。
二つの世界がゲームを通じて交わろうとしているのか、この後世界が大きく広がっていきそうな予感に、期待を隠せないのは私だけではないだろう。
コールする事で呼び出されたキャラクターが、ホログラフで実際に目に見えるようになるのも面白い。
こんなゲームが現実に生まれたら、私もきっと、やってみたくなるだろうと、半ば確信している。
そして、カードを一枚手に取った時、私もまた、声高らかに叫ぶのだろう。
「アルターコール!」と。
架空のカードゲーム「Break×Battle」をテーマとしたホビーアニメの体をとった小説になっています。面白い設定でありながら全く違和感なく読めるのはさすがだなと思います。
作者自身の愛と感性をつぎ込んだキャラクターと、そのやりとりのハーモニーは読んでいて楽しくなること請け合いです。
また、少年の成長、親友との出会い、バトルを通じてわかり合う新しい友、異世界の冒険などを読んでいると、自分の幼い頃に忘れていたドキドキやワクワクを思い出せるのではないでしょうか?
個人的にはルール作成のお手伝いをしたこともあり、多くの人に広まってほしい作品です。