人喰らいの魔法使い
硯見詩紀
序章
序
それは、生物・無機物を問わないすべてのものの中に存在する。これは日本が発見し、そして日本は霊魂という存在を基に魔法体系を築き上げ、世に発表した。
それにより世界中で魔法使いが誕生した。だけれども、誰も彼もが魔法を学ぶことで魔法が使えるなんてことはなかった。どうやら、何かしらの適正ないし才能がなければ魔法使いにはなれないらしい。
結局のところ。魔法が使える者よりも魔法が使えない者の方が多く、少数派は多数派に喰われ――魔法使いは迫害される。
いつの時代も異端者は片隅に追いやられる。
魔法使いたちは、魔法の発祥の地とも言える日本に集まった。
そして、いつしか日本は魔法使いだけの国となった。
異端者だらけの国。世界中からの風当たりは厳しくなり、だんだんと日本は孤立していく。
このままではいつかどこかの国の攻撃を受けかねない。
そう考えた日本はひとまず退散することにした。攻撃を受けないように空へと逃げた。
魔法の力を用いて日本列島を宙に浮かばせたのである。
二月一一日のことだった。
この日。日本は空中国家〈日本〉として新たなる時代を歩み始めたのだ。
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