Great Class 40

白神紫狼

0話

プロローグ

入学


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 とある地方に存在している、ごく一般的な高等学校、草薙くさなぎ高校。

 四月一日。その学び舎に、また新たな生徒達が歩みを始める。

「一年G組阿光あこう剣人けんと

「はい」

 一年G組。

 この学園の一学年ごとのクラスは、8クラス。その中の2番目に位置するそこには、40人の新入生が新たな旅路を夢見るように、教室という名の庭園へと蒔かれていた。

「はい、全員揃ってるな。席につけ」

 唐突に戸が開くと、担任が姿を現した。

 名前を馬場ばば鉄人てつひとと云い、赴任八年目の、よくいる普通の教師だ。馬場は黒板に自らの名を記し、生徒たちの目線へと向かい口を開いた。

「俺が今日からお前らの担任になる、馬場鉄人だ。

 担当教科は国語と体育。よろしく頼むぞ」

 時は変わって、G組教室。

「おう。席、隣だな。

 俺、鴨花かもはな中出身の園咲そのざきたくみ。あんたは?」

「僕は……龍海たつみ真一しんいち。中学は、黒楼こくろうだったよ」

 出席番号20番、園咲工。出席番号21番、龍海真一。

 彼らは、偶然席が隣同士だったというだけ。今出会うまでは、縁もゆかりも無い他人だった。

 ただし、知り合った現在からは、赤の他人からクラスメイトへとクラスアップを果たした。それでも、まだ知り合った同じクラスの同級生、というだけであり、特に特別なものではないのだが。

「部活とか、どこにするかとか決めてるか?

 俺から訊いてなんなんだが、俺はまだ決まってねえかな……

 強いて言えば、工作部とか……俺、そういうの得意だし」

「そうなんだ。

 僕は……特に、ないかな」

「ふーん。でも勿体無いと思うぞ。

 折角の高校生活なんだ。何か経験しとくのも良いんじゃねえのか?」

「そうだね。でも僕、あまりやりたい事が見つからないんだよね」

「そうか……

 なら、何か考えておくってだけでもいいと思うぜ。何も考えてないよりましだろう」

「うん、ありがとう。園咲くん」

 その後も二人は、他愛のない会話を交わしながら、時間を潰した。

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