可哀相なピクルスくん
モンブラン博士
第1話 ピクルスくんの悲しみ
「ピクルス抜きでお願いします」
その一言が僕の胸にちくりと刺さる
ハンバーガーの材料は
みんな大好きハンバーグ
欠かせない存在のバンズ
とろりと溶けて伸びる人気者のチーズ
だけど
僕は違う
ピクルスの僕は愛されていない
子供達から
「ピクルスマズいーっ」
「ほらほらちゃんと食べて」
「嫌だぁああああっ」
「しょうがないわねぇ。次からはピクルス抜きにしましょ」
「ほんと!? やったぁ!」
小さい子は僕を無理やり食べさせられる
野菜だから栄養はある
だけど
みんな僕を嫌う
だから
メニューに
「ピクルス抜き」がある
ハンバーグ抜きはない
ハンズを抜いたらバーガーじゃない
チーズはアレルギー体質の人はしょうがないけれど
それ以外で抜く人なんて
聞いた事ない
嫌われるのは
いつも僕だけ
材料の仲間からもいつも言われる
「おまえなんて、いなくてもいいんだよ」
「きゅうりの漬物なんてだせぇんだよ」
ハンバーグやチーズから苛められる毎日
僕はいらない子なの?
いなくてもいいの?
みんなから愛されたいのに
どんなにがんばっても
愛されない
そんなの
悲しいよ……
お願いハンバーガーの神様
もしもこの広い世界に
僕の事を好きな人がいたら教えて
世界中にたったひとりでもいい
僕を愛してくれる人がいるのなら
それだけで
僕は嬉しい気持ちになれるから
可哀相なピクルスくん モンブラン博士 @maronn777
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