第14話


背後に取り付けられた硝子窓を覗き、ごくり、と喉を鳴らす。

一体これで何度目か分からなくなるほど、ケビンは馬車に乗ってからこの行為を繰り返していた。

普段から追われることは何度も経験してきたが、今回ばかりは隣に座る優秀な護衛を見ても安心する事など到底出来やしない。



今回の計画は数ヶ月前より念入りに策を練り、高い確率でノーグ商会をヴァロータから排除できる状況を作り出すことに成功していた。


まず、全身が雪のように白いと言われる少女の身辺調査を行い、教会への告発材料として用意する。

そのついでに、『大熊』のゲルダンを白い少女をダシにして仲間に引き入れる。


そして商会に大きな商談が持ちかかり、人員に余裕がなくなる時期を狙って行動を開始。


商会の交易馬車の移動を私兵に妨害させながら、ヴァロータの下層部を買収して上手く商会の行動を見張った。


あとは白い少女を金で雇い、適当に商会に侵入させて捕らえさせ、その間に教会の部隊を連れてノーグ商会を告発。


本来なら、これでノーグ商会はヴァロータから消えるはずだった。



しかし完全に予想の範囲外から、最も厄介な者が現れた。


魔獣がいるという森から白い少女と共にヴァロータに現れた黒衣の男。


本人が名乗るには、オルレニア。


邪魔だからととりあえず周辺を調べようとすれば尾けさせていた部下が気絶させられ、それならばと寝込みを襲おうとしても、寝ている姿が見当たらない。


そしてあろう事か、尾けさせていた部下を脅迫、尋問してこちらの居場所を割り当て、向こうから一方的に契約をして計画に関わってきた。


結果、万全の準備を持った少女は商会に捕まらず、能力不足でゲルダンが役に立たなくなった。

商会が雇っていた傭兵団はオルレニアのせいで弱体化したらしいが、それでこちらに利点はほとんど無いと言って良いだろう。


対して、こちらの計画はほとんどが崩壊させられた。

先が見えない状態でその場しのぎを繰り返し、やっと教会へと行く事が出来るが、この後どうすれば良いのかも分からない。


更に、恐らくオルレニアはこちらの動きに気付いている。

背後を振り向けば、そこに敵がいるかもしれない。

貴族社会を生き残る中で何度も経験した筈の事が。途轍もなく怖かった。


「御者、教会まで後どれくらいだ。」

「残る所、二時間程度で御座います。」

「もっと急げないのか。」

「これ以上馬に負担を掛けますと、道中休憩を挟まねばなりませぬ。効率的には現状が最速です。」


商会は、ケビンを潰しに来ている。オルレニア達がケビンの思惑に気づいたならば、ノーグ商会が協力する筈。


そうなると奴らの馬を使うだろう。


北の地の厳しい環境で育ち、時には猛獣と戦わせてまで育たせるノーグ商会の馬は、体力、速度共に優れている。


駿馬を使われたならば、追い付かれてしまう。


「頼む。ここで躓く訳には行かないんだ。」


一人呟き、馬車の遥か後方から感じる殺気に、ケビンは祈るように目を閉じる。


「シルヴィア……」


その表情は、心の底から溢れ出る様々な感情で、険しく歪んでいた。




◎◎◎◎




「……貴様はルフィアの良き友であると憶えていたが。何故、我等の前に立ち塞がる。」


大剣を抜き払いながら向き合うゲルダンに、オルレニアはそう問いかけた。


「別に、アイツの邪魔をしたい訳じゃねえ。」

「何?」

「俺が聞きてえのは、てめえとルフィアの関係だ。」


ゲルダンの剣先が地面を離れ、大下段の構えへと変わっていく。

その目は明確な敵意をオルレニアに放ち、戦闘は避けられないように見えた。


「我とルフィアは、そう大した関係では無い。唯、旅を共にしようという者だ。」

「……なら、ルフィアは何であんなに変わった?あいつは、声を荒げたりしねえ。」


ゲルダンの動きが止まった。


構えが完全な状態。恐らくは最も信用できる一撃を放つつもりなのだろう。

それはオルレニアの実力を見抜き、それでなお打ち倒そうとする心の表れだ。


仕方ない、と眉間に皺を寄せ、オルレニアは剣を抜き払った。


「来るが良い。事が終わるまで、貴様に説明をしてやる暇は無い。」


そう言うと同時に、周囲の気温が下がったかと錯覚するほどの殺気が撒き散らされた。

ルフィアと出会ってから初めてオルレニアが行う、真剣な戦闘。


殺気が収束し、ゲルダンへ一筋に向けられる。


その刹那、ゲルダンが地を蹴った。


「ッ!!」


2メートルを超える体躯は、最初の踏み込みで相手の距離感を錯覚させる。

瞬きする間にゲルダンはオルレニアに接すると、全身の筋肉に力を張り巡らせ、横薙ぎに大剣を振るった。


通常なら一切の抵抗すら出来ずに命を破砕される必殺の一撃。

たとえ反応出来たとしても、大剣はそこらの盾や剣では防ぐことは不可能。相手の身体へ到達する。


「ふん……」


全力の一撃に勝ちを確信したゲルダンの耳に、オルレニアの声が聞こえた。

それと同時に、背筋に途轍も無い悪寒が走り、冷や汗が溢れ出す。


そして、ゲルダンの視界の中でオルレニアがブレた。


「なん――ッ!?」


気付いた時にはオルレニアの体は大剣を飛び越え、ゲルダンの顔へと回し蹴りが放たれていた。

なんとか大剣を手放し、上半身を後方へ仰け反らせて蹴りを回避するも、その間にオルレニアは地面に着地して剣撃を放っている。


「む……っ」


オルレニアは自分の振るった剣がゲルダンの体を切り裂けずに折れたと気付き、僅かに驚きを顔に表した。

ゲルダンが念の為にと装備していた鎧が攻撃を防いだのだ。


しかしオルレニアの反応は速かった。


剣が折れたと気付いた瞬間、折れた剣をゲルダンの顔面へと投げつけ、マントの内側から2本目の剣を抜いたのである。


ゲルダンは投擲された剣を宙空で叩いて弾き飛ばしたが、その隙は致命的なミスとなる。


一度目のような、バランスの安定しない状態からの一撃ではない。

オルレニアの完璧な構えで、無駄な動作などない必殺の一撃が、一度攻撃を与えた箇所・・・・・・・・・・へと叩き込まれた。


脆くなっていた鎧がいとも容易く切り裂かれ、ゲルダンの体へと剣が到達し、脇腹から鳩尾にかけてまるで一切の抵抗を感じさない太刀筋が通り抜ける。


「あ?」


オルレニアを目で追おうと振り返ったゲルダンは、おかしな形に捻れた自分の体をみて、咳き込みながら血を吐き出した。


「ああクソ……バケモンめ……」


脇腹全体に痛みが走り、続いて自分が切られたのだと気付いたゲルダンが表情を歪めながら剣を取り落す。


「化け物は技を知らぬ。それとも、人間こそが化け物と言いたいのか?」


てめえが本当に人なら、その通りだ。


ゲルダンは心の中でそう呟きながら、じわじわと感じ始めた激痛に膝を着く。

脇腹を内蔵ごと切り裂かれる。いくらゲルダンが丈夫であったとしても、人である以上充分に致命傷だ。


歴戦の経験など、一切役に立たなかった。


圧倒的な実力を受けながら、ふと。

そう言えばとゲルダンは記憶を引きずり出した。


「……そういやぁアイツは、強いモンが好きだったか。」


ルフィアは、昔から男のように強いと言われている物が好きだった。


名匠の作った剣、巨大な投石機、優秀な戦士。


いつもそんな物を見る度に目を輝かせている、珍しい少女だった。


無論、異性としての好きとは違う筈だが、そういった物を見るとルフィアはすぐに気に入って、それについて盲目的になる。

もしかすると、ルフィアがオルレニアに付いていく理由は、それなのかもしれない。


「いや……そうなんだろうな。」


ルフィアは優しい少女だ。

人が危険に曝されるようなら、怒鳴ってでも止めようとする程に。


そして当然、彼女の性格ならば誰かを気に入ることもあるだろう。

それが偶然オルレニアであったとしても、何らおかしい事はない。


そう。何もおかしくなど無いのだ。


「何で俺ぁ、たったそんだけの事に……?」


何か、違和感を覚えた。


しかしそれを考える間も無く、乾燥した雪が急激に体温を奪っていく。


少しずつ重くなる瞼を何とか支えながら、ゲルダンはオルレニアへと顔を向けた。


「……先の技、見事であった。」


そして、オルレニアがそう言ったのが聞こえると同時に、意識から手を話した。



◎◎◎◎




白い髪が風に舞い、演舞するかの如き動きから放たれる凶悪な斬撃。

対して、暴風の様に荒れ狂う槍捌きから起こされる無尽の攻撃。


ルフィアと対する男は、全力の戦闘を続けていた。


「っぇええい!!」


男が横薙ぎに払った槍に、逸らす形で剣を添えて上へ流しながら滑り込むルフィア。

そこから放たれる刺突を、男は寸前で躱し、槍の柄を振るってルフィアを後退させる。


「ふんッ!!」


地面を蹴って後退したルフィアに向けて、男は槍を水平に構えて全力の追撃を放つ。

しかしルフィアはその槍を紙一重で躱すと、男の横を通り抜けながらその腕に剣を振るい、浅い傷を付けた。


周囲から見れば、男とルフィアの実力は拮抗しているように見えるだろう。

だが、男はルフィアとの大きな実力差を感じていた。


最初の蹴りは、飽くまでルフィアが慢心を見せた事で与えられた物。


それ以降ルフィアに男の攻撃は触れられず、掠りもせず、それどころか男の体に無数の小さな傷が与えられてしまっている。

そして傷が増えれば増えるほど、男は劣勢になって行くのである。


つまりルフィアが何かミスをして、その隙を上手く突けなければ、男は敗北するということであった。


「……ッ!!」


背後から迫るルフィアをギリギリまで引き寄せ、近づいた所で一気に背後へ、槍を下段から斜めに振り上げるが、まるで読まれているかのようにルフィアは槍を躱して男の腕を切り裂く。

幸いな事にさすがに大きな一撃を与える程の余裕がルフィアには無いようで、本来の目的である時間稼ぎは出来ているのではないか、と男はもう一つの戦いへ視線を向けた。


「なっ……」

「どうしました?」


男が目を見開いて驚愕し、ルフィアは当然という笑みを浮かべて容赦なく剣先を男に向ける。


視線の先には鈍い鋼色の剣を持ち、服に汚れ一つ付けず堂々と歩いてくるオルレニアの姿があった。


「余所見、いけませんね?」

「は――っ!!」


一瞬気を取られた間に、ルフィアが急接近していた。

男は何とか振り下ろされた剣へ、槍を盾に防御しようとする。


だがルフィアの渾身の一撃は、いとも容易く鉄の槍を縦に斬り裂き、鋭い金属音と共に分断。


そして、そのままルフィアの剣は男の胴体を縦一線に斬り裂き、鮮血を雪原に散らした。



「……久しぶりに……成功しました。」


ルフィアは頰についた血を拭いながら、そう呟いた。


ルフィアが行ったのは、途轍もない集中と、完全な体勢、全力を込めたルフィアが使える必殺の一撃。

鉄をも斬り裂き、相手を一撃で仕留めることを目的とした必殺の技だ。


普段の状態ではこれほどの技を使う事は出来ない。

相手の実力が自分と近く、油断や慢心といった心を打ち消してくれたことで、ルフィアも余すことなく全力で戦うことが出来たのだ。


「良い一戦でした。」


胴体を赤く染めながら地面に大の字で倒れる男に、ルフィアは剣を納めてそう言った。

どのような相手であろうと、その技に罪はなく、等しく敬意に価する。


人を殺す事には複雑な気分だが、ルフィアはこの男に勝てた事に喜んでいた。


「……生かしておくか?」


ふと、剣を納めながら隣に現れたオルレニアが問い、ルフィアは小さく首を傾げた。

胴体を大きく切り裂かれた人間が大した治療法も無く助かる訳がないだろう、と。


「貴様にも使ったが、この程度の傷ならば治すことは出来る。どうする?」


ルフィアの思っている事に気付いたのか、オルレニアは言い方を変えた。

そう言えば森の中で魔獣に襲われた時、オルレニアはよく分からない方法でルフィアと魔獣の傷を癒した。


それが出来ると聞いて、ルフィアは迷う事なく頷いた。敵とは言え、彼本人が何か悪事をした訳では無い。


仮にしていたとしても、これほどの戦士に簡単に死んで欲しくはない。


「……そういえば、それって一体何をしているんですか?」


オルレニアが緑色に輝く光を手の平から放って男の傷を治していくのを見ながら、ルフィアは疑問を口にした。


「……少々、説明が難しいが。簡潔に言うならば夢物語に出てくる『奇跡』の様な物だな。」


『奇跡』。とルフィアはそう繰り返した。


ルフィアは小さな頃、この本が貴重な世界にありながら、親に童話や夢物語の話をよく聞かされて育っている。

確かにその話の中に出てくる数々の奇跡と、オルレニアが行っている事は似たように見えた。


「それ、私には使えませんか?」


だからこそ、憧れも強い。

別に大した事が出来なくとも構わない。擦り傷を治せるだけでも、 普通に考えれば価値のある事で、ルフィアの憧れる『奇跡』だ。


しかしオルレニアは、「無理だ」と言って首を横に振った。


「この力を使うには条件がある。……少なくとも、今は不可能だ。」

「そう、ですか……」


ルフィアは一瞬残念そうに肩を落としたが、すぐに頭を振って気分を切り替える。

今はそんな事を言っていられるほど余裕のある状況ではない。

馬を失い、早く終わらせたとは言え戦闘を行った後だ。


そして馬を失った事で、ケビンに追い付く事が出来なくなってしまった。


「……時間がありません。オルレニアさん、どうしましょう?」


問い掛けると、オルレニアは少しだけ思案する様な素振りを見せて、何かに気付いたようにルフィアの背後へと目を向けた。


「ルフィアよ。」

「はい。」

「我が渡した小笛は持っているか?」


言われて、ルフィアは腰に付けた巾着袋の中からオルレニアとの連絡用に持っていた小笛を取り出す。

オルレニアはそれを見て上出来だと言わんばかりに無表情を歪めるようにして笑った。


「それを、森で出会った狼――魔獣の事を想像しながら吹くのだ。」

「……?はい、分かりました。」


相変わらず説明が足りず、理由のわからないままルフィアは小笛に口を付け、森の中で出会った銀色の大狼を想像しながら息を流し込んだ。


すると、笛の歌口から白色の風が流れ出し、周囲に心を落ち着かせるような音色が雪原に広がった。


そうして数十秒ほど経った頃。


「来るぞ。」


その音の中で、オルレニアがルフィアの背後を見据えたまま声を上げる。

そして数秒後、何かが雪原を駆ける音が聞こえて、ルフィアは思わず笛を吹くのをやめて振り向いた。


「わ……!!」


視線の先に居たのは、森の中で出会った、人を二人はは乗せられそうな大狼。

まるでルフィアが吹いた笛に呼び寄せられたかのように、それが現れたのだ。


そして、敵かと身構えるルフィアの横を通り抜けて、オルレニアが大狼に近付いた。


「……よくぞ来てくれた。偉大なる銀狼の子、ウラガーンよ。」


その狼に対して、オルレニアはさながら知り合いの様に近付き、声を掛ける。

するとウラガーンとよばれた狼は、オルレニアと顔の高さを合わせると笑う様に牙を剥き出しにした。


『久方振りか。ディスペルァーティヴの王よ。……今は、違う名か?』

「ああ。今はオルレニア=ヴィエナだ。」

『そうか。その方が良いな。』


さも当たり前かのように言葉を発した狼に、オルレニアも当然のように応じる。

だがルフィアにとってはそうではない。


若干状況の呑み込めていないルフィアに、ウラガーンの顔が向けられる。


『白き少女よ。ようやく記憶が戻り、礼を述べられる。魔の力より私を解放してくれた事、この銀狼の名を以って礼を言おう。』

「魔の力……解放……?よく、わかないんですけど、どういたしてまして。」

『……そう固くなるな。あの時のように、適当に接してくれて構わん。』


あの時、というのはオルレニアと初めて出会い、ウラガーンに対して半ば独り言のように話しかけた時の事だろうか。


ルフィアはまさか狼が人語を解するなどと考えていなかった為にあの様な言い方が出来たのであったが、相手がそれを望むならば、と口調を変えた。


「あなたは、どうして私達の所に?」

『我等銀狼の一族は、恩義に報いる。貴女にその恩を返そうと探していた時に、その笛の音に呼ばれたのだ。』


呼んだ、と聞いて、ルフィアがオルレニアに顔を向けると、オルレニアは無言で頷いた。

どうやら先ほどの小笛を吹いたのが呼び笛となっていたらしい。


『呼んだという事は何か困っているのだろう?細かい事は不得手だが、凡そ出来ることなら何だろうとしてやろう。』


ウラガーンは二人を交互に見て、かなりリスクの伴う発言をした。

何だろうと、という言葉はいつの時代においても危険な物なのだ。


そしてそれを聞いたルフィアは、にんまりとはにかんで、ウラガーンの美しい毛並みに顔を埋めた。


「あなたくらい大きいなら、私達二人を乗せて走れるよね?」

『無論だ。人に使役される低俗な馬なぞ比類にならない速度で走って見せるぞ。』


ゆっくりと目を細めて、ウラガーンはその場に座り込む。

相当な自信と経験から来る確かな言葉に、ルフィアは喜び勇んで颯爽とその背に乗ってから、一転してオルレニアに深刻そうな顔を向けた。


「……我が前に乗る。構わぬな?」

『ん?』

「ルフィアは騎乗が苦手な様でな。」


オルレニアがため息を吐きそうな顔で苦笑すると、ウラガーンも尻尾を揺らして小さく唸った。

二人揃って呆れている様である。


「む……早く出発してください。」


ルフィアは顔に不満を露わにしながらオルレニアの後ろに乗ると、顔と同じように不満だらけの声でそう言った。


「我が案内する。頼むぞウラガーン。」

『ふん……精々振り落とされぬようにだけ気をつけて置くが良い。』


僅かに座った状態から体が浮き上がり、引きしぼられるように力がウラガーンの全身に篭っていく。


ルフィアが息を呑み、オルレニアが行く道を見据えた瞬間。

まるで火薬が爆発したような音が鳴り、数拍遅れてルフィアはウラガーンの脚が地面を蹴ったのだと理解した。


その速度は僅か数秒にして駿馬の最高速度を上回り、まさに比類にならない速度で雪原を駆けていく。


このままケビンに追い付ければ、あとはイヴ達が証拠を見付けるだけで良い。


ここまで全て、上手くいっている。


ノーグ商会からの報酬の事を考えながら、ルフィアはオルレニアの背に額を押し付けた。




全身に襲いかかる疲労から気を逸らす為に。

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