サイコロで生き抜く異世界転移〜奇数で幸福を‼︎〜
シマの紙
第1話 始まり
「黒木明人さん起きてください」
僕を呼ぶ声がする……目を開けるとそこには女の子が立っていた。
誰だろう?
「よいしょっと……あなたは誰ですか?」
僕は謎の女の子に聞いてみた。
「私はアスティナです。この世界の神を勤めています」
へぇー神様ねぇ……神⁉︎
「神様なんですか⁉︎」
神様なんて初めて見た。
「はい、そうですよ」
「じゃあ神様、どうして僕はここにいるのですか?」
そう、僕はよくわからない場所にいる、来たことも見たこともない場所だ。
「あれ?覚えていませんか?あなたは18歳の誕生日に石につまずいて死んだんですよ」
え……本当に?僕死んだの?というか、石につまずいてって……
「すみません……まったく覚えてないです」
「まぁ、仕方ないですよ、頭を打って死んだ方の多くは死んだときの出来事を忘れていますから」
……そうなんだ。
「死んだ僕がここに呼ばれた理由はなんですか?」
「あなたは最悪の運で死にました」
……はい、そうですね。
「ですから、もう1度この世界で生きていただこうかと」
どういうことだ?
それって、僕が赤ちゃんに戻るのだろうか?
「赤ちゃんに戻るんですか?」
「いいえ、その状態からです」
それは良かった。
「ですが、何も持たない状態で生き抜くのは難しいでしょう」
なんでだろう?この世界って治安が悪いところなのかな?
「なんでですか」
「それは、この世界にはモンスターがいるからです」
治安どころじゃなかった。
「マジですか?」
「マジです、ですから、サイコロと指輪をあげましょう」
……サイコロ?
「えっと、どうしてサイコロなんですか?」
普通こういうときって、伝説の剣とか、最強のスキルとかじゃないのか?
「あなたは運が悪くて死にました、ですから運の力で生きてもらおうかと」
……は⁉︎
バカだ‼︎この神様、バカだよ‼︎
普通、運が悪くて死んだ人間に運で生き抜けっていうかな?
「それじゃあ、奇数と偶数どちらがいいですか?」
いやいやいや
それじゃあって……
「えっと、他n「どちらにしますか?」
……拒否権はないらしい。
仕方ない、偶数も奇数も同じだ。
「じゃあ、奇数で」
「それでは奇数は幸福、偶数は不幸にしますね」
え⁉︎なに⁉︎どういうこと⁉︎
幸福はいいんだけど、不幸ってなに⁉︎
「それでは行ってらっしゃい」
「え、ちょ………」
……こうして、僕の異世界生活が始まった。
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