7編のお話からなる、ピアノにかかわりを持った人たち。登場する老若男女それぞれが持つ苦難や葛藤が詳細に、綿密に描かれています。彼ら、彼女らは、それでもやってくる明日に向かって歩んでいきます。この物語の幕が一度降りたあともきっと、一歩ずつ確かな歩みを持って。人と人との繋がり、家族の大切さ。ふと、そうした物を見つめなおすきっかけを私に持たせてくれた素晴らしい作品でした。是非、御一読下さい。
ピアノの音色が、時には幸せな思い出を、時には苦い過去を運んできます。男と女。親と子。人間と人間との繋がりが心を揺らし、育み、繋いでいく。そうやって人は生きていくのだということを、それが人生なんだと、感じさせてくれる物語です。