第14話 2番はくれてやる……だから1番を私によこせ


 2016年3月27日3時32分。この作品が17位になった。ってか、16位不在なんだから16位でいいでしょ! なんなんすか。『医魔女』の順位も16位で、「一緒だね」ってやりたかったのに。この奇跡的な間の悪さ、神掛かっている(ナルナルの住民には少し理解しがたいかもしれないが)。そして、今ざっと順位を流し読みしていたが、私の順位以外には歯抜けは無い。

 と言うわけで、少しこれを利用してやることにした。

 まずは、ツイッターでつぶやいて注目を集める。プロフィールは固定。ランキングは全てのヨムヨムコンテスト民の注目話題なので、興味のある人は確認するだろう。その時のキャッチコピーが1番重要になるだろう。タイトルよりも目立つキャッチコピーに刺激的な言葉を載せられたなら。よしっ、今回はキャッチコピーを変えてみよう。


               *


 他者のキャッチコピーは自分ではどうすることもできない。だから、すでにやれることは無い。だが、少しだけ書いてくれたレビューについて述べる。

 本当はレビューで溢れるのが理想だったが、それはいい。なぜなら、この状況も悪くないから。入れてくれたレビューに熱が籠っている。1つ目は言わずもがな、読めば面白そうってのが伝わってくる。更新してくれている様子も伺えて嬉しくもある。もう1つは見るだけで熱い。こんなキャッチコピーは私は好きだ。野心的な作品に合う、いいレビューだ。この2つだけなのは、実は結構大きいのだ。私につけられているのにはないが、たまにヤバいレビューがある。

「ええっ、これ見て読みたいと思う?」とつけてくれたのにも関わらず、思わずツッコみたくなるようなレビュー。

 たとえば……「まあまあ」とか、「まあ……読めた」とか。そんな一言が無残に添えてあるだけのレビューだ。評価を入れてくれるだけで万々歳なのであまり言いたくは無いが、そんなレビュー残すくらいだったら評価だけしてくださいとも思う。誤解しないでもらいたいのは、レビューは欲しい。高いレベルは求めていない。普通でいい。普通で。

 やれることは、自分のキャッチコピーだ。この作品の長所をアピールする有効なキャッチコピー。これを考えようと思う。

 『2番はくれてやる……だから1番を私によこせ』

 考えようと思う……というか、お風呂の中で答えは出ていた。これしかない。自分がトップに登り詰めようとする野心家であるというアピール。これは、中々秀逸だと思った。

 何の問題も無い、これはフィクションでコンテストの物語なんだから。

 たとえば他の作品がこのようなキャッチフレーズを載せればどうだろう。それは、悪手だと思う。物語と全く関係が無いから。でも、これは1番(大賞)を目指すという目的で作られた物語。主人公がそう息巻いていても何の問題も無いのだ。


 ここで1つ懸念されるのは、生意気、嫌な奴だと思われないかだ。しかし、これは恐らくだが問題ないかと思う。コンテスト上位者(ランキング、ジャンルの明言は避ける)はハッキリ言ってそんな奴らの塊だ。我こそ頂点。我こそ最強。全てはそうとは言わないがほとんどはそうだ。もちろん私もそう。だから、野心的であっても全く問題は無い。


 だが、明らかにやりすぎている奴がいる。いや、やりすぎに見える奴がいる。方法なのか言動なのかは控えるが、あれはいけない。野心的なのはいいが、あんばいを間違えると、エライことになる。そのような愚を犯してしまった者はどうなるか……的になるのだ。


 たとえば日本代表本田のように有言実行型なら問題ないだろう。ちなみに私は大好きだ。生意気にして野心家、そしてそれに伴うバイタリティと実力の持ち主だ。そして、サッカーは明確な勝ち負けの基準がある。非常にわかりやすいゲームだ。

 しかし、このヨムヨムコンテストはどうか。面白さと言う曖昧な基準の中でどうやって実力を証明するのだろうか。果たしてその野心的な言動と態度をまかなうだけの実力があると誰が証明するのだろうか。否、そんなことはできる訳は無い。


 だから、あえて敵を作ることにした。このキャッチフレーズはコンテスト上位陣を全て蹂躙してやるという意志の現れ。明らかな敵意、そして挑戦だ。

 自分が逆に的になる危険もあるとは思うが、仕方ない。リスクは常につきものだ。どちらかと言うと、今までみたいに何の反応も無い方が、怖い。


 ふーっ、しかしこんな時間帯で書いていると変なテンションになるな……そういえば、私は今まで1番になりたいと思ったことがあっただろうか。

 高校で3年間費やしたバドミントン。大学受験に、ラクロス部。そして、就職。常にそこには強者がいて、1番になろうなんて夢にも思わなかった。今まで書いてきた小説だって、受賞しようと思って投稿したことは何度もあったが果たして私は本気で1番を獲ろうとしていたか。

 答えはわかりきっている。選考者はわかってない、そう言い捨ててビーフジャーキーかじってただけだ。『医魔女』だってそうだ。ランキング実装前にランキングトップになることは諦めた。日を重ねていくうちに、上位で居続けられればいい。そう思うようになっていた。

 選考者はわかってくれるはずだ、上位なんて人気だけなんだから本当に面白いのは自分の作品だと認めてくれるはずだ。そんな都合のいい想いを抱いていた。

 そんな妄想など、今まで叶ったことも無いのに。

 今、私は初めて切に願う。なんとしても1番になりたい。石に噛り付いてでも、どんなことをしてでも1番になりたい。2番はいらない。2番なんてくれてやる。だから、1番をください。くれると言ってくれるもんじゃないのはわかってる。だから強く言う、よこせ。

 必死な奴だと思われても外道だと、邪道だと罵倒してくれても一向に構わない。だが、その代り1番を私によこせ。


 願わくば、この熱が皆さんにも伝わって欲しいと願うのはやっぱり私の妄想なのだろうか。

 


 

 

 

 

 

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