第11話 チチ……いってみるか?

 2016年3月26日17時52分。気分転換にシャワーを浴びて戻ってきた。しかし、今のところ有効な手立ては思う浮かばない。

 ……クソっ! 絵はできていた。ただ、どうにもそれを書くことが出来ない。

 レジスタンス的作品はウケる、そう踏んでいた。今のヨムヨムサイトで象徴的な作品は2つ。3文字の奴(名前は控える)とイッコーさん(まーぼーろーしー)だろう。フィクションだ、あくまでフィクション。


                *


 当初、私はある敵と戦っていた。とある3文字の奴の手下的存在「パイオツ」だ。まさに、恥辱としか言いようがなかった。私なりに必死な想いで書いた『医魔女』。このヨムヨムサイトにおいて1番の出世作である『医魔女』。そんな私の愛息子を嘲笑うかの所業。「パイオツ」ゆるすまじ。私は闘志に燃えていた。

 だいたい、なんでパイオツがファンタジーなんだよ! 歴史だろ、昔からあったんだから。もしくはSF、ちょっと不思議だから。

 いや、失礼した。そんなことはどうでもいい。文字数稼がなきゃいけないから書いてもいいが、今はいい。この激闘の様子は近況ノートに乗っているので、興味のある方は是非。

 これらの文字数が極端に少ない作品が横行した。これは、運営にとっても世間にとっても全く予想外であったに違いない。

 簡単に言ってしまえば、運営への批判だろう。

「あんたの評価方法だと、こんな作品が横行しちゃいますけど? その辺どう考えてんですか運営さん」

と言ったところだろうか。


 そして、もう1つ。その出来事自体の面白さだ。3文字の作品が、その斬新なアイデアが、他の強豪どもを次々と薙ぎ払っていく。その様子はある意味痛快だった。結局、その3文字の奴は大手サイトの頂点にまで登り詰めた。

 イッコーさんは以下省略だ。この物語は誰でも読める物語を目指します。


 私もこれがやりたかった。アイデアとインパクトで上位にいるランカー共を次々と蹂躙していく、そんな妄想に憑りつかれていた。

 この物語にその要素が果たしてあるのか……それは、コンテスト終了まで取っておくとしよう。まあ、ほぼ結論は出てしまっているかもしれないが。

 しかし、この物語には少なからずレジスタンス要素が入っていると思う。

 まずはこれが、コンテストの戦いを描いているコンテスト作品であるという事。他の作品にも運営批判なるものは横行している。だが、それは決してコンテスト作品ではない。これは、ほぼ間違いなくヨムヨム運営の想定の外であったに違いない。そして、少なからず運営の失策なども作者目線でのたまってるのでヨムヨム運営にとって望んでいる作品とは言い難い、そう思った。

 劇場が壊されるのは困るが、ハプニングは面白い。得てしてそういうものでは無かろうか。

 そして、もう1つ。ここはこだわった個所だが、物語を全くの0から始めるという点だ。リアルタイムで書きつづけ、2週間余りで10万文字を達成する。その行為だけで一目置かれる存在になれると思った。だから、タイトルは「今から小説大賞目指します」なのだ。これは、後々効いてくる……そう自分に言い聞かせながら書いていた。物語が進みにつれ、上位ランカーを蹂躙していく半レジスタンス的な物語。まさしく、妄想。誇大妄想を抱いていた。


 なんか無いのか! カンフル剤的なものは。この物語をサポートしてくれる半レジスタンス的な題材のものは。そんな風に、他の上位ランカーの題名を片っ端から見まくった。依然として、あの3文字の奴はヨムヨムサイトへはびこり続けている。むしろ増殖を続けている。

 何かよりインパクトの強いもの、インパクトの強いフレーズは無いか……うーん。パイオツはいい線いってたんだよなぁ。他の二線級と比べて強かったし……でも、少し下品なんだよなぁ。パイオツ……パイオツ……おっぱい……胸……乳……チチ……チチ……チチ?

 チチはどうであろうか。父親のようであり、某漫画キャラでもあり、胸でもある。人によっていろいろな創造が可能だ。映画のキャラクターの名前も似ている。

 チチ……いってみるか。いや、でも最早3文字の奴ですらバンバンbanされているのに今更投入してどれくらい持つか。それに、真っ向から運営にはむかうような作品は創りたくない。『医魔女』にも影響を受けかねん。最早この作品が殉じても、『医魔女』だけには生きていてもらいたい。

 いや、しかしそんな守りの姿勢でヨムヨム大賞が獲れるというのか……うーん……でも、絶対怒るしな運営。


 よし、決めた。行く。チチ、行きます。いや、これで行く。

 

 落ち込んだりもしちゃうけど、とてもお茶目な女の子のお話。そういう底で行こう。まあ、どっかの映画のCMみたいだが気にしないで頂きたい。




 


 


 

 

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