1-5 放課後2

「じゃあ明日な、忘れんなよ」


「どうせ時間前にメッセージしてくるでしょ」


「お、わかってんじゃねえか。よしよし、調教は順調のようだ」


 サッとぼくが腕を振り上げると、キリンが体型の割りに軽すぎるフットワークでひゅっと後退った。本人いわく、強面キャラを意識してるらしいけれど、マヨネーズのマスコットキャラにしか見えないソフトモヒカンがしゅんとしなった。


「——冗談だって冗談。ちゃんとHGも貸してやっから怒んなって。じゃ、明日闘犬で一緒に男を上げようぜ! アディダス!」


 お得意のオヤジギャグを言いながら軽快に遠ざかってゆくキリンを見送ったあとに、ぼくはリュックにした鞄にブレザーの上着とネクタイを詰め込むと、日課であるランニングを兼ねて、一人走りながら帰路を辿った。

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