第12問目 百害と一利
夢の中の世界なのに良く眠れた
不思議な感覚だ
頭もスッキリで良い感じ
さて目覚めの一服を・・・と思ったら
タバコの箱は空っぽだった
「ガッデム畜生!」
「わぁ~!唐突にどうしたんですか~?」
「タバコが切れたんだよ・・・買いに行ってくる」
「私も付いて行きますよ~」
折角スッキリ起きたのに台無しだよ!
取り敢えず速攻着替えて携帯持ってポケットに携帯灰皿を確認・・・っと
朝風呂も歯磨きも後回しだ
然しニコチンが切れると本当に頭が上手く回らない
思考が霞掛かって鈍いな・・・
とにかく近くのタバコ屋まで急ごう
-3分後-
タバコ屋が閉まってた・・・
「こんな時に勘弁してくれ!」
「そんなに慌てなくても~」
「駄目なんだよ!」
「ひっ!今の御影さん怖いです~」
次に近い所は駅の方の自販か
急ごう
-8分後-
駅近くのタバコの自販に着いたはいいが全部売り切れ
「何なんだ!クソが!」
「落ち着いて下さい~」
「朝イチのタバコが無いから落ち着かないんだよ!」
「怒らないで下さい~」
早く次を探そう
駅前にタバコ置いてるコンビニ有ったな
-2分後-
コンビニ着いた!開いてる!
然しポケットに手を伸ばして戦慄走る
財 布 を 忘 れ た
昨日のジャケットに入れたままだった!
「クソッタレが!馬鹿か俺は!?」
「あの~」
「煩い!・・・早く帰らないと!」
無駄な時間を使っちまった!
-9分後-
急いで帰って昨日のジャケットを探る
財布は・・・有った!
中身も入ってる!と確認して今度はチャリでコンビニへ行こうと思った時
「御影さん~!焦り過ぎです~!」
「焦って何が・・・ん?」
ナコをよく見ると涙目で怒っている
「私の役目はナビゲートです~!私に聞いてくれれば良いじゃないですか~!」
もっともだ
俺とした事が親切にしてくれる女の子に何故キレてたんだ?
泣かせるなんて全くもって恥ずかしい
「ナビゲートします~ん~最初のタバコ屋さんに行って下さい~」
「閉まってたじゃ・・・あっ!」
そうだ!時間を考えて無かった!
急いで近くのタバコ屋に向かうと
「よっこいしょっと」
掛け声とガラガラ~とシャッターを開ける音と共に目の前でタバコ屋が開いていく
此処のバアちゃん店を開ける時間がマチマチなのが盲点だった
「おはよう!いつもの1カートン」
「あいよ」
札を出しお釣りを貰って速攻で封を開けると選択肢が!
1:タバコを吸わない
2:タバコを吸う
何だこりゃ?
今回の選択肢はサッパリ解らないぞ!?
「ナコ・・・今回は一般論としてタバコはどうかと聞かれてるのか?」
「どうなんでしょうね~難しいですね~でも~」
「でも?」
「タバコですが身体には百害有るけど一利は有ると思うんです~」
「何故?」
「さっきのカリカリしてた御影さんは今までとは別人の様に怖かったです~」
そうか・・・怖がらせちゃったか・・・
「どちらが答えか解りませんが柔らかい物腰の冷静な御影さんの判断が良いと~」
冷静になるか・・・
時間の余裕はもう無い
だったら答えは1つだな
「冷静になる為に2のタバコを吸うを選択するよ!」
と言ってタバコに火をつける
こういう店の前には灰皿が置いてあるのが基本だ
俺はゆっくり吸って煙を満喫する
頭にニコチンが回ってくる
「ゴメン・・・そしてありがとうナコ・・・感謝してるよ」
これで死んでも本望だ
「そんな事無いですよ~・・・あ~!正解です~」
「何!?てっきり失敗選択かと思ってたのに・・・因みに吸わなかった場合は?」
「ニコチンを摂取出来なくて急性ショック死です~」
「そうか・・・今回は何から何までナコのおかげだな」
「怖い御影さんより冷静な御影さんの方がずっと良いと思っただけですから~」
何か照れるな
取り敢えず今回もクリアだ!
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