第10問目 究極の選択とヘル=パーの気紛れ

「閉店だから気を付けて帰ってね」

「「は~い店長~」」

あれから対戦じゃなく協力プレイのパズルを1つクリアして店長に閉店を告げられた

店長は気さくな凄く優しい人でいつも気遣ってくれる


唐突にGODが

「じゃまたな!今日は面白かった!また来いよ!」

「おうまたな・・・気長に待ってろ」

と言って走って帰って行った・・・

あいつの家って何処なんだろうな



結構長くゲーセンに居たな・・・ふぁぁ

「この世界でも眠くなるんだな」

「はい~でも現実の時間はそんなに経ってません~」

「そうなのか・・・」

とナコと色々話しながら家に帰って来た


ふと携帯を見ると時間は23時半近く

日付は2月29日

閏日か・・・

俺は腕時計をしない派だ

携帯が有れば十分だと思ってる

それに店に入れば何処だって時計は有るし

携帯を充電器にセット

いつもの様にシャワー浴びて飯食って寝るか・・・

「ナコ~シャワー浴びるからちょっと待っててな~」

「はい~お気になさらず~」


まずはトイレで用を足す

ふぅ



シャワーを浴びるとサッパリするなぁ

ザーッと洗ってさっさと出る

さっと着替えて部屋に戻る

時間にして10分程度か


「お風呂早いですね~」

「まぁ仕事柄時間は大切だからね」

「そうなんですか~」


飯の準備をしようと思った所で思い出した

冷蔵庫が空っぽだったんだ

水も出ない・・・と思い一応蛇口を捻ってみる


ザー


・・・出るじゃん

と言う事は冷蔵庫は?

開けてみると食材が有る


昼の出来事は何だったんだ!?

かなり虚しい気分になると

「あ~外に出たくない反動をゲームが感じ取ってがそうさせたんだと思います~」

「夜は休む為飯の束縛は無いって事か?」

「良く解らないですね~」

解らないのか・・・まぁいいや

「さて何を作ろうかなっと」

「まだ食べるんですか~!?本当に御影さんは凄いですね~」

「軽く野菜炒めだけにするけどね」

「お米は食べないんですか~?」

「今日は流石にね」


もやしとニラとにんにくを炒めて味を整えるだけ

シンプルで良いよね

サッと作って皿に盛って出来上がり

「作るの早いですね~」

「にんにくは刻みで買ってるから楽だしもやしはそのまま」

「へ~」

「ニラは手で握って捻ると等間隔で切れるし楽だよ」

「手ですか~」

「頂きます」

手は商売道具だから大切にしないとなぁ

取り敢えず食べてっと


「ご馳走様でした」

携帯を見ると11時55分

もうすぐこの世界での今日が終わるなぁ


そんな事を思ってたら左手を蚊に食われた

あ~痒い


ポリポリ搔いていると突然頭の中に選択肢が!


1:そのまま放っておく

2:左手を切り落とす



はぁ!?切り落とす!?

そんな事出来る訳・・・

いやちょっと待て

一服しよう



此処で選択肢が出るって事は意味が無い訳がない

さっきの蚊が物凄く問題が有ったって事か



つまり切り落とす必要が有るのか?

分厚い紙束を切る裁断機は家に有る

これ以上考えてる余裕は無い



リアルで死ぬくらいなら夢で左手捨てるしか無い!


「2の左手を切り落とすだ!畜生!」

と言って覚悟を決めて裁断機を取り出し左手をセット

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


ダンッ!


「うがああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

左手がポロッと取れて血が吹き出す!

「ああああ~!正解です~!御影さん~!血が~!血が~!」

「があああああああああああああああああああああああああああああああああ!」


痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!


のた打ち回ってると突如上から声がする

「アッハッハッハッハッハ!良く出来ました!」

「ヘル=パー!こんな時に~!」

「さっきの蚊は猛毒持ちでね!即刻切り落とさないと死ぬ毒を持ってたのさ!」

痛過ぎて何も考えられなくなる

「でもボクは気に入ったよ!その思考!勇気!選択!決断!行動!どれも良い!」

それ所じゃないんだよ!

のた打ち回りながら意識が薄れてく

「その満点の表情にボクから3点プレゼントだ!ほらっ!」

と言ってヘル=パーが手をかざすと痛みが無くなり・・・


新しい左手が生えてくる!?


「激痛と出血多量とショックで死なれちゃ味気無いからね!」

「・・・お前」

「2つ目のプレゼントはナコ!君に選択肢中の回答以外の発言権を与える!」

「何だって!?」

「最後に3つ目!重要な助言だからね!『ボクは気紛れで手助け出来ない』!」

「・・・」

「それじゃあね!ボクのタイムリミットが来た様だ!シンデレラの魔法さ!」

と言って消えて行った


完全に消えたと同時に携帯が0時を示していた・・・




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る