第3問目 現実世界の存在とゲーム世界の在り方
笑顔が戻った時ある事に気が付いた
「ところでナコふと思ったんだけど何故俺の名前知ってるの?」
「ああ!それはですね~記憶シナプス管理で情報が入ってくるんですよ~」
シナプス管理!?それは非常にプライバシーの侵害だと思うんだけど!
って考えれば考えるほど思い出したくない事を考えてしまう!
「私は気にしませんよ~御影さんのあんな事やこんな事とか~」
「勘弁して下さい」
「冗談ですよ~私はプログラムなだけですから本当に気にしないで下さい~」
例え相手がAIでも人には知られちゃいけない事が沢山有るんだよ~と叫びたい
こんな時は話を変えるのが1番だし聞きたい事は山ほど有る
普通に胸ポケからタバコを取り出しライターで火を着けて一服して灰色の脳がクリアになる
タバコを吸わない人には解らないかも知れないがタバコは精神安定の役割が有る
吸わない人に説明するならば大好きな飯みたいな感覚だと思ってくれれば良い
頭がスーッとする感じといえば解りやすいかな?
「そういや何故五感がハッキリと有るんだ?普通夢だったらタバコの味まで解らないだろ?」
「ん~明晰夢ってご存じですか?」
「それは聞いた事が有るけど・・・ってまさか!?」
「その通りです~このゲームの開発陣は明晰夢を科学的に解明してそれを操る事に成功して」
そんな凄い発見と発明をして何故こんな死のゲームを作ったのか理解に苦しむなぁ
それをゲームのプログラミングに載せて高度なAIまで作ってどんだけ優秀な開発チームだ?
プログラマとして物凄く興味が湧いて来たがそれよりも聞く事が有るから後回しか・・・
「それで選択肢はどの位の周期でやって来るんだ?」
「タイミングは答えられないですけどそんなに凄く長い時間は掛からないみたいですね~」
連続して死の2択はキツいな・・・
「現実の俺は寝てるんだよな?このゲーム中と現実の間の時間経過は?」
「それは答えられますね~ゲームで何時間経とうが現実では大体1晩と言う設定みたいです~」
ちょっとホッとした
クリアしてもゲームで1週間休みましたなんて言ったらクビ確実で社会的に死ぬ
「このゲームのストーリーはどうなってる?」
「頭の中の2択で間違うと死ぬって事以外は言えないです~」
ナコはゲームの事になると答えられないけどゲーム以外の知ってる事は答えてくれると
お約束的な感じか・・・なるほどね
「つまりこの世界は俺の日常から切り取って作られた世界なんだね?」カタカタカタカタ
「はい!そうですよ~って何してるんです?」
「ん?タバコが吸えるって事はパソコンもネットも使えるかなってね」カタカタカタカタ
「多分使えますけど・・・調べてるんですか?知ってる事しか出て来ないと思いますよ?」
「明晰夢だったら知ってる事が殆ど出て来るんだろうけどそれが重要なんだ」
「知ってる事が重要?ちょっと意味が解らないです~」
プログラムされたAIならではの発想だよな
でも俺は人間で記憶の片隅に置いてけぼりで思い出せない事も色々有るんだ
このゲームの情報のほんの欠片程度でも良いから欲しいんだ!
とか思いながら指を走らせてると突如画面に『押すなよ!絶対に押すなよ!』と出て来た
何だこりゃ?と思ってたら!
このキーを押しますか
(15m)
1:はい
あれ?頭の中に選択肢が出て来たけど1しか無いぞ!?
どうなってんだ?2択のはずじゃ無かったのか!?押すしか無いのか!?
こんな時はタバコを吸って・・・ふぅ・・・そうだ落ち着こう
押すなよってのはよく有るフリで押すのが正解だと思いがち
然し選択肢には2が無い
でもナコは「頭の中の2択」と言ってる
と言う事はだ
これは頭の右上に出てる15mが答えだな
此処のmは距離じゃない・・・時間だ!
15minutesだ!15分待つのが答えだ!
「ナコ・・・俺は15分キーを押さずに待つよ!」
「了解です~」
そして15分後
「は~凄いです~御影さん~正解です!」
「やっぱりね」
こう言う変化球も来るのか・・・これは序盤にして大きなヒントを貰った気がする
タバコと英語に助けられたな・・・
「因みに押してたらどんな死に方してたんだ?」
「え~っとパソコンが大爆発して部屋ごと木っ端微塵ですね~」
「んで現実ではヘッドギアで死ぬと・・・」
怖い事をサラッと言うなぁ
兎に角今回もクリアだ!
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