コンビニ店員、三千世界を巡る。with 勇者

楠瑞稀

第一章 現代日本 → 第一の世界

0、コンビニ店員、疑問を投げかける

 突然だが、君に質問だ。

 君はコンビニのアルバイト店員だとする。

 店は町のほっとステーションでもいいし、あなたとコンビになりたいところでもいい。

 ちょっと見ないような迫力のある客が君のレジに並び、だけど無事に会計を済ましてお釣りを渡そうと手を伸ばす。


 小銭を持った指が相手の手に触れた瞬間、見知らぬ森の中にたたずんでいたらどうする?


 いや、話に飛躍はない。哲学的な質問でも禅問答でもない。

 もし、実際にそんなことになったら君はどうする?

 とりあえず叫ぶだろう?

 目を見開いて、息の続く限り叫ぶだろう?


「な、なんだこりゃあぁぁぁぁ~~!?」


 ちなみに俺は、松田勇作ではない。

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