ハロー、人間のみなさん。今日から私たち妖怪はあなたたちと一緒に生きていきます。
晴丸
第1話 ハロー、人間のみなさん!
プロローグ
それは三月三一日から四月一日になった瞬間におこった。
「ハロー、人間のみなさんこんばんは! こちら妖怪放送協会、通称YHKでっす! 本日はみなさんにだ~いじなお話があって電波ジャックしちゃいました! 深夜アニメを楽しみにしてたオタクのみんな一、二分だから許してねん? そしてそして、その大事なお知らせとは! ……私たち、妖怪は、人間のみなさんと今日から共生しちゃいます! いろいろ細かいことは、政府のお偉いさんから御達しがあると思うけど、一足早くお知らせしちゃいました~! 人間のみなさん、どうぞ私たち妖怪をよろしくねん! YHKアナウンサー猫娘のミー子でした♪」
猫耳を生やしたお姉さんはそうおっしゃった。
全局一斉の電波ジャック、前代未聞の出来事である。
これはすぐさまネット上で火がつき、
「四月馬鹿キター!」
「全局一斉とか、どこの企画だよ」
「ミー子は俺の嫁」
などとエイプリルフールネタとして一気に広まった。
これが事実であると国民全員がはっきりと認識するのは翌日の政府高官による記者会見以降のことである。
そんなことを何も知らずに寝ている少年がここにいる。
この春から高校に通う少年の名は柳田心太。やなぎだしんた、と読む。間違っても「ところてん」ではない。
この少年、後に史上初、人外と結婚した人間として歴史にその名を残すことになるが、気持ちよさそうに眠る彼は、今はまだそんなこと知る由もない。
話は彼が目覚める朝七時まで進む。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます