第43話【質問ゲーム】

 せめて今のうちにあくびでもしておくか。ふぁ~……。

 アドニスの顔を見た時に流すはずだった涙が、目の端からこぼれた。


「トーダ、大丈夫だヨ。ボクがちゃんと守ってあげるヨ! 元気出しテ!」

「ロー公先輩……」


 俺の背中をさすり、笑顔で俺を励まそうとしてくるロー公。

 ふむ。失礼の無いようにと奥歯であくびをかみ殺していたのだが、どうやら心配されてしまったようだ。

 こういう気遣いっていいね。でも、アーガスの目がホモカップルを見る目に変わってて不快だな。唇に力入れるのやめて。違うよ、俺たちそう言うんじゃないんだよ。

 俺がそう目で訴えかけるも、アーガスは煙たがり嫌がるように右手を振った。

 違うから! 無関係だから! そこに愛は無いから。

 こういうのは否定すればするほど、周りは生暖かい目で優しくしてくるから嫌だよね。

 とうとう誤解を解けないまま、お頭が扉を開けて入ってきた。アーガスが背筋を伸ばす。ロー公が俺の肩に手を置いたままお頭に向き直った。


「さて、と。トーダ。質問の続きをしようか。……そうだな。わたしたちが襲撃したあの町はどうなった。被害状況でも知っていることを話せ」


 お頭は手にしていたバックをテーブルの上に置くと、椅子に腰掛けた。

 俺はそのバックをチラリと見たが、何も言わずお頭の鼻に視線を合わせた。

 とりあえず、俺は町の住人が死者数と兵士の死者数を答えることにした。クレイ達と報告書作りをしていたので被害状況は全部頭に入っている。今お頭に全部話したとしても、再襲撃は叶わないだろう。たぶん、道がなくなっているから。


「ずいぶん詳しいな。なぜおまえがそこまで知っている」

「俺もこのネクロマンサーの力で葬儀に参加していたからです。死者のほとんどがグールに変わっていて、町の人たちは俺の“死体を消せる能力”を高くかって葬儀の中核に俺を置いたからです。死体の数はそこで数えました。怪我人の数はわかりませんが、町には治癒士はいないようでした」


 ジルキースのことは伏せておく。


「先遣隊は6名だと聞いたが、なぜひとりいなくなった」


 さて困ったぞ。俺はすでにベンのことをロー公に話してしまっている。しかし、実際いなくなったのはザイル氏だ。……三兄はもう死んでいると思うが、死ぬ前に『ザイルとの戦闘』を報告したのなら、俺の嘘が発覚してしまう。どうする……。


「……俺たちが町の南門から出発してすぐに『ベン』という剣士が離脱しました。理由はわかりません。でも、戻るわけにはいかず、話し合いで決めて5人で村に向かいました」

「その男とは町を出てすぐに別れたんだな?」

「はい。気がつけばいなくなっていました」


 内心ドキドキしながらもよどみなく答える。お頭は唇に白い指を這わせると、チラリとアーガスの方を見た。アーガスはそれに目で応えている。


「わたしの手下が二人、今朝から姿が見えない。獣人の親子だ。……殺したのか?」

「少なくとも俺は出会っていません」

「ロー。どうだ?」


 お頭が急にロー公に聞いた。ロー公は声をかけられたのがうれしいのか、ニコニコしながら、


「嘘はついてないと思うヨ。全然ドキドキしていないモン」


 ……ロー公は『ウソ発見器』か。あっぶねー! 平常心スキルなかったらコロコロされてるじゃん。

 それにしても、やっぱり三兄には『伏兵』がいたのか。思った通りだ。ダダジムが遅れているのもそのせいなのか?


「……なら、別働隊としてそのベンという男が動いている可能性はあるか?」

「俺はそんな話は聞いていません。俺の先遣隊への命令は今朝になって急に決まったものですから。そういう話は兵士の方からじゃないと聞けないと思います」

「ロー。聞き出せるか?」

「ウン! 後でやってみるヨ!」

「アーガス。全員に“もう一人の侵入者”の可能性を伝えろ。そして『ベン』と言う男について『町』と連絡を取って調べさせろ」

「わかりました。少し席を外します」


そう言うとアーガスは部屋を出て行った。

 ……町と連絡を取ると言うことは、やはり盗賊の仲間が侵入してるってことか。まてよ。“町と連絡を取る”ってのはどうやるんだ? ……ひょっとして、相手は【魔物使い】? マーサが話していたやつか?

 お頭は再び俺に視線を戻した。俺は思考を切り替えて迎え撃つ。


「おまえがこの世界に入ったのはいつだ?」


 ざっくりと切り込んでくる。“この世界”ってのは新世界エレクザードのことだろう。つまり、全部の情報を洗いざらい吐かせるつもりか。それとも“嘘”を誘発させるのが狙いなのか。


「昨日の昼前です」

「場所はどこだ?」

「ミサルダの町とこの村とのほぼ中間くらいです」

「その町に着くまでに誰かに出会ったか?」


 素っ気ない口ぶりだが、お頭さん、釣り針が見えてますぜ。


「ひとりの女召喚士に出会いました。その女性は【選出者】でした」

「ほぉ……。偶然だな。実はわたしもその女に出会っている。先日、手下を連れてその道を通ってきたんだが、おまえの姿は見えなかったな? おまえはどこにいたんだ?」

「たぶん……崖から落ちた馬車の中身を物色していたんだと思います。そのとき以外は道に沿って歩いていましたから」


 決して質問を返したり、尋ねたりしてはいけない。

 たぶん、それが【自爆スイッチ】であると俺は確信している。ただ馬鹿みたいに質問に“だけ”正直を装って答える。深く入り込まず、相手の満足のいく答えを導き出すのみだ。

 俺は相手の質問内容を解読して、とにかくそこから相手の知っている情報を読み解かなくてはいけない。

 一応、三兄親子が戻ってきていないと言うことは、ザイルさんは勝利したということ。

 ちょっとホッとする。ただ、ザイルさんの帰り道が爆破されていないか心配。……ひょっとすると、異常に気づいて、助けに来てくれてる途中かな? まさかね。


「他に誰か会わなかったか? 黒髪の男だ」

「馬車の近くで、男が死んでいたのを見つけました。【鑑識】をかけると、ジャンバリン・バンサーという男でした。黒髪と言えば黒髪でした。少々薄くなりかけていましたけど」


 ジルキースとカステーロさんのことは伏せておく。

 カステーロさんのことを話して、もしものことがあったら大変だ。……あと、沢で見かけた聖騎士の……そう、 カルシェル・シルバート。黒髪でウェーブがかっていた男だ。

 ひょっとして、こいつらの目的って……その男か?


「ロー」

「嘘じゃないと思うヨ」


 ウソ発見器に確認を取って押し黙るお頭。ふふふ。あまり機械にばかり頼っていると痛い目みますぜ。

 そこにドアを開けてアーガスが帰ってきた。そっとお頭に耳打ちをする。お頭は頷くと、視線を俺に向けた。


「『ベン』について、知っていることをすべて話せ」


 これは答え合わせなのだろうか。それともわからなくてただ聞いているのだろうか。

 ……たぶん後者だ。たとえ、【雷鳴鳥】で情報のやりとりを行ったとしても、いくら何でも返事が返ってくるのが早すぎる。たぶん、アーガスがしたのはもっと別のことだろう。


「俺の聞きかじった話だと、ベンはミサルダの町の町長の娘と結婚していたようです。その娘は先日の襲撃で亡くなり、俺が葬儀を行いました。初めて彼を見たのがその葬儀の時でした」


 嘘は言ってないよな? わざと大きめの呼吸をする間にお頭の顔色を伺う。変化なし。


「ベンが【剣士】だということは今朝知りました。昨夜までは【剣士の指輪】をしていなかったと言うことらしいです」

「……お頭。情報では、今朝の先遣隊のメンバーを決めるのにずいぶん揉めていたとか。なんでも『決まっていた人選を無理矢理変更した者がいる』とか。ひょっとすると……」


 アーガスがナイスな意見を言う。


「……それで、そいつは南門からでてすぐに別行動を取り始めた、と。そういえば、ロー。一人目の【クグツ】はどうした。戻ってきた時見かけなかったが」

「誰かが殺しちゃったみたイ! お頭ゴメンネ。ボクの【クグツ】は頭を壊されたり首が胴体から離れちゃうと死んじゃうんダ」

「おまえが殺したのか?」


 お頭がジッと俺を見た。マズイ、と思ったが俺は目をそらさなかった。それが功を奏したのか、思わぬところから援軍が届いた。


「トーダじゃないと思うヨ。だっテ、ボクの【クグツ】は一撃で首を撥ねられたんだモン。強い人じゃないと無理だヨ。たとえば、二人目の【クグツ】くらいの剣士のヒト」


 どういうつもりだろうか。ロー公が“嘘”をついたぞ?


「……どうやら、そのベンとかいう剣士がやったらしいな。先日まで指輪を外していた用心深さも気になる。アーガス。まずは全員の無事を確かめろ。そして見回り場所は村の中に限らせ、二人ひと組で当たらせろ」


 お頭は命令を下す。


「わかりました。ただ、獣人親子が戻ってこないことも気に掛かります。二人とも今朝からパスを切っています」

「調べろ」


 再びアーガスが部屋を出て行く。

 ベンすげー。亡霊になってようやく役に立ってるじゃん。あんたやっぱり死んで良かったと思うよ。これでようやく罪悪感が消えました。嘘です初めから有りません。

 それにしても意外なことで予想外な勘違いが発生するものなんだな。よし、ジルキース現象と名付けよう。

と、思っていたら、案外早くアーガスが帰ってきた。またお頭に耳打ちをする。……今回はなぜか俺の方を向いての耳打ちだった。

 お頭は「わかった」というと、いきなりバックの中身をテーブルにぶちまけた。

 目を丸くする俺に見えるように、お頭はぶちまけたそれらを一つ一つをまとめて置いた。


「これらは何だと思う? “トーダ”」


 お頭は俺を“トーダ”と呼び捨てた。さっきまで「おまえ」扱いだったので少しは親しみが湧いたのかも――ないない。

 俺は改めてテーブルに置かれたものを見た。


 ・一眼レフカメラ。

 ・ジッポライター。

 ・ウイスキー。

 ・虫眼鏡

 ・スマホ4S


 …………。一貫性が無くてよく意味がわからない。ここで「モノボケやってみろ!」とか言われたらどうしよう。


『よう、トーダ。おまえ公園でカメラと虫眼鏡持って何やってるんだ?』

『ちょっとね。ほら、向かいに座って寝てる女子大生可愛いからさ。寝てる隙に写真を撮ろうと思ってさ』

『ああ、あの子ね。顔は可愛いけど、おまえ貧乳は好みじゃなかっただろ。それになんで虫眼鏡が必要なんだ?』

『馬鹿だな。このまま撮ったら貧乳の女子大生じゃないか。だから、こう、虫眼鏡で胸部を大きくしてだな……写真を撮るわけさ』

『おまえ馬鹿だろ』 


 最後に相方にツッコミを入れられて終了。

 ……まずい。ロー公と一緒に漫才やってもシュールすぎて笑ってもらえない。それどころか、お頭もそれほどおっぱい大きくないし、二重の意味で殺されそうだ。


「ロー」

「ウン。ちょっとドキドキしてるカモ」

「どうしたトーダ。手にとって見ろ」

「うう。……じゃ、じゃあ【ウイスキー】と【虫眼鏡】と【ジッポライター】でやらせて頂きます……」


 手を伸ばすが、ロー公が親指を握ったままなのでうまく持てない。というか、いい加減離してくれない? 芸に支障が出る。

 ちょっと持ちにくいけど、いざモノボケを始めようかと思った時、お頭が先に口を開いた。


「それは、【選出者】から奪ったものだ」


 俺の思考が一瞬途切れた。ウイスキーの瓶を火炎瓶に見立て、ジッポの火石が壊れたという設定で、虫眼鏡の光を集めてどっちに着火しようか迷う小話を考えたのが、見事に霧散する。


「……5人。元の世界から【アイテムボックス】に入れて持ち込んだものが、これですか?」

「そうなるな。これなんか面白い。わたしの時代にはなかったものだ」


 お頭はスマホを持ち上げると、ぺたぺたと画面を操作したが、すでに電源は死んでいるようだった。スマホの持ち主はイザベラからの説明を聞かなかったのだろうか。

 それとも聞いた上で持ち込んだのだろうか。……写真とかあるし、わかった上でお守り代わりに持ち込んだのかも知れない。そして、お頭に奪われたのか。


「スマホですね。最新の型ではないようですが」


 病院に入る時、嫁さんに買ってあげた奴と同じ型だ。色違いだが。


「そういうわけだ。トーダ。もう一度【アイテムボックス】を開け。おまえが持ってきたものを出せ」

「アレ? でもそれってロードハイムの“治療報酬”にトーダがもらったものでショ?」


 憤怒しかける俺の怒りを代弁してロー公が小首をかしげてくれた。


「わたしはトーダと話しているんだ。別にわたしがコレクションとして手に入れたいわけじゃない。ちょっとした儀式の余興に使うだけだ。もっとも、トーダが自分の意思で出してくれるのなら少しハンデをかけてやってもいい」

「わかりました。……ありがとう、ロー公先輩。大丈夫です。しばらくの間、親指を離してもらってもいいですか?」


 ロー公はお頭に許可を得て俺の親指を離した。

 そうして俺は【アイテムボックス】を開き、ちょっと細工をしつつも、『遺髪』をビニール袋ごとアーガスに両手で手渡した。ロー公がすぐに俺の親指を拘束する。


「アーガス、用意しろ」


 お頭がそう命じると、アーガスは剣を抜いた。と、同時にロー公の右手が俺の肩から離れ、右腕の脇に挟んでいた【死霊の槍】がその手に収まった。


「勘違いするな、ロー。今からトーダに“ルール”を教えてやるだけだ。アーガスには剣の部分だけ借りるだけだ。なにもさせない」


 そう言ってお頭は、アーガスが手にした抜き身の刀身に先ほどのウイスキーをふりかけた。


「見ていろ、トーダ。アーガス始めろ」


 俺は言われたとおりアーガスのウイスキーで濡れた刀身を見る。やがて、その刀身が【オレンジ色】に変わった。

 ――オレンジ色は確か、【魔剣士】の識別色だ。俺は後半小玉の処理に困り、いろいろ他のジョブを見て回ったことを思い出した。

 ジ、ジジジ……と、焼けるような音がして、周りの温度が上昇し始めた。そして、刀身の上に広がっていたウイスキーが熱ですべて蒸発した。

 そこでフッと刀身の識別色が消える。

 だが、驚きはそれで終わらず、お頭は何を思ったのか、手を伸ばしその刀身に触れた。

 一瞬、「熱いっ!」と俺が身構えたが、お頭はその刀身にぺたぺたと触れている。……熱くないらしい。


「さて、【質問ゲーム】をしようか、トーダ」


 俺が熱そうに顔を歪めたのを、満足そうな目で見ていたお頭がそんなこと口にした。


「見ての通り、アーガスは【魔剣士】だ。刀身に“灼熱”を付与できる。そこで……ここにこうしたらどうなるか」


 お頭はそう言って、テーブルの上に置かれたビニール入りの『遺髪』を刀身の上に置いた。思わず駆け寄ろうとする俺を、ロー公は握力を強めることで制した。


「まあ、慌てるな。フライパンをガスコンロにかけても温まり出すのはすぐじゃないだろう? 【質問ゲーム】は緊張感が無いと面白くない」

「お頭。ガスコンロってナニ?」

「わたしたちの世界の料理を温める時に使う道具だ」

「ふうん? でも、それをそんなところに置いたら燃えちゃうヨ」


 妻を人質に取られた気がして気が気ではない俺に替わり、ロー公が代弁をしてくれる。


「なに、あとたった6つの質問をするだけだ。その答えはわたしも知らないことで、確認しようが無い。トーダに嘘をつかれては困るからな。間違った情報に踊らされて手下を危険な目に遭わせられない。これは保険なんだ、ロー」


 言い聞かせるような口ぶりだが、視線は俺の挙動を見逃さないように鋭くなってきていた。……なにか、失敗しただろうか。俺の背を冷や汗が流れ落ちる。


 お頭は懐から銃を取り出すと、俺に向けて躊躇なく引き金を引いた。


 死んだかと思ったが、その前にローの腕が差し出されていて、そして――カチン、と撃鉄が落ちるだけの音が部屋の中に響いた。


「弾はまだ入っていない。今のは冗談だ。ロー。おまえは本当にこいつを庇うんだな」

「ウン! だって仲間だモン!」


 ロー公は俺の目の前に伸ばされた腕を引き、身を戻しながら笑った。やはり、お頭には攻撃を加えないらしい。主従関係よりも、行動へのオン・オフが切り替えられているといった感じだ。

あと、俺は銃を向けられても全く反応できなかった。引き金が引かれる寸前までその一連の動作を見送っていたに過ぎない。

 ロー公はきっと銃口の射線まで見極めた上で、腕を差し出したんだろうな、と思った。

お頭はたとえ弾が込められていたとしても躊躇なく引き金が引けるだろうし、そうだったとしても俺は撃たれるまで気づかなかっただろう。

ロー公は撃たれても俺が死なないように右手を差し出してくれた。

 これはなんだ?

 平常心スキルのおかげで、俺は冷静な思考のまま混乱していた。

 ふと気がつけば、お頭は懐から銃弾をコト、コト、と5つ立てて並べていた。


「今から6つの質問をする。トーダ、おまえはそのうち5つにだけ“正直”に答えろ。後のひとつは“嘘”を答えてみろ。いいな?」


 お頭は、あえて俺に5発の実弾を見せた後、それをひとつひとつ銃に込め始めた。

 俺はその質問の意味がよくわからなかった。いや、質問ですらないか。……そういえば、さっき【質問ゲーム】とか言っていたな。


「返事はどうした」

「……わかりました」

「制限時間は……5秒。別に5秒以内に答えきれと言う意味じゃない。ただ、5秒後からアーガスが“灼熱”の魔剣に変える。以上だ。何か質問があるか?」


 何でこんなことをする? そう問い詰めたかったが、きっと答えは返ってこないだろう。

 ゲームって言うのは、みんなが楽しむためにやるものだ。ゲームの意味をはき違えているようだが、“罰ゲーム”ならあながち間違ってもいない。罰ゲームは対象者を辱めて笑いものにするショーだからだ。


「正直に話しているうちに髪が燃えてしまっては困ります。そして、嘘だと気づかれたら即座に燃やしても構いませんが、もしも嘘で無かった場合は燃やされ損になります」


 俺はお頭に、答えている間の“灼熱”中断と“ダウト”の場合の答え合わせを要求した。


「それもそうだな。アーガスよく聞いておけ。そして、“ダウト”の場合だが、双方が納得した上で正解を決めよう。もしわたしが勝利した場合だが――自殺しろ」


お頭は一発を残して装填した銃のシリンダーを回転させると、撃鉄を落とした状態でテーブルの上に置き、くるりと向きを変えてグリップを俺の方に向けた。

 ……自殺と来たか。お頭は小賢しいほどに頭は回る。ロー公に守られているため、俺を殺せないと踏んで、罰ゲームで“自殺”させるつもりか。


「回答までの思考は5秒だ。模擬戦と行こうか」


 お頭が指を鳴らす。俺は4秒間必死に考えて「わかりました。やります」と言った。

 どうせ、やる以外の選択肢は無い。


「ははは。そう緊張するな。トーダが素直に髪を出してくれたので、一発だけ弾は入っていない。確率は6分の5だが、運が良ければ負けても死なずに済む」

「お頭。でも、その自殺はボクが止めるつもりだけど、いいでショ?」


 おお。ロー公。あんたええヒトや! アドニスのことで仇扱いして悪かった。いつか盗賊が全員死んだら、『魅毒花』の青汁で乾杯しような!


「ロー。これはゲームだ。そして、もちろんわたしが敗れることもある。その場合は、殺さない。ただの奴隷にすると約束しよう。そして、トーダの指錠はずっとおまえに頼むことにしよう」


 それって無期懲役って奴じゃないですか? 不快です死にます。


「……ウーン。どうしようかなァ、迷うなァ……」


 あんたちょっと頑張って! 俺が負けたら死んじゃうんだって!


「トーダ……。死んだら【クグツ】でもイイ? そしたらずっと一緒にいられるヨ」


 なんの慰めにもなっていない。【クグツ】であったヘルゲルさんの瀕死体験はやはり生前のもので、クグツになってからのものは一切無かった。

 やはり、“死ぬ”とはそういうことなのだろう。


「ひとつだけ言っても構いませんか?」

「構わないが、暴言は吐くなよ? ローに殴ってもらうからな」


 ははは、と笑ったようだが、肝心のお頭の目は笑っていない。


「自殺はしません。あなたが俺を撃ってください。出来れば、ここをお願いします」


 俺はロー公の左手ごと持ち上げて、自分の額をノックした。


「それ以外じゃ、俺は【魄】を使って回復します。……先日、あなた方が町を荒らしたおかげで、大量の【魄】を回収できました。銃弾5発じゃもの足りないくらいあります」


 ちょいとカマをかけてみる。

 まあ、もっともこいつらは俺を殺したいようだから間違いなく眉間を狙うだろうけどな。


「お頭。頭は撃っちゃ駄目だヨ。【クグツ】に出来なくなっちゃウ」


 おだまりなさい、ロー公。あんた俺が生きてようが死んでようがどっちでもいいんかい。

 お頭はニヤリと笑う。これでロー公の邪魔は入らないっていう笑いだろうか。

 さて。今のうちに一矢報いる方法でも考えようかな?


「ならまあ、始めるか。【質問ゲーム】のルールは単純だ。【ダウト】というトランプゲームのような感じだ。わたしの質問や問いかけに対して、トーダが答える。これが基本だ。

 ただ、わたしは6つの質問をするが、トーダはそれに対し5つの正しい答えとひとつの“嘘”を入れるんだ。わたしはその質問の答えに対し、本当か嘘かを言い当てる。つまり、“嘘”を二つ以上見破られた場合、即座に撃ち殺す。逆に、わたしがトーダの答えの中から“嘘”を見破れなかった場合は、指錠を外して生かしてやる――質問はあるか?」


「いくつかあります。ひとつは、もしもお頭の質問が俺の知らないことだった場合、答えようがありません。『この世界の国の名前を10国以上答えろ』と言われても、答えられません」

「ああ、それはしない。質問の内容は、おまえが答えられるレベルのものばかりにするつもりだ。例えば――“仲間を殺されて悲しいか?”とかな。ほら、どうした練習だ。答えてみろ」

「……悲しいです。短い間だったけど、俺に優しくしてくれた人達でしたから」


 お頭はジッと俺の目を見つめ、「こんな感じでいく」と言った。

 どうやら心理戦らしい。


「ふたつめは、ロー公先輩に聞いたり尋ねたりするのはナシでお願いします。俺の緊張や呼吸、脈拍がすべてロー公先輩からあなたに伝わってしまうのは、ゲームとしてフェアじゃありません」

「ふふっ、それもそうだな。わかったわかった」


 お頭はにやにやとした笑みを浮かべると、「他には?」と余裕のある態度を取った。

 …………。人がこういう態度を取る場合って、大概“イカサマ”してる場合があるんだよな。必ず最後には勝てるっていう切り札を持っているっていうか……。


――知ってても、絶対に答えられないような質問をぶつけてくるとか。


俺は思わずゴクリと喉を鳴らした。お頭の目がスッと細まる。

 あと、必ず“嘘”を盛り込まないといけないのもタチが悪い。たとえば最後の質問に嘘を入れようと考えていても、『1+1は何だ?』とか聞かれたら速攻でバレる。

 最後の質問以外の適当なところで“嘘”を織り交ぜなければいけない。質問の内容にも寄るがかなり気をつけないとすぐにわかってしまうだろう。


「みっつめです。質問の意味がわからなかった場合、もう一度かみ砕いて質問しなおして頂くことは出来ますか?」

「ああもちろん。だが、5秒後には髪が燃え出すだろうがな」


 ギリッと奥歯を噛む。


「初めからわかりやすくお願いします。よっつめですが……」

「それで終わりにしろ」

「わかりました。質問の内容が俺への意見であった場合、つまりさっきの“仲間を殺されて悲しいか?”その答えは俺にしかわかりません。その場合はどう判断するのですか?」

「“真実”でいい。ただ、理由は聞くがな。わたしが納得できればそれでいい。……なら、始めるが準備はいいな?」


 お頭は両手の指を逆さに組んでグッと伸びをした。

 ……どうやら、“イカサマ”で勝ちにくるようだ。一応答えられるものばかり用意するらしいが、どうも信用ならない。

 でもまあ、全力を尽くすのみ。命がけの心理戦だ。俺はぐるりと首を回した。


「はい。いつでもどうぞ」

「では一つ目の質問だ。簡単な奴から行くか。【わたしとセックスは出来るか?】」


 ――。――? !!? 思考停止を遮るように、ロー公に指をぎゅっとされた。

 まずい。何秒経った?! それと今こいつなんて言った??


「で、出来ます」

「理由は?」


 理由はってあんた?!! 理由を答えるの? さっきからナニ言ってんの??

 だが、容赦なくアーガスの剣にオレンジ色の光が灯る。


「せ、性病持ってないし、まだしっかり勃つから!!」


 俺が叫ぶと同時にお頭は左手を挙げ、アーガスの剣のオレンジ色は消える。


「と、こんな感じだ。今の質問は冗談だが、休ませるつもりは無い。続いていくぞ、【“愛”とはなんだ?】答えろ」

「――――っ」


 二つ目もまた小難しい質問だな、おい。禅問答か? ……いやいや時間ないから考えて考えて!

 でもこれも意見を聞いているんだから、どんな風に答えても真実だろう。俺はとりあえず無難な、“母性愛”ってのを思いつき、答えようとした。母と子の愛とかいいじゃないか。幸せとか幸福感とか、そういう緩~い感じでどうだろうか。

 だが、お頭の俺を見る目を察してやめた。あれは『その愛を全否定してやる』って目だ。どーやらサービス問題はさっきまでで、今回からさっくり殺しに来たようだ。

 ぎゅっぎゅっとロー公が俺の指を握る。

 ……。ふむ。

 作戦変更。ご質問は【“愛”とはなんだ】ですよね?

 じゃあ、まぁ……魅せますか。……クククッ。返り討ちと参りましょうぞ。

 俺は心の眼鏡を外した。


「愛とは“萌え”であると思います」

「……? なんだその“もえ”とは」

「萌えとは愛らしい仕草や愛狂しい行動、機微、ふりなどといった、かわいらしいもの、いじらしいものを目にしたとき、脊髄反射のような感覚で起こる、生理的で原始的な感覚。魅了され、激しく心が動くことを意味します。また人間に限らず、フィギュア、トレーディングカード、ゲームにCD、DVD。主に創作物、二次元に集約した原作からアニメキャラクターによる――」

「お頭。二次元とは……?」

「……いやわからない。アニメ。……つまりディズニーのことか」

「全然違う!!! あんな全年齢モノ萌えであっていいはずがない!!! ただ乳と尻のでかい女がグットエンディングに向かうばかりのシナリオがなぜ受ける!! 脳筋ゴリラどもクールジャパンに目を向けろ! 奴らの描く作品にひとりでも【おどおど眼鏡、高慢ツリ目、上目遣いネコミミ、おっぱいスラッシュ、はわわメイド服】などいわゆる萌え属性、萌え要素が一片でも登場した試しがあるか!!」

「【萌え属性】だと……? おい。今“嘘”を言ったな。【属性】の中には――」

「【萌え属性】を知らないだと?! この痴れ者が!!」

「な――」


 お頭は絶句して口を閉じるが、俺は止まらない。


「まず妹属性から始まり、スク水属性、猫耳属性、(中略)ツンデレ属性だ! ならば萌え要素とは何か! それは“仕草”にあると我が輩は思うのでござる! 例えば『あーん』である。『あーん』とは、大きく口を開けている状態を指すシチュエーションである。食べ物を食べるシチュエーションの場合は、自分で食べようとしている場合と誰かに食べさせてもらおうとしている場合とで2種類に大きく分かれ、後者の場合は餌付けと言われるケースもあると言うから驚きだ。

 体調が優れない人が食べ物を食べさせてもらっているほか、年下の甘えん坊がねだってきたり、恋人夫婦同士が料理を食べさせあっているシチュエーションなどがある。近年では風俗店やメイド喫茶などといった店舗でも、食べ物や料理をあーんして食べさせてくれるサービスが行われている場合も――」


「殺しますか?」

「そうだな。殺すか」


 なに物騒なことヒソヒソやってるんだ、俺の話を聞けぇぇぇ!!!

 ――ビュンと、ダァンと。

 萌え盛る俺の肩越しに、【死霊の槍】が空気を裂いて唸りを上げ、テーブルに突き刺さった。


「お頭駄目だよ。トーダはちゃんと“愛”を語っているのに、殺そうとしちゃ駄目。お頭が【ルール】破るんだったラ、ボクも破っちゃうからネ」


 俺は心の眼鏡をかけ戻す。

 ……。あれ? ロー公の奴、何で怒ってるの? あれ? 今俺なに話してたんだっけ? ――くっ、思い出せない。またもや暗黒神が俺から意識を奪ったのか?! 残念だ、愛について真摯に向き合い語りたかったのに。


「あ、いや……今のは愛と言うよりも『欲望』ではなかったか?」

「ボクにはトーダの“愛おしい”って言う思いがいっぱい伝わってきたヨ。好き好き大好きって気持ちだヨ。ボクもトーダのこと仕草も体も全部好きだから愛のことはすごくよく伝わったヨ!」


 俺は無言で【鑑識】を発動させる。しっかりと『平常心スキル』が掛かっていることを確認するが、それならばなぜ鳥肌が立つのだろう。こうまで不安になるのだろう。


「お頭。実はあの二人は(ごにょごにょ)でして……」

「馬鹿な。男二人で何が出来るというのだ」

「ですから(ごにょごにょ)まれにですが、男同士でも(ごにょごにょ)するという報告も聞いたことがあります」

「ああ、“仲間”ってそういう……」


 なにやら不吉な相談を目の前で行うな。お頭、汚いものを見るような目で俺を見るな。アーガス、理解を示すな。違うから。そうじゃないから。

 むしろ、【ダウト】ってこれのことだろ? 疑ってよ! 真実はいつもたったひとつだから!


「……わかった。予想の遙か斜め上をいった答えだが、“愛”にもいろいろな形があるのだな。もうこれ以上は詮索しないでおこう。だが、納得できない以上、この質問は無効でやり直しだ。ただ、ロー公に免じて弾丸は一発抜いてやる」


 お頭は輪胴シリンダーを開いて弾を一発抜いてテーブルに立てた。これで生存率は6分の2まで上がったわけだ。だが、まだ5つの質問が残っているので気が抜けない。


「では、改めて二つ目の質問をするぞ。いいな?」

「……ばっちこい」


 俺は嘆息すると、伏し目がちでそう言った。


「では、次の質問だ。【ベンはいない】。さあ、答えろ」


 初めは、何を言っているかわからなかったが、【ベンはいない】。つまり、お頭達はさっきのアーガスの報告を聞いて、総合的にそう判断したのだろう。


「俺もベンはいないと思います」


 彼は俺の糧となったのさぁ。きっと今頃お空の上からウインクしながら親指立ててるよ。


「理由は?」

「まず、俺たちはベンとはぐれてからすぐに村に向かって出発し始めました。前方は当たり前として、後方にも気を配りながら進んだので、誰かが道を追ってきているのであれば気がつきます。村へと続く道はカーブは多いものの、基本は直線ですから」

「なるほどもっともだな。だが、すでにローの【クグツ】が一体、何者かの手によって殺されている。これがベンの仕業で無ければ誰の仕業というのだ」


 もっともだ。そもそもロー公が嘘をつかなければベンの存在なんて浮上しなかったというのに。嘘に嘘を重ねて、真実にしたところで、ロー公の裏切りで……。

 …………。ひょっとして、ロー公の奴、これを狙っていたのか?

 俺はロー公に握られている親指を右の方だけ動かしてみた。ぐっぐっ、と握り返えされる。

 やはり確信犯だ。……が、お頭と組んでやっているというわけでも無いらしい。

 さっきの“愛”についても、ロー公の協力がなければただの『オタクイズビューティフル』で射殺だったわけだが。


「……この森の魔物はとても強いため、【クグツ】といえども魔物に集団で襲われたらひとたまりもないのではないでしょうか」

「ロー」

「ウーン。わからないヨ。ただボクが命令したは、お頭と同僚以外の“人族”を探して捕らえロ、だったからそれ以外は無視しちゃうカモ。デモ、【クグツ】が戦闘状態になっテ、そして首を撥ねられたのは間違いないヨ」


 だが、そもそもなぜお頭はベンについて質問してきたのだろうか。別にこの場で無くても答えは変わらなかっただろうに。何か狙いでもあるのかな?


「死体は見つかったのか?」

「ウウン。探してないヨ。首がちょん切れちゃうとパスも切れちゃうかラ、そうしたら魔物に引きずっていかれてもわからないヨ。デモ、パイクとルーザーにこっちの方向だって探してたらトーダがいたノ」

「なるほどな……」


 お頭の手がスッと銃に伸びた。グリップを握り、愛でるように触れたあと、俺に向けた。

 銃口の穴が、ブラックホールのように俺の意識を吸い付ける。


「次の質問だ。【クグツはおまえが殺した】」


 あらバレたのね~。


「俺が殺しました」

「どうやって?」

「あの【クグツ】はなぜか木に登り、そこからしか襲撃してこない習性があったので木と木の間に針金を張り、その下に寝転んで待っていたら、勝手に罠に引っかかって死にました」


 アーガスが「ほう……」と感嘆の息を漏らす。お頭はジッと俺の目を見つめたまま動かず、銃口もそのままだったが、やがて銃はテーブルに置かれた。


「ロー」

「ウン! お頭ゴメンネ。ボクが間違っていたみたイ。【クグツ】には『木に登って侵入者を捜して、見つけたら捕らえろ』って命令してたかラ。ちょっと命令の仕方が悪かったネ」


 お頭はロー公には目もくれず、俺をジッと睨み続けている。


「トーダ。おまえさっきの質問のときは、あえて答えなかったな?」

「あえて答えませんでした」

「……ふん、まあいい」


 どうやらまだ続けるらしい。この【質問ゲーム】の勝利条件って何だ? そもそもこれってゲームなのか?


「…………」


 あれ? ロー公の「ボクが殺させないよ」がないよ? あれあれあれ? おーい。

 右の親指をぐっぐっ、と押し上げてみると、ギュギュッと返ってきた。ちょっと安心する。


「次の質問だ。【獣人親子のことを知っているか?】」

「それはお頭の手下の獣人親子のことを言っているわけですよね?」


 間髪入れずに質問を返す。


「そうだ。他にいるのか?」

「町にも獣人の親子がいました。もっともお年寄りと孫でしたけど。ただそういう意味で言うなら【獣人の親子は知っています】」

「質問が悪かったな。わたしの手下の獣人親子が今朝から姿を見せない。今、手下二人が捜索に向かっている。あの獣人親子が動くとするなら、侵入者を見据えてのことだろう。だが、侵入者は“抜け穴”のところまで到達していた。獣人親子は帰ってこない。なら、おまえ達に殺されたと考えるのが道理だ。もう一度だけ聞く。さっきは“知らない”と答えたな? 今度もそうか? 答えろ」

「さっきも言いました。獣人親子には会っていません」


 ここも俺は“嘘をつく”。さっきも言ったので、ここは嘘を突き通すしかない。というか、“親子”には会ってないから本当かも。片眼の獣人しか見てないし。

 と、お頭が唇の端にわずかに笑みを作ったのが見えた。

 嫌な予感がした。


「アーガス。そろそろだろう。“アレ”をもってこい」

「わかりました」


 そういうと、アーガスは抜き身の剣をテーブルに残し、ドアを出て行った。


「戻ってくるまで中断だ。トーダ。“パパナトリ”という鳥を知っているか?」

「いいえ。初めて聞きました」

「文鳥のような鳥で、血液を飲ませながら育てると、どこから離しても飼い主の元にたどり着くという性質がある。魔物使いでなくとも扱える優秀な“情報通達ツール”だ。ただ、情報は一回きりの片道通行だがな。それに飛ぶ速度も遅い。早馬ならば十分に追いつける速度だ」


 何が言いたいのだろう。馬で追いつけるとかって言っても往復では時間が掛かりすぎる。まさかこのままずっと中断したままってことは無いだろうが。

俺はふとテーブルの上のスマホに目を向けた。まさかね、と思う。着メロが鳴り響き、手下と連絡を取る。そんなことはあり得ない。

 だって、イザベラが「よもや使えると思うなよ」と念を押した代物だ。本体があったところで電波が届くはずが無い。ある訳ねぇ。この世界には電波塔がねぇ。おらこんなせかい嫌だ~。おらこんな状況とこ嫌だ~。ミサルダの町に帰るだ~。ミサルダの町に帰ったら、カステーロさんから大金せしめて新住居でおん――


「お頭。ボルンゴとトルキーノの二人が獣人親子の遺体を発見したそうです」


 そう言って、アーガスは【トランシーバー】を手に部屋に入ってきた。

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