8.
「あの、お騒がせ……しました。…………あと、手を振り払ってすみません…………でした」
「別に気にすんな。俺こそいきなり触れてごめんな」
どのくらい間泣いていたのだろうか
おそらく目は真っ赤に染めあがり顔もむちゃくちゃだ
鏡を見なくても分かる、こんなに大泣きしたんだから当然だ
「そういえば君、学校はどうするの?もう連絡とかしたのか」
「いえ、まだしてない……です。このまま休んじゃおうかなって思ってます」
「ま、そうなるよな。もう昼過ぎだし今から行ったところでだよな」
ホームにある時計を見たらもうすぐで2時になるところだった
どうりでお腹がすいてるわけだ
「それにしてもお腹すかない?どこか飲食店ってあるかな」
「確かこの近くにコンビニがあったような気がしますけど」
海音の家がこの駅の近くなので多少の地図は頭に入っている
ここに飲食店はほとんどなくてあるのは駅の近くにあるコンビニぐらいだ
「じゃあコンビニでもいいよな。君もお腹すいてるでしょ」
「えっ、私もですか!?」
「何言ってんの、当たり前じゃん。もしかして君はお腹すかない人間だったりするの」
「そりゃぁ、私だってお腹は空きますけどお金持ってないので」
さっきからお腹の虫が鳴いてしまいそうで我慢しているのだ
人前でお腹がなることほど恥ずかしいものはない
「大丈夫、俺がおごるから。そのぐらいさせて」
「でも、助けてもらったうえにおごってもらうなんて、そんな……」
「あぁもう、写真撮っちゃった償いだって。
まぁコンビニぐらいで償いきれるとは思えないけどな」
そこまで言われるとこっちも引っ込むに引っ込めない
確かにあの写真を見て恥ずかしかったしその償いと言われたら断りきれない
結果的にあの写真のおかげで助かったのでが確かに撮られていい気分はしなかった
それからコンビニで軽い食事をしたがお兄さんに対する恐怖心がなくなることはどうしてもなかった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます