虚無

少し前までは

自分の不甲斐なさに耐えられなくて

いっそこのまま死んでしまいたくなる

そんなこともあったけれど


いまは

そうでもなくなった



ただ

生きていたい理由も失ってしまって



もはや

なんにもない



ただ

ここに

わたしの名がつけられた身体が

横たわっているだけ



それでも

理由がなくても

生きていてもいいんだね

きっと



わたしが理由づけしなくても

誰かが必要としているのかもしれない

未来のわたしを



たとえ

死んでしまったとしても

この世界にとってそれは意味はあったと

きっと



不安と苛立ちと

孤独と絶望を抱えて

なんにもないわたしは灯りを消した



なんにも

ない



けれど

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る