壁のシミを見ていた

その人はいつも駅のホームに立っていた


いくつも電車が通過しても

何分何時間経っても

じっと壁のシミを見つめていた


最初は何か具合が悪いのだろうかとおもっていたが

毎日そこに立ち続けているのでそうではなかったらしい


毎日毎日朝から晩まで

変わりばえのしないシミを見ておもしろいのだろうか

それともなにかに期待しているのだろうか


そして

今日も終電を見送った




その人がわたしだったということは

ずっと後になってわかったこと

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます