ユグの星樹伝説
宗谷織衛
ものがたりのはじめに
大いなる父祖シエルの眠る世界には、三つの女神と一人の竜がありました。
そして、はじめの被造物たる始原の泥を求めて現れる邪な神々がありました。
彼ら四神はかつて邪な神々と戦い、それを遠くへ追放しました。
彼ら四神は、父祖の亡骸から生まれた四つの子と、
異世界からやってきた小さな精と子らと、故郷を失った異形の子と、
追放されし神々によって生み出された歪んだ子と、
多くの命を慈しみ、愛していました。
無数の時が過ぎ、それらが諍いを起こそうとも、彼らは命を愛していました。
二度神々が攻め込んだ時には、子らと共に、身を挺して戦いに望みました。
母なる女神と名前の竜は、その身を大樹へ変じて、神々を遠くへ追放しました。
無数の紀が過ぎ、それらが何度滅ぼうとも、彼らは命を愛していました。
そうして数えること九つの紀。
三度邪神がその手を伸ばす今もまた、彼らはその手を差し伸べるのです。
灯火を抱く大いなる父祖神に。
海より深く人を愛する母神に。
世界を回す理と名と夜の竜に。
天を守る我らが星樹の木漏れ日に、少女の旅路を願いましょう。
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