第十一話 暴漕の果てに見えるもの

「せーい」

 櫂が水面に刺さる。

 最初の漕ぎは深め。

 猪牙舟の舳がふわりと上がる。

「やあっ」

 櫂を返す。

 飛沫が盛大に跳ねる。

「せーい」

 次の漕きからは浅め。

 水面を削り取る様に回す。

 最初の一漕ぎで浮き上がった舟が、すいっと水面を前に滑る。

 新大橋の下を抜けて、お園の視界に入った。

「やあっ」

 櫂を返す。

 飛沫は後方に流れる。

「せーい」

 漕ぐ。

 舟はぐいっと勢いに乗った。

 お園の想いを乗せた舟が、未来へ進む。


「おい、見ろよ。佃島の押送舟が置いて行かれるぞ」

「当たり前だよ。猪牙はちいせえからな」

「何でちいせえほうが速いんだよ」

「軽いからに決まってんだろ」

 見物人の声がお園の耳に入る。

 その通り。宗太もそう言っていた。

 宗太は決して勝負を捨てていなかった。

 勝負を受けることにしたあの日、彼は言った。

「俺たちが勝つには最初が肝心だぜ」

 舟の重量と特性から、最初の加速では圧倒的に猪牙舟が有利である。

 そこで出来る限りの差をつける。その差を最後まで守る。

 先行逃げ切りでしか、俺たちに勝ち目はない。

 その宗太の読みは正しい。

 お園は両手をあわせて握る。


「せーい」

「やあっ」

 宗太の掛け声に従って、清二と巳之助は櫂を回し続ける。

 猪牙舟は押し出されるように加速した。

 一漕ぎする度に、それがぐいぐいと繰り返される。

 これまでの『暴漕』で分かっていることがあった。

 二人がおのおの全力を出してバラバラに漕ぐより、八割の力で揃えて漕いだほうが速い。

 漕ぎ手のバランスが崩れていると、その分どこかに無理が出る。

 その無理が、舟が前に進む時に邪魔になるのだ。

 また、漕ぐ頻度も重要で、ただ数多く漕げばいいという訳ではなかった。

 一定の調子で、一定の力で、左右均等の力で、漕ぐ。

 そのような調和のとれた漕ぎ方が一番早い。

 宗太は焦りで調子が狂わないように気をつける。

 出来る限りの平静さで、同じ調子で、掛け声をかけ続けることに専念する。

「せーい」

「やあっ」

 それでも時折、清二と巳之助の釣り合いが崩れるから、

「清二、八」

「巳之、十」

「清二、遅く」

「巳之、早く」

 と、細かく指示を出す。

 清二と巳之助も、慣れてくると宗太の意図が即座に分かるようになった。

 自在に調子を合わせながら、猪牙舟は進んでいった。

 

「なんだ、あの猪牙は。恐ろしく速いぜ」

「俺もあんなに速いのは見たことがない」

「押送との差がだいぶん開いた」

「佃島も大したことねえな」

 見物人の声がお園の耳に入る。

 いや、そんなことはない。清二は言っていた。

 船頭である彼はおのおのの舟の特性をよく理解している。

「半ばを過ぎたら、四丁櫓の押送舟は勢いに乗ってくる」

 そして、徐々に差を詰めてくるだろう。

 我々は二丁櫓だから、後半になると勢いが落ちる。

 所詮は素人だ。直ぐに疲れる。

 そして向こうは四丁櫓の余裕で、後半、勢いに乗ってくる。

 しかも本職の漁師だ。長丁場は慣れている。

 清二の懸念は正しい。

 お園の視線が押送舟を捉える。


 猪牙舟は大川を滑る。

 既にその速さは、彼らが今まで経験したことがないほどに高まっていた。

 夕暮れの迫った大川は薄暗い。

 川岸は既に陰影になっている。

 前方がぼんやりとしてよく見えない。

 しかし、他の舟が往来することを佃島の漁師連中が抑えているはずだった。

 彼らは障害物を気にせずに、風を切って真っ直ぐに進む。

 景色は横に流れてゆく。

 お調子者の鴎が一羽、追走してきた。

 

「暗くてよく見えねえぜ。いったいどうなってんだよ」

「猪牙が先行してらあ」

「そんなのは分かってる。佃島はどうした」

「――押送の勢いが上がったぞ」

 見物人の声がお園の耳に入る。

 やはり来た。巳之助の言った通りだ。

 彼は、全体を通じての二艘の速さの変化を見通していた。

「どこかで押送舟のほうが速くなるよ。そうなると後は逃げしかない」

 これは単純にこれまでの経験の差である。

 今更、技術でどうにかできる話ではない。

 後は、どこまで我慢して回しきれるかだ。

 特に巳之助の体力が最大の鍵となる。

 お園の掌は汗で濡れていた。


 *


 新大橋と永代橋の真ん中を過ぎたところで、舟の速度は頂点に達する。

 それ以上加速する力は、自分達にはない。

 以降、櫂はもっぱら速度を維持するために回される。

 そして、ともすれば清二と巳之助のペースが乱れがちになる。

 それを宗太の声がまとめていた。

 宗太は、声に焦りの色が出そうになるのを必死で抑えこむ。

 自分が取り乱してはいけないのだ。

 常に一定。常に平常心。

 同じ調子で声をかけ続けること。

 後ろからひたひたと迫り来る圧力を感じる。

 しかし、それは今、俺たちには関係のないことだ。

 俺たちはここで、自分に負けるわけにはいかない。

 宗太は声を上げ続ける。

 先はまだ長く、永代橋は視線のはるか向こうにある。


 大川と仙台掘川の接点を通過する頃、とうとう船足が落ちた。

 宗太の掛け声とともに櫂は回っている。

 しかし、もう最初の頃の力強さは残っていなかった。

 この辺で、清二と巳之助の力の差が大きくなる。

 清二の櫂は水を大きく捉えて、大きく掻く。

 巳之助の櫂は委縮して、短い距離を掻き始める。

 それによって、左右の均衡が崩れ始める。

 宗太は小まめに舵を切り替えて、調子を合わせなければならない。

 激しい息遣いが聞こえてくる。

 清二と巳之助の息だ。

 特に巳之助の息が上がり始めている。

 よく頑張ったと思う。

 辛いだろうとも思う。

 しかし、ここはあえて言わなければならない。

「巳之、強め!」

 巳之助は苦しいながらも頭を下げた。了解の合図。

 まだ声が届いている。まだ大丈夫だ。

 櫂が水を掻きまわす音や、風を切る音や、俺の声が聞こえなくなると大変だ。


(音!?)


 来る。

 来ている。

 聞こえてきた。

 自分達のものではない音。

 四丁の櫓が水を掻き乱す音。

 押送舟は通常七丁櫓だが、今は後ろの左右二丁、合計四丁の櫓だけを使っている。

 櫓なので立漕ぎだ。

 四人が舟の後方でそれを漕いでいる。

 そして、前が上がり過ぎるのを抑えるためなのか――


 仁吉が舳に立っていた。


「馬鹿かぁぁ、お前らはよぉぉ――」

 大川の汽水域に、風切音に混じって仁吉の高笑いが響き渡る。

「素人の二丁櫓がぁぁ、佃島の四丁櫓にかなうわけがないだろぉぉ――」

(うるせえ、その通りだよ)

 宗太は先程からしきりに舵をあやつり、清二と巳之助の力の差を真っ直ぐ進む力に結び付けようとあがいていた。

(その通りだが、勝負はもう受けちまったんだよ)

 巳之助はもう限界ぎりぎりだ。息は既に上がっているし、黒覆面の下の眼は何も見ていない。

 清二のほうは、いまだ巳之助の漕ぎに調子を合わせるだけの余裕を残している。しかし、そのために無理をしすぎて、二の腕が張り切ってしまっていた。

 舵を操る宗太の右腕も、感覚が薄れ始めている。

 彼は後方を振り向いた。

 黒地に赤文字で『暴漕上等』と染め抜いた旗が、猪牙舟の艫で狂ったように閃いている。

 その艫に向かって、佃島の押送舟がじりじりと舳を摺りつけるように迫ってくる。押送舟の舳で腕を組み、仁王立ちしている仁吉の顔がはっきりと見え、その顔には勝利を確信した笑みが浮かんでいた。

 宗太は進行方向に向き直って、彼方にある永代橋を見る。

(これっぽっちの差じゃ、永代橋を抜けるまでもたない!)

 その手前で間違いなく抜かれる。そして、僅かの差で敗れる。

 何か――あとほんの僅かでも舟を速める方策があれば。そうすれば勝てるのに。

 素人の二丁櫓でも、工夫すれば玄人の四丁櫓に勝てると証明できるのに。

 お園が新大橋の上から勝負の行方を見つめている。多分、両の拳を握り合わせて祈るように見つめているはずだ。圧倒的な経験と力量の差を、俺たちが創意と工夫で跳ね返して勝つ姿が見たくて、その瞬間が来るのを待ち望んで。

(あと僅か。畜生、ほんの僅かでいいんだよ)

 懸命に頭を振り絞りながらも、宗太の顔は次第に下がっていった。

(俺たちは、こんなところで負けるわけにはいかないんだよ!)

 宗太は舟の底に向かって、無言で吠えた。


 そこで、船足が僅かばかり「くい」と速まる。


 顔を下に向けたままで、宗太はそれを感得して、驚いた。

 しかし、その理由が分からない。

 顔をあげたところで、正面からの風に髪を弄られた。

『暴漕上等』の旗が激しくはためく音が聞こえた。

 宗太ははっとした。

 彼は、艫に掲げた旗を固定している紐を掴むと、そのまま力任せに解き、旗を舟の中に引き倒した。


 そこでまた、船足が僅かばかり「くい」と速まる。


「清二、巳之、聞こえるか!」

 宗太は声を張り上げた。

「出来るだけ身体を舟底に向かって倒しながら漕げ!」

 二人は即座に反応した。

 上体をすばやく前方に倒しながら、櫂を川面と水平に持ち上げた。

 それを再び川面に差し込むと同時に、上体を大きく後方に逸らした。

 身体が舟底で反り返ったところで、腹を使って身体を起し、櫂を水から上げて上体をすばやく前方に倒した。


 それによって、船足が明らかに「ぐい」と速まる。

 押送舟との差が開く。


「何だとぉぉ! お前ら今何をしたぁぁ?」

 突然、間が開いたことに気が付いた仁吉の、焦った声が聞こえた。

 が、知ったことではない。

 宗太は舟底に腹ばいになるように伏せて、舵を取った。

 清二と巳之助は、出来る限り上体を起こす時間が短くなるように、櫂を回した。


 船足がさらに速まる。


(風の力に真正面からぶつかってはいけないんだ!)

 今日でいうところの「空気抵抗」を、宗太は理解した。

 そして、それを自分達の味方につけることにした。

 仁吉は意味が分からず、舳で狐につままれたように棒立ちになっていた。

 それが、押送舟の足枷あしかせとなることに気づいていなかった。

 ましてや、押送舟は櫓を使っての立漕ぎだ。それも彼らの足枷となった。


 差が開く。

 

(いける!)

 宗太は確信した。

「清二、巳之、櫂合わせ、やああっ」

 二人は櫂を一瞬、舷側で水平の位置に止めた。

「せーい」 漕ぐ。 舟は息を吹き返した。

「やあっ」 櫂を返して、

「せーい」 漕ぐ。 舟はすいっと水面で加速した。

「やあっ」 櫂を返して、

「せーい」 漕ぐ。 舟はぐいっと勢いを加えた。 


 差が開く。


「お前らぁぁ、漕げぇぇ、力の限り漕げぇぇ」

 仁吉は焦った声を張り上げて、仲間たちに指示をした。

 しかし、その声はむしろ調和を乱した。

 押送舟の櫓が荒れた。


 差が開く。

 永代橋がみるみる大きくなってゆく。


「清二、巳之、最後、十本!」

 宗太の声がひときわ凛と大川に響いた。

「せーい」 漕ぐ。 舟は風を断ち切った。

「やあっ」 櫂を返して、

「せーい」 漕ぐ。 舟は川面を断ち切った。

「やあっ」 櫂を返して、

「せーい」 漕ぐ。 舟は追っ手を断ち切った。


 そして、十本目。

 彼らは永代橋を越える。


 櫂を止め、顔を上げて、清二は見た。

 視線の向こう側に、自分たちの舟の後ろに、押送舟がいた。

(俺たちは、俺たちの力で、俺たちの舟で、やつらに勝った)

 彼の喉の奥から魂が溢れた。

「うおおおおおおおおおおおおおおぉ――」

 それは、過去に彼の心に打ち込まれた楔を砕く、最後の一撃となった。


 巳之助は項垂うなだれて、それを聞いた。

 清二が自分の後ろで勝利の雄叫びをあげていた。

(駄目だ、もう、何も、考えられないや――)

 彼は頭を下げて、激しく息を吸い、吐いた。

 その双眸からは嬉し涙が零れていたが、そのことに彼が気づくのは暫くたってからだ。


 宗太は、見ていた。

 清二が叫び、巳之助が泣くところを。

 彼は後ろを振り向いた。

 押送舟の舳に仁吉が呆然と立ち尽くしていたが、彼が見たいのはそんなものではなかった。

 すっかり日の暮れた大川の、川上のほう。

 はるか先にある新大橋の上。

(お園、分かるか? 俺たちは勝ったぞ、勝てるんだぞ)

 新大橋は夕闇の中に沈んでいた。


 お園は、聞いていた。

 永代橋のほうから歓声が沸き起こるのを。

 そして、それは大川の両岸を伝わって、次第に新大橋のほうへ近づいてきた。

 彼女の拳は握りしめられて白くなっていたが、まだ力を抜くことができなかった。

 人々の興奮した声が目に見えるように伝わってきた。

 そして――やっとその瞬間がやってきた。

「猪牙が勝ったぞ!」

 お園の握った拳は白くなっていたが、それにさらに力が籠った。


 *


 永代橋から新大橋までの大川沿いは、しばらくの間、興奮に包まれていた。

 その中を、猪牙舟と押送舟は虚脱したように漂っていた。

 双方の漕ぎ手とも、すべての力を出し切ってしまった直後であり、直ぐには岸に漕ぎ寄せることが出来なかったのだ。

 宗太と仁吉だけが立ち上がって、互いの顔を見合わせていた。

「俺たちの負けだ。だから、約束は守る」

 仁吉は悔しそうな表情を浮かべていたものの、そうはっきり言い切った。

「ただ、この騒ぎだ。役人がおっとり刀で駆けつけてくるだろうから、俺たちは直ぐに姿を消す必要がある。すまねえが、約束の話は佃島でやろう」

「そいつは分かった。しかし、俺たちの仲間が――」

「お園のことなら任せておけ。既に俺たちの仲間が舟に乗せて、佃島に向かっているはずだ」

「そうか、助かるよ」

「予想した以上の大騒ぎになってしまった」

「そうだな」


 沈黙。


「なあ、お前。宗太だったな。負けたら一体どうするつもりだったんだよ」

 仁吉が腕組みをしながら尋ねた。

 宗太は、黒覆面の上から頭を掻く仕草をしながら答えた。

「いや、別にどうするか考えていなかった」

「負けるはずがないとでも思っていたのか」

「いや、負けるつもりはないと考えていた」

「勝てる訳がないと考えたことはないのか」

「勝てないことはないだろうと思っていた」

「なんとまあ――お前、馬鹿じゃないのか」

「まあ、そうかもしれない。よく言われる」

 二人はそう言うと、大川の上で笑い始めた。


 *


 仁吉はお園に向かって素直に頭を下げた。

「お園さん、あの時は笑ったりして本当にすまなかった。俺が悪かった。この通り謝る。だから許してくれ」

 お園はその潔さに心を打たれながら、

「もういいんです。忘れました」

 と言ったが、実は本当にその時まで忘れていた。

 お園には、そんなことはもう、どうでもよくなっていたのだ。


 *


「それで、次の約束の話だが――」

 仁吉は宗太に向かって言った。

「え?」

 宗太は驚きの声をあげた。

「まだ他に何か約束をしていたのか?」

「お前、『大江戸暴漕族』の頭じゃないのかよ? 何でそんなことも知らないんだよ」

「知らないよ。というか、何だよその『大江戸暴漕族』ってえのは」

「それも知らないのかよ、深川界隈で有名になってるぞ」

「初めて聞いた。そうか。『大江戸暴漕族』か。そいつは悪くないな」

「ちょっとすまねえ――」

 清二が話に割り込んだ。

「お前らに任せていると話が全然進まねえ。約束を加えたのは俺だ」

「なんだよ、お前が頭に内緒で勝手に加えたのかよ」

 と、仁吉が笑った。

「ああ、そうだ。すまなかったな」

 最後の謝罪は宗太に向けたものだ。

 宗太は眉を上げながら、それに答えた。

「別に構わないけどよ。清二、一体どんな約束をしたんだよ」

「ああ。『佃島漁師について聞きたいことがあるから、正直に答えろ』と」

 途端に、宗太、巳之助、お園の顔色が変わった。

「お前、それを聞いてどうするつもりだ?」

 宗太は清二に詰め寄った。

「さあ、どうするかは考えていない」

「考えていない、って――おい、清二。それはないだろう!」

「どうしてお前が怒る?」

「怒るよ――」

 宗太は拳を握りしめて、震えていた。

「何をするつもりかは知らないが、何かするつもりなら必ず俺に言えよ。何をするにしても、俺は絶対に手伝うからな。黙って勝手に、一人だけでやったりするんじゃないぞ。そんなことしたら俺は絶対許さないからな」

「――お前、馬鹿じゃないのか」

 そう言った清二は、宗太が今までに見たこともないような明るい笑い方をしていた。


 *


 清二の話を最後まで聞くと、仁吉の顔色はすっかり変わっていた。

「お前、その時の押送舟の漕ぎ手の顔を覚えているのか?」

「ああ、覚えている。一人だけだがな」

「俺にその男の特徴を詳しく教えろ。そうしたら、お前の知りたいことは全部、俺が調べて正直に答えてやる」

 仁吉は、こめかみに盛大に青筋を立てながら請け負った。

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