2割

 友人宅で飲んでいたら、うかうかと遅くなってしまった。

 終電に間に合うようにと駅までを早足に歩いていると、対面から車が来た。ハイビームになっている。

 眩しくてむっとしたので運転席をにらんだら、そこには誰もいなかった。夜目の見間違いでは決してない。

 去り行く車を唖然と見送った。



 翌日、友人にその話をした。

 すると彼は驚きではない相槌を打って、


「あの道な、大体5台に1台はそういうのが通るよ」


 なんでもないふうにそう言った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る