添い寝
怖い夢を見ていた。
夢の中で、私はこれが夢だと判っている。
なのにひどく怖かった。それに捉えられたらひどく恐ろしい事が起こるのだと、体の
走っても走っても、それは一定の距離を保って追ってくる。否。じわじわとそれは詰められている。
夢だというのに息が切れた。腕が重い。足が上がらない。
とうとう私は動けなくなって路肩に倒れ込む。頭を巡らすとそれはもう目と鼻の先に迫ってきている。
もう駄目だと思った時、どすんと胸に重い衝撃があった。
はっと目を開けると、胸の上にうちの猫が居た。先の衝撃は、この
猫は私と顔が合うなり、盛大な欠伸をしてみせた。生意気な三色毛玉め。
それにしてもこいつ、一体どうやって私の部屋に入り込んできたのだろう。締め忘れるはずもない部屋のドアは、猫の分だけの隙間で開いている。
首を傾げる私を尻目に、猫はもぞもぞと布団に潜り込んできた。
いつもはこんなくっついてなんてこないのに、今日は、一緒に寝てくれるらしい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます