三尺上の首
買い物帰りに公園を通った。
その公園にある、鳥の餌台が目に止まった。餌台の上に、見慣れないものがちょこりと乗っていたからだ。少し暮れかけた景色の中、それは不思議な存在感を放っていた。
色は黒。天辺が少し肌色っぽく変色している。
全体的に丸いが、ボールではない。そもそもボールなら安定してあの台の上には乗り続けないだろう。
なんだろうと首を
振り向かれれば見誤りようもなかった。それはざんばら髪の生首だった。
ふてぶてしく、そして憎々しい表情で、首は私を見てにたりと笑った。笑って、そしてかき消えた。
その昔、罪人の首は三尺高い台の上に乗せて晒されたという。そういえば餌台の高さも、丁度それくらいだ。
あの首にとっては馴染んだ高さであり、それで座りがよかったのだろうか。
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