第六十六話『使命』
「なるほど、強いモンスターじゃなくて、強い役割のモンスターってことね。ケロケロさんは四天王だからか」
へびくんが言う。
「そうだったんケロか!」
ケロケロさんは言った。やっぱり何もわかってなかった。
===
「わかってなかったのね・・・わたしもわかってなかったけど」
私は言った。
ケロケロさんは大雑把に大技を繰り出すのがウリ!私も似たところがあるかもしれない。
「最初からカエルだと思ってたケロ」
四天王ニンジャフロッグことケロケロさんが言った。
そう、この天然四天王のケロケロさんはあまり深くものを考えないシンプルな感じの人だった。
「最初からカエルで忍者だと思ってたんだな」
ライオンが言う。
彼は話を整理した。私みたいに気づいたらさっきまで女子高生だったのに!みたいなのとは違って、基本的にはみんな、もともとそのモンスターだと思っていたみたい。
「ということはヤギちゃんだけが、寸前の記憶を持っていたってこと?」
へびくんが言う。
そうそう!私はその女子高生からヤギになったショックが大きすぎたタイプだからね。
「特別女子高生に執着があったから覚えてたんじゃないか」
ライオンが言う。
ライオンは私が女子高生に執着していることをよく知っていた。
「そういえばライオンはヘラクレスオオカブトのこと覚えてたもんね」
私は言う。
そう、ライオンは結構以前の知識を覚えている。
つまりそこに執着があったということだろう。
「そうだな、基本的にはモンスターとしての役割が強く体に刻まれているが、かなり強い思い入れのある、前世の記憶が残っているのだろう」
ライオンが言う。
そうなることによって、前世の知識などを生かした、複雑な動きができるということだった。
「なるほどケロねー!なんとなくこの城に来た敵を倒さなければ、と思っていたケロ」
ケロケロさんは言う。
それに従って、私達を倒そうとしていた。
そして激闘のすえ、私達が勝った。
「それが基本の使命だな」
ライオンが言う。
その使命の上に自分達の過去の記憶や知恵があるということ、ケロケロさんの場合は漫画の知識とかがあるみたい。
「魔王ってどんな人なの?」
へびくんが聞く。
ケロケロさんはここにいるということは、魔王を守るという役目も大きく与えられているということだろう。つまり魔王のことをよく知っていると考えられた。
「そっか、その魔王さんが私達を前の世界から呼んだのかもしれないんだ!」
私は言った。
「そう、つまり」
ライオンが続きを言おうとした。
「「「倒したら帰れるかもしれない!」」」
みんなが同時に言った。それはテンション上がる!
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