第三十〇話『マカロニとマカロン』

「マカロンありました!!」

妖精くんが戻ってきた!

「なんと!!」

私はあふれんばかりの笑みをこぼした。


「これですよね?」

と妖精くんが言って差し出した。


「こ・・・これは・・・!」

と私が驚く。

これはまさにマカロン!

ほんとにあるなんて!!


「これは確かにマカロンだね、どうやって手に入れたの?妖精くん?」

と、へびくんが妖精くんに聞く。

入手方法に興味があるらしかった。


「マカロンありませんか?って聞いて回ったら、ありました。」

と敬礼っぽいポーズを取る、妖精くん。

思っていた以上に正攻法だった。


「でも最初は、これをくれたんです!」

と手に出す。

そう、それは全然マカロンとは違うもの。

あまくないものだ。


「マカロニだ!」

「マカロニだな」

「マカロニだわ!!」

と三人が口をそろえる。


「ああ、もしかして、語源が一緒ってやつかな」

とへびくんがピンときた。

「確かにマカロニとマカロン響きが似てるわね」

と私が言う。


「よく、これじゃないって気がついたね?」

と妖精くんに私は聞いた。

これを間違えちゃうイベントとかよく起きそうだけど、妖精くんはそのイベントをしっかりスルーしてきた。できる男だ。


「お菓子!ときいて回ったんですよ!とそしたら、分かりました」

と言う妖精くん。


「すごい!できる男!」

と、思わず抱きしめたかったが、残念ながら抱きしめる方法がなかった。ヤギだから。


「食べてみなよ!」

とへびくんが言った。

「うん!!」

と私は満面の笑みで答える。


ずっと求めていたお菓子がいまここに!!

女子高生の必須アイテムマカロンがいまここに!!

私は今ヤギだけど!!


パクリと食べる


「おいしーーーい!!」

私は倒れそうになるくらい喜んだ。

ぱああぁぁぁぁぁぁっと顔が明るくなるのが自分でも分かった。


ほんとにこれは美味しい。

いままで、甘いものなんて一口も口にしていなかったのと、しばらく戦闘戦闘で、へとへとに疲れていたというのもある。


「どれどれ」

とライオンも食べる。


「ああ、これはなかなかうまいな」

とライオンが言う。


「甘いもの食べられるんだ?男の人は結構苦手な人も多いと思うけど」

「ああ、嫌いじゃない」とライオンが言う。


「あ、じゃ僕も食べよう」とへびくんが言って、ぱくっと食べた。


「ああ、おいしい!全然美味しいね!」

と笑うへびくん。


「僕も食べていいですか?」と妖精くんも聞いてくる

「もちろん!」と私は言う。


「こ、これは・・・おいしい!」

と妖精くんが言う。


「うん、おいしいよね。この時代にもあるんだなぁ。まぁ、甘いパンだからなぁ、わかりやすく言うと」

とへびくん。


「でも、よく見つけた、妖精っち偉い!」

とへびくんが褒める。


「ありがとうございます!実はこれももらってきました!」

と妖精くんはカカオ、つまりココアを取り出した。

そう、仕事のできる男、いや、できる妖精だったのだ。

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