まだあまりサイコな印象は受けない。感情表現が苦手で、価値観が少し歪んだ少年。ただ、それは少年の視点から描かれているからであって、もしかしたら彼女から見た少年は常軌を逸しているのかもしれないし、そんな彼女もまだ怪しさを漂わせている。展開が気になる作品。
主人公はサイコパスである。それを診断されたのは最近である。ということは以前まではどうだったのか。気がつかなかったのか? それとも目を逸らしていたのか? たぶん気がつかなかったのだろう。それが、中野さんとの出会いによって、徐々に自分のおかしさに気づいていき、その結論、自分がサイコパスであるという結論に至るのか? それとも、何かあっておかしくなってサイコパスになるのか? まだまだ序盤でしょうし、予想しても仕方がないかもしれませんが、その辺り考えながら読むと楽しめます。
不器用な主人公の心の内が興味深く、そして面白い。ヒロインとのやり取りも無視できない面白さに脱帽です。これからの展開が楽しみです。
他の人と自分が何か違うと気づきながら、色々と考えている心情描写がなんだか好きです。これから彼には幸せが待っているのでしょうか。それとも……。とても気になります。
少ない文章量で主人公の心情を描いていると思います。後を引く文末。すでに甘く切ない匂いがしている。そんな気がします。『ありがとう』そんな常套句では物足りないかもしれません。