第45話 籠の中の鳥、丹波亀山
一方、飛鳥時代に赴いた安部清明と安東要たち一行であるが、今の九州の福岡県辺りの筑紫から、明智光秀が統治した「
距離が遠いので夜間に巨大戦艦<地龍>で移動したが、
<地龍>は
敦賀は琵琶湖の北にあり日本海に面している。
まずは比較的近場にある亀岡に行こうということになったのだ。
「『かごめかごめ 籠の中の鳥』を『籠に囲まれた小さな鳥居』、『竹垣に囲まれた神社』と解釈すると、そういう神社や鳥居を探せばいいはずだけど」
安東要はそう言いながら異世界スマホで亀岡の観光情報を探ったが、亀岡で有名な神社といえば、今の亀岡市の『
京都の愛宕神社の方が有名だが、亀岡の愛宕神社は別名「元愛宕」とか「愛宕の本宮」とも呼ばれていてこちらの方が古い神社である可能性がある。
本殿の祭神は
あとは式内社(名神大社)、丹波国一宮の『
御祭神は
南西に降ると、亀岡の中心に天正5年(1577)頃、明智光秀が築城した『丹波亀山城』などもある。丹波攻略の拠点であった。
「波奈的にはちょっとピンと来ないなあ」
月読波奈はいつものブスっぽい厚底メガネ、黒のゴスロリミニスカとブーツ、純白のニーハイソックスで決めている。
ブスっぽい感じにすることで何か落ち着くのだろうか。
「確かに、こう決め手に欠けるというか」
神沢優は深緑色の自衛隊風のミニスカ制服にブーツ、黒のニーハイソックスという渋いのかエロいのか不明なファッションである。
ふたりは<勾玉の民>のリーダーが生まれる際の試練の謎について、実はその真相は知らない。
カゴメ歌の解釈については知ってはいる。
だからヒントを出してる訳でもなく、異能者独特の勘のようなものなのだろう。
「うーん、波奈ちゃんと神沢さんがそういうなら、もう少し他の神社を探してみます」
安東要は案外、素直である。
そこが彼のいい所でもあるのだが、未だに黒の制服にミニスカ、ニーハイソックスのミニスカポリス姿なのだが、それについてはあまり触れないでおこう。
まあ、何となくかっこいい特殊な軍服に見えなくもない。
「……式内『
安東要がいう。
「
かごめ紋=
神沢優はピンクのサイバーグラスをひとさし指でちょっと持ち上げながら、異世界スマホで検索をはじめた。
「
神沢優は古代史マニアなので、そういう
まあ、異世界スマホの検索で出てくるのかもしれないが。
「残りの御祭神は
安東要も負けずに検索してみた。
「
神沢優が解説する。
「歴史、由緒。由緒掲示板、和銅三年(710年)の創建、光秀の兵火で焼失した社殿を、天正十二年(1584年) 秀吉が片桐且元を奉行として再建せしめたものという。祭神は、御井神、月読命、市杵島姫命で、伝説によると御井神(木俣神)が市杵島姫命と洛西松尾大社から神使の亀に乗って大堰川を遡上されたが……え! 亀だって!」
安東要はちょっと
間をおいて続ける。
「……保津の急流が乗り切れなかったので、鯉に乗りかえて、ここ大井に上陸して鎮座されたということである。為に当社の氏子は鯉を尊び、食用は勿論、捕えることも禁じ、五月の節句に鯉のぼりもあげない風習が続いている。十月十六日の例祭には、古く貞観八年(886年)に始まったという勇壮な競馬が 当社の馬場で武者姿の氏子によって奉納される」
「この神社で、当りね。波奈の神社かも?」
月読波奈がそういう。
「明智光秀の兵火で焼失した社殿を秀吉が片桐且元を奉行として再建せしめた。月読命、秘密結社<
安東要も納得しかけた。
「
神沢優も御祭神の意味を読み解いていく。
「そうなると、鯉も何か関係してるのかな?」
安東要が疑問を投げかける。
「それは何か意味があるかもしれないわ」
神沢優は物思いに沈んだ。
謎は全て解かれた訳ではなかった。
「とりあえず、現地にいってみようか」
月読波奈が答えを出した。
一行は
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