タクトフービ
28
男の顔はあまりにも美しかった
これほど美しい男は大陸中をさがしてもいないだろう
それほど圧倒的に美しい男である
ダラギャも美しい整った顔であるが次元が違うと言わざるをえない
実際に
この美しい男は違う次元から来たのかもしれない
次元
については
ダラギャは失われた記憶のどこかで学習したはずである
レイリョク強化にしか興味がないニェンでさえしばらく男に見とれているほどだ
だがニェンはすぐに自分を取り戻し
今は得意な武器の小刀を取り出し身構えている
「タクトフービだ 」
男は唐突に声を発した
涼やかな聞き心地の良い声であった
29
聞き心地の良い声であったが
その声の持つ冷気が
盗賊達をその場に縛り付けているようだ
「タクトフービ……
私の名前だよ この世界の この時間…この時間とは…また…皮肉な響きであったと…ダラギャくんもニェンくんも…あとから…皮肉な響きであったと思うことになるが…私は正しいとだけ…今は…この時間では言っておくよ…とにかく私の名前はタクトフービだ
よろしく 」
盗賊団は全員
狂人が飛び出してきたと確信した
しかしどのようにして?
馬の内部は全員が確認した
からっぽであった
この美しい狂人はどこからどのようにして出現したのか
30
タクトフービはすべてを事前に知っているかのような落ち着きを備えている
「私が狂人だと思ってるようだね諸君
ある意味…というより…すべての意味において…確かに私は狂人だ
しかし狂人でなければ解けない問題に各世界が直面しているとすれば…深く鋭く柔らかくおおらかで賢い狂人が必要なのでは
ないかね?」
すべてが理解を越えている
タクトフービと名乗る男のすべてが盗賊団全員をすでに打ち倒していた
「ダラギャくん ニェンくん そして盗賊団諸君…すでにして諸君は私の支配に入ったのかな?
こうもあっさりと?」
なんの目的かは知らないがタクトフービは飛刀団を挑発している
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます