第4話 高校生(の年齢)時代



引き続き、やや引きこもり時代。


中学は義務教育なので、自動的に卒業できる。

集合写真には参加せず。

当たり前だが、なんの感慨もなかった。

友達もいないし、思い出もないのだ。

ただ、一応卒業したという経歴だけは必要かと思い、

校長室に卒業証書を受け取りに行った。


16歳から派遣のアルバイトが出来るようになったので、

単発のアルバイトをして金を稼ぎ、好きなゲームを買ったり、

気になっていた顔のホクロを取る手術をしたりした。

完全なる引きこもりではなくなったものの、

相変わらず家でやれることなんて限られていた。


ゲームか、パソコン。


私の世界を広げたひとつに、インターネットがある。

当時はまだ発展途上だったものの、やはりすごい衝撃だった。

見ず知らずの人と、簡単に交流ができる。

イラストや小説、ホームページといった作品を手軽に見られる。

絵を描くのが好きだった私は、絵の掲示板に投稿したり、

イラストがあるサイトを巡る日々を送っていた。

ある日、ひょんなことから、BL(ボーイズラブ)の小説にたどり着いてしまった。

忘れもしない、某海賊漫画の赤髪と副船長だった気がする。

何故こんな究極にどうでもいいことを覚えているんだろう私。

それほど衝撃的だったってことか。

ともかく、未知の世界(BL)を覗いた私は、

こんなのがあるんだと、興奮して母親に話した。

気まずそうだった母の反応も、当時は分からなかったが、今なら分かる。

過去に帰れるなら、全力で自分を止める。

それは親に話すものではない、自分だけで楽しむものだ、と。


なんでこんな内容を書くかというと、

私の性に関する知識は、すべてインターネットから入手したからだ。

しかも、よりによってBLから。

当時好きだった漫画やゲームのキャラクター達がそういう事をしているのを、

はじめは違和感を感じて見ていたのだが、不思議とハマっていった。

そして見る内容はどんどん過激になった。


引きこもり腐女子誕生。


見ていた小説やイラストでは男性同士でやっていることを、

男女でも似たような感じでするのが、いわゆる「セックス」なのだと、

漠然と認識した(順番おかしい)。

興味もあったし、男女のアダルト小説やイラストも見た。

とはいえ、細かいこと(どうしたら子供ができるのかとか)までは書いていないし、

また自分から調べようとは思わなかった。

普通であれば、嫌でも学校で教えられる、性教育。

それを、私はインターネットに教えてもらってしまった。

親は教えてくれなかったから。

ただ、私がそういうサイトを見ているのを、知っていたんじゃないかと思う。

今ならシークレットウィンドウなり履歴消去なり対策したと思うが、

当時はそんな機能すら知らなかった。

あれらを親にも見られていたのかと思うと、結構つらい。

完全に後の祭りだが。






この偏った性の知識が、後に問題を起こすことになる。






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