世界で一番似合わない。

那由多

世界で一番似合わない。

 人にはそれぞれの天職というものが存在すると思うのだ。

 小さい頃からその職業になりたいと思って走り続けた人。

 人生を歩んでいて突然天職に巡り合えた人。

 そして、俺は天職を探しているのだが、それが見つけられない人――だった。

 皆様はアイドルという存在は好きであろうか?

 まあ、アイドルと一言で表現しても、色々ある。

 例えば、女性のアイドルグループ、男性のアイドルグループ。

 アイドル歌手、だとか、アイドル女優。

 そんな、アイドルという職業は多種多様でありながら、一つだけ共通している部分が存在する。

 ――人々の憧れだ。

 アイドルなんて、なろうとしてなれるものでもないし、なろうと思わなくてもなれるわけでもない。ある意味、偶然と幸運が折り重なってアイドルという存在になることが出来るのではないのだろうか。

 じゃあ、俺は偶然と幸運が折り重なった。のだろうか?

 正直、それは自分自身にも理解しがたい節がある。

 だから、俺は自分がしているアイドルという職業をこう思っている。

 ――世界で一番似合わない。

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