プラネットオンライン
ムルムル
プロローグ
2086年、ここに新たなVRMMOゲームが誕生した。
そのゲームの名は
VRMMOというものはマンガやアニメといった空想上でしか存在しない、現実でそういったゲームが出来るのは不可能だと言われ続けていた。
数十年前までは──────
数十年ある一人の日本人プログラマーによってヴァーチャルリアリティは現実のものとなった、勿論その事実は世界中を二つの意味で震撼させた。
一つは今か今かと待ちわびていた多くのゲーマー、これがおおよその9割9分9厘を締める。
そしてもう一つはプログラマー、開発者達だ。
VRMMOというゲームを空想上で誕生させたのは漫画大国日本でも、それを現実にするのは発明することにおいて右に出る国はない程の技術力を持つドイツか、圧倒的な人材と財力そして科学力を持つアメリカだと世界中の評論家はそう述べていた。
それがふたを開けてみればVRMMOに必要不可欠なヴァーチャルリアリティを現実のものにしたのも日本人で、それもこれまで名を聞いたこともない一人の人間ではないかと。
それをたった一人の人間が創った?その話を聞いた世界中のプログラマー、開発者達は頭を悩ましたり阿鼻叫喚となったそうだ。
世界中の人間が待ちわびたVRMMOだが全ての人間にそのゲームを遊べる適性があるわけではない。それにまだゲームの世界に自分が入り込んだ感覚になるレベルだったので、ヴァーチャル世界でオンラインが出来るのは技術的に不可能だった。
それから数年後、実際にゲームの中の操作キャラクターを自分の身体のように操作出来る技術が開発される。遂に本当の意味でヴァーチャルの世界に入れるようになったのだ。
だがそれは全ての人間が出来るものではなかったのである。
人間の脳波や伝達信号を専用の機械が読み取り、それを正しく電波として伝わるかテストする必要がある。
VRMMOが完成するのはまだ遠い未来の話でも、そのテストを受けた者は世界中合わせると3億人を越え、全員の適性テストが終わるまで一年以上かかってしまったとか。そしてその適性テストに合格できた人の数は1000にも満たなかったらしい。
まだ完成したばかりのそれを今実用すると脳に異常をきたす危険性があるため、実用に至るレベルになるには、多くの人間に適性出来るようにするには更に時間が要した。
それから15年経ちようやく多くの人間に適性出来るようになった、初めは1000人にも満たなかったのが、この時には100万もの人間に適性出来るようになる。それと同時期に小規模ではあるがオンライン機能を搭載したVRゲームも開発された。
小規模なのでVRMMOとは言えなかったが、そのVRO(ヴァーチャルリアリティオンライン)ゲームはVRMMOの原初となる物だったので世界のゲーマー達は飛び上がるように喜んだ。
世界全体で1万個しか発売されなかったそれは、値段も500万円近くと超高額だったにもかかわらず、発売されてから1秒と満たないうちに完売した。
ヴァーチャル技術を開発した例の日本人はVRゲームを快適に安全に遊んでほしいと回線関連の向上も同時進行で行っていた。そのお陰で回線による影響も問題ない。
今や2000年初期のスーパーコンピューターを遥かに越える性能を搭載した小型端末を小学生でも持てる時代になっている。
当然コンピューターの進化と共に通信量も多くなっていく。
2010年頃に実用されていたスマートフォン端末の当時の月々の通信量は数ギガバイト程度だったが2060年の頃には月々の通信量が数エクサバイトと比較にするのもバカらしい程発展している。
ちなみに1エクサバイトは10億ギガバイトである。
専用の高速通信用ルーターを使用しなくてもギガバイト級の情報なら一瞬にも満たない速度で読み取れる。
そんな超が何個も付くぐらいの光速通信社会となった時代では通信によるラグやジャギといった言葉は存在しない。
あれから数十年たった今ではヴァーチャル技術も物凄い速度で進化を遂げ、VRゲームの適性はほぼ全ての人間に適性出来るようになり値段もかなり落ち着いて来た。コクーン型といわれている大型の端末は50万円前後するが、ヘッドギア型といわれている頭に装着するだけのタイプは5万円もしないので、学生でも頑張れば買えるようになった。
そんな時代に新たに発売された
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