第2話 憧れの人への応援コメント
さとるの行動が問うているのは、AIが創作を変えるかどうかだけではありません。自分の痛みを伝えるために相手を傷つけ、その反応を議論の材料にしてよいのかという、対話の倫理も浮かび上がります。
さとるは、憧れの猿山に作品を読んでもらい、創作者として認められたかったのでしょう。だからこそ、作品が評価されない苦しみや、AIによって作者性が揺らぐ不安には、確かな切実さがあります。ただ、対談で彼が選んだのは、批評を求める言葉というより、相手の立場や感情を揺さぶる言葉でした。自分の痛みを理解してもらうために他者を傷つけ、周囲を主張の道具としてしまった点については、その痛みが本物であることとは別に、責任が問われるべきでしょう。
アキの指摘が鋭く感じられるのは、さとるの失望そのものを否定せず、その失望のために周囲を巻き込んだ側面を見逃していないからです。創作者の苦しみを尊重する議論であっても、他者の尊厳を犠牲にしてよいわけではありません。さとるの悲しさには共感できても、その共感が彼の行動を免責するものになるわけではないのです。
憧れに届かなかった痛みと、その痛みを通じて他者を傷つけてしまった責任を並べて描くことで、この回はAIをめぐる議論を、人間の感情と対話の倫理へと引き戻しているように思えます。
作者からの返信
ほずみ みお先生、第2話も丁寧に読んでくださり、ありがとうございます!
さとるの「認めてもらいたかった」という気持ちだけでなく、その痛みから相手を傷つけ、周囲まで巻き込んでしまったことにも目を向けていただき、ありがたく拝読しました。
さとるの苦しみは本物でも、それが彼の振る舞いを正当化するわけではない。この二つは、分けて描きたいと思っていました。本当は作品を読んでほしかったのに、自分から相手を遠ざける言葉を選んでしまうところに、彼の弱さも表れています。
アキについても、彼の失望を否定せず、それでも言うべきことは言う、という立場を丁寧に受け取っていただけて嬉しいです。支えることと、何でも肯定することは違うのだと思います。
AIへの賛否だけではなく、登場人物たちの感情や関係にまで踏み込んだご感想をいただけて、大きな励みになりました。今回のすれ違いがこの先どうつながっていくのか、引き続き見守っていただけたら幸いです。
第1話 四十八歳の新人漫画家への応援コメント
AIと手描きの対立を通じて示された「漫画とは何か」という問いは、さとるの承認欲求へと収束します。対立の焦点は、どちらが漫画にふさわしいかから、さとるが誰に認められたいのかへ移ります。
その転換を象徴するのが、さとるが古いサイン色紙を伏せる仕草です。そこには、憧れの人物に作品を認めてほしい願望と、読まれていないかもしれない失望が込められています。こうして作品論は、「憧れの人は本当に自分の作品を読んだのか」という切実な問いへと具体化されます。
今後は、さとるが他者の評価への依存を乗り越え、自らの表現と向き合えるかが物語の軸になりそうです。
作者からの返信
ほずみ みお先生、丁寧なご感想をありがとうございます!
古いサイン色紙を伏せる仕草にまで目を留めていただけて、とても嬉しいです。
多くの読者に支持されることと、憧れ続けた一人に認めてもらうことは、さとるにとって違う重みがあるのだと思います。「作品を読んでくれたのか」という問いの奥にある気持ちを、丁寧に受け取ってくださってありがとうございます。
AIと手描きの対立だけでなく、その向こうにいる人間を感じていただけたことが、書き手として大きな励みになりました。
さとるが自分の作品や憧れの人とどう向き合っていくのか、これからも見守っていただけたら嬉しいです!
第1話 四十八歳の新人漫画家への応援コメント
コメント失礼します。
AI漫画家として世間から「革命児」や「漫画を壊す男」と見られるさとるが、実は猿山てつへの言葉に強く反応する姿は印象的ですね。
古びたサイン色紙からも、さとると猿山の間に何か深い因縁がありそうですね。
「この男が最初から何者だったのかを見誤る」という一文も効いていて、さとる自身の過去が物語の核心になりそうで続きが気になる幕開けは素晴らしいと思います。
次回も楽しませていただきますね。
作者からの返信
照春先生、丁寧なコメントをありがとうございます!
さとると猿山の関係、そして「この男が最初から何者だったのかを見誤る」という一文に注目していただけたのが、とても嬉しいです。
世間から見えている「AI漫画家・白滝さとる」と、本当の彼がどんな人物なのか。その違いは、この物語で大切にしている部分の一つです。
古びたサイン色紙にも、もちろん意味があります。
ここから少しずつ明らかになって、思わぬ展開も待ち受けていますので、ぜひ続きを楽しんでいただけたら嬉しいです。
読んでくださって、本当にありがとうございます!
第1話 四十八歳の新人漫画家への応援コメント
白滝さとる先生、突然のコメント失礼いたします。
AI漫画を描いていらして、今度は小説ですね。
私は只のもの好きでAIを使い小説を書き、これからは生成AIを使ってアニメを作ろうなんて途方もない夢を持っています。まあ、調べている内にアニメはおろか漫画さえ無理だなと感じている今日この頃であります。
時間を見つけてまた読みに来ようと思います。
ありがとうございました。
作者からの返信
夏目 吉春先生、コメントありがとうございます!
読んでいただけて、とても嬉しいです。
AIで小説を書いて、さらに生成AIでアニメ制作まで考えていらっしゃるんですね。素敵な挑戦だと思います。
私もAI漫画を作っていて、ページによっては10回以上手直しし、レイヤーを数十枚重ねたり、漫画の技法をAIに教え込んだり、思った以上に難しいことばかりでしたが、それも含めて楽しみながら挑戦していました。
『俺はAI漫画家さ』も、漫画制作の苦労を盛り込んで書いた物語です。
この作品もいずれ漫画制作をします。
お時間のあるときに、また続きを読んでいただけたら嬉しいです。
こちらこそ、ありがとうございました!
第2話 憧れの人への応援コメント
それしても昨今話題のAIですが、果たしてどこまで影響力を伸ばすんでしょうね…昔のラーメン屋の店主もカップヌードルなどの即席ラーメンを嫌悪していたそうですが。しかしもしかするとAIへの嫌悪も即席ラーメンのようにいずれは薄まるのかも?
作者からの返信
アーヤトッラー先生、コメントありがとうございます!
即席ラーメンのお話、とても興味深い例ですね。AIもこれから社会に浸透していく中で、人々の受け止め方は少しずつ変わっていくのかもしれません。
一方で、小説や漫画に限らず、仕事、教育、芸術など様々な分野で、AIをめぐる議論や規制、法律の制定はこれからさらに活発になっていくのではないかと思っています。
『俺はAI漫画家さ』も、単純にAIを肯定・否定するだけではなく、新しい技術によって人や社会がどう変わっていくのかを描きたいと思って書いています。
これからの物語でも、AIについて自分なりに考えていることを、登場人物たちを通して伝えていけたらと思います。
今後も楽しんでいただけたら嬉しいです!