実は考えていたのがあったのですが、迷いました。
でもこれにします。
恒例の閑話です。
というか本編で出そうと思っていたものです。
特にツッコミが無かったのでスルーしてましたが、健太との話し合いの前日を作っていました。
それをここで載せておきます。
本編と食い違いがあったらごめんなさい。
結構前に制作した物なので。。。
というか33話辺りで作っていたものです。
ちゃんとラブコメしました???
タイトルは作ってません。
では
★★★★★★★★★★★★★★★★
今日は朝からバイトで先輩と一緒だった。
今はバイトが終わり先輩と一緒に帰っている。
明日は休みでそして運命の日だ。明日、いよいよあいつらと対峙する事になる。
遥が来春に連絡をしてくれて二人を呼んでくれると言っていた。
勿論、俺が来るとは言うはずもない。部活の打ち上げとかで理由をつけて呼びつける。
俺はレンタルスペースを事前に借りておいた。
そこならちゃんと話し合えると思ったからだ。
来春も一緒にいてもらう。まあ呼んだ本人がいないとマズイのもあるが、来春には立会いとしていてもらうつもりだ。
あいつなら公平だと向こうも認識するだろう。
明日だとはいえ今から緊張してきた。
先輩が横で俺を見ていた。
俺は明日の事で頭が一杯だったらしい。先輩が話かけているのすら気付かなかったくらい。
「奏多くん!聞いてる?」
「えっ?はいなんでしょうか……」
「もう!全然きいてないじゃん」
「すいませんでした、何か俺に言ってました?」
先輩は俺の答えに不服だったみたいで頬を膨れさせていた。
「この後、明日の事もあるから何処かでご飯食べながら話さないかって言ったの!本当に聞こえてなかったんだね」
「そうだったんですか?すいません……全く聞こえていなくって」
「はぁ……で、どうしようか?」
先輩とご飯を食べるのは嬉しい。明日の事もあるしな、どこがいいかな…………
悩んでる俺を見て先輩は俺に珍しい提案をしてきた。
「偶には奏多くんの家で一緒に食べようか?」
「はい?」
「そうしようよ!」
先輩と家でご飯を食べる……とても魅力的だけど、家には何もないぞ?
いつも適当にスーパーで買っているから買い貯めなんてしていない。
「先輩。俺の家には食材が無いんですけど……」
先輩は笑顔で俺に話す。
「分かってるよ!これから一緒に買い出しに行こう!」
これは……まるでカップルのような……
顔を真っ赤にしてた俺を先輩は揶揄い始めた。
「あれ?顔赤いよ~。もしかして同棲カップルみたいで嬉しいのかな?」
俺の心が分かるんですか?先輩は読心術でも持っているのか?
だとしたら俺の気持ちも…………
「いや……それは嬉しいですよ。先輩と一緒だから」
ん…………?
今日の先輩は意外と平常運転みたいだ。
いつもなら嬉しがる言葉も通常の笑顔でいる。
「それじゃあ早く行こっか!」
そう言って先輩は先に歩いていく。
なんかいつも感じと少し違うな……どうしたんだろう。
◇
先輩と一緒にスーパーに到着した。
俺はカゴを持つと先輩に今日食べる物を聞く。
「先輩。ご飯は何しますか?」
先輩は嬉しそうに答えてくれた。
「そうだね~、カレーなんかいいよね。定番で!奏多くんはなにがいいかな?」
「そうですね……俺は先輩となら何でも…………はっ!?」
俺は一つ気が付いた事がある。
先輩は料理ができるのだろうか??
先輩の事だから料理なんてできるだろうと勝手に思い込んでいたが、実際に先輩が料理をしている所を見た事がない。
でも先輩に「先輩、料理できるんですか?」なんて聞く事ができない。
それはもし、先輩が料理をした事がないなら、かなり馬鹿にしてる感じになる。
とはいえ料理ができたとしても「奏多くん、馬鹿にしてるの!?見損なったよ!」
とか言われてしまう…………
これはどういう風に確認すれば…………
「奏多くん、私は料理くらいできるよ!」
分かっていたんですね、俺の考えている事。
でもその言い方はできないフラグなんじゃ…………
「今日はハンバーグにしよっか!?」
それなら簡単か…………
俺達はハンバーグの食材を買ってスーパーを後にした。
◇
家に着いた俺達はすぐに夕食の準備を始めた。
意外だった。先輩は普通に料理できた。
疑ってすいませんでした………………
◇
「ご馳走様でした」
「奏多くん、どうだったかな?美味しかった?」
「はい、先輩が料理ができるなんて思ってもみなかったのでビックリしました。それならもっと違うのでもよかったですね」
「奏多くん!!言いすぎだよ!私料理できるって言ったじゃん!」
「すいませんでした、あれはできない人の定番だと思ってしまって…………」
「もう!失礼しちゃうな」
可愛く怒った先輩は後片づけをしようとしたので俺が止めた。
「先輩!俺がやりますから、座っていてください」
「でも悪いよ」
「先輩は客人なのでここは俺がやりますよ」
「うん、じゃあお言葉に甘えるね」
◇
後片付けも終わりテーブルにはカップが二つ置いてある。
今一息ついたところだ。
「ふう」
先輩がため息をついた。
なかなか話が始まらなかった。
少し間があったが先輩が口を開いた。
「奏多くん、いよいよ明日だね」
明日……久しぶりにあの二人と会う。
少し怖い、それはそうだ。
俺の親友と言ってあの事件を起こし、俺を排除したやつと俺を切り捨て事件の主犯と付き合う元幼馴染。
再会したら怒りが込み上げ、さすがの俺でも殴りそうだ。
「明日にあの二人と再会する訳だけど、気持ちはどう?」
「ははっ、もう最悪ですよ……」
「そうだよね…………」
一瞬、静かになった。
先輩もさすがに俺のこの怒りが分かるのだろう。
空の時もあったが、空は俺を救ってくれたところもあった。
俺はそれに確かに救われた。
空があんな事しなければとは思う。
でも、空を完全には憎めなかった。それは俺も空が大事な人だったからだと思う。
でもあいつらは……
いや、考えると怒りでおかしくなりそうだ。
「奏多くん、明日なんだけど」
「はい……」
「感情的になっちゃ駄目だよ」
「それは分かってます」
先輩の言う事は分かっている。
「特に楯山君は話しが上手いらしいし、ずっととぼけてくると思うよ」
そうだろう……あいつはきっととぼけて、まだ親友のフリをするだろう。
「そうだと思います」
「話をしていく内に奏多くんを煽ってきたりもすると思うの」
「そうでしょうね……」
「だから、どんな事があっても冷静に対処すんだよ」
冷静にか……今の俺でそんな事ができるのか?
「できますかね……俺に」
「大丈夫、君ならできるよ。もう君は私と最初に会った時とは違うんだし」
先輩と最初に会った時か…………
最初に会った時は先輩から声を掛けて貰っても嫌だったので無視していた。
うわべだけの笑顔や優しさなんて要らなかった。
それを思い出すと今の俺は………………
「はい、ありがとうございます」
「奏多くん、きっと楯山君だけじゃない、山川さんも君に何か言ってくるはず」
雪か……アイツも利用されていたかもしれないが、俺の事を信じてくれなかった。
それは今もきっと同じだろう。でもいいんだ、もうアイツは俺の恋人でも何でもないから。
「その辺は大丈夫ですよ、先輩」
先輩は心配そうに俺を見つめてくる。
「アイツはもう俺とは関係ないんですから」
「奏多くん……」
「だから心配しないでください」
先輩は俺の意志が伝わったみたいだ。
安心した表情になった。
「うん!わかったよ」
その表情を見て俺も安心した。
そして俺は先輩に疑問を話した。
「健太の奴は本当の事を話しますかね?」
先輩は少し難しい表情をする。
「きっと全部は話さないと思うよ、土屋さんの事なんか特に話さないんじゃないかな」
「そうでしょうか……」
「土屋さんと繋がっている証拠がない限り、楯山君みずから土屋さんの名前は出さないんじゃないかな」
確かに……土屋さんと健太が繋がっていたってのはあくまで推測だから。
「楯山君って結構マメなほうなの?」
先輩が健太の事を聞いてきた。なんでだ?
「いえ、女性に対してはマメだとは思いますけど、他は大して」
「それなら、こないだ星咲さんと話した電話帳の件。楯山君はまだ奏多くんの電話帳を当時のままにしてるかもしれないね」
「え、まさか」
「だって奏多くんを排除できたから、後の事は意外にそのままにして忘れるものじゃない?」
確かにそれは健太なら有りそうだ。アイツは女以外は途中で手を抜いたりする癖がある。
もしかしたら、番号も直していないかもしれないな。
「だから奏多くんは逆に楯山君を煽ってスマホを出させるように仕向けて」
「それはそうですが、でもどうやって……」
「電話でもかけらればいいんだけど」
「そうですね。俺があいつの電話にかければ……でも俺はもう電話番号は変わってるし、あいつの電話番号も消えてますね」
「土屋さんのほうから電話して貰えばいいんだけど」
「まあそれが一番いいんですが」
「当日は遥ちゃんが一緒にいるはずだから上手く言ってもらえればいいんだけどね……」
「遥はそんな事できるでしょうか……」
「星咲さんもいるし何とかなると思うよ。楯山君が白状したとか言えば必ず楯山君に連絡すると思うし。
本当は先に土屋さんのスマホを確保出来ればいいんだけどね。そこは二人に任せるように言っておくね。
何にせよ、楯山君と土屋さんが繋がっていれば、もう言い訳はできないと思うよ」
「そうですね、俺も頑張ります」
とりあえず電話番号の件は何とかなりそうだ。先輩も他に考えがあるかも知れないし。
後は他には…………
「あとは履歴を消えた件なんだけど」
そうだ履歴の件だ。あの日の履歴が消えてしまっているのはどういう事だ。
「それが分からない所なんです」
「星咲さんが履歴を消していないなら、もしかして消したのは土屋さんなんじゃないかな?」
土屋さんが俺のスマホのロックを外したのか?というか土屋さんがどうやって…………
というか部室にもどうやって侵入したんだ?キーボックスの番号は一部の人間しか分からないはずだ。
「どうやって部室も侵入して俺のロックまで外せたんですか?」
「部室は楯山君に聞いたんだと思うよ。星咲さんが知ってるんだから不思議じゃないよ」
確かに健太の奴は最初のほうにマメに朝練に参加していた。
それで番号も教えて貰っていた。だけど、ある時から朝練に来なくなった。
もしかして、番号を知りたいが為に朝練をしてたのか?
とすると健太の奴はもうかなり前からこんな事を考えていたのか……
「あと奏多くんのスマホのロックは…………奏多くんは楯山君にロック番号を見られた事はないの?」
「いえ、そんな事は…………あ」
そういえば俺が体調悪い時に保健室でスマホを貸した事があったな。あの時に何気なしにロックを目の前で外したような……
その時に見られていたのか。それを土屋さんに教えて…………
「心当たりがあるみたいだね」
「はい。でも土屋さんはどうやって部室にいったんでしょうか?俺はあの時には見ていないですけど」
「誰かとすれ違ったりもしてないの?」
「それは…………あの時か?確かに女子の部員とぶつかったのは覚えています。でも印象が薄かったので誰だか分からなくて……それが土屋さんだったら」
「もしかしたら、土屋さんなんじゃないかな?」
確かに……でもその時の女性と今の土屋さんの雰囲気は違ったな。こないだ会った時は俺に対して普通だったが、ぶつかった人はかなり険悪な感じだった。
「ぶつかった女子部員と今の土屋さんの印象や雰囲気は全然違いますけど」
「それは変えたんじゃない?だって奏多くんにはぶつかって見られてるんだし」
「まあ確かにそれはあり得ますね」
「でも奏多くん、こないだ土屋さんの事聞いたら、全く印象に残って無かったみたいだけど」
「それはすいません……」
それは本当にごめんなさい…………
「データの事だけは分からないんだよね」
そうだ、空の言っていたメモリーカードだ。空はカメラのデータを消して、念の為にからっぽのメモリーカードを入れたと言っていた。でも実際は映像が残っていた。
それが未だに分からない。
「こればかりは直接聞いてみるしかないんだよね」
「そうですね……」
さすがに先輩でも分からないか。当然だ。先輩はその場に居なかったから。
ここまで分かったほうが逆にすごい。
「一応、カメラの事は調べておくよ」
でもどのカメラが使われていたのかなんて俺でも分からないのにどうやって?
まあ直接聞けば問題ないとは思う。
◇
ある程度はやるべき事は確認した。後は明日の本番だ。
「奏多くん、明日は緊張しないでね。後、楯山君の挑発に乗らないようにね」
「分かってますよ」
「山川さんもどう出てくるか分からないから、流されないようにね」
雪……もうそろそろ1年経つもんな。あいつはもう俺の知ってる幼馴染ではないだろう。
でも、もういい。
アイツは健太を選んだんだ。だから、俺もあいつの知っている田川奏多じゃない。
「先輩、大丈夫です。雪がどう言ってこようと、俺はもうあの時の俺じゃないんで」
俺の言葉に先輩は笑みを浮かべた。それは俺の決心を喜んでくれたのであろう。
そして先輩は俺に言ってきた。
「じゃあ、最後に上手く行くように一緒に願おう!」
「えっ?はい、分かりましたけど」
「じゃあ、目を瞑って手を合わせて」
先輩は何かのあれか?でもそんな様子は今まで見た事が無かったが。
とりあえず俺は、先輩の言う通りに目を瞑り、手を合わせた。
その時に俺の手に先輩の手が被さり、俺の唇に柔らかい感触がした…………
これは?まさか…………
俺はすぐに目を開けると目の前に先輩の顔があり…………
先輩の唇と俺の唇が重なっていた。
俺は一瞬何も考えられなかったが、また目を閉じて先輩とのこの時を一秒でも長く感じていたかった…………