日本のWeb小説界は、実は中国に比べたら競争自体はそこまで激しくない方だと思う。最初、「なんでこんなに競争が緩いのに、Xの作家たちはみんなあんなに病んでるんだろう?」って不思議だった。でも、よく調べてみて納得した。市場そのものが小さすぎるんだ。日本の小説はアニメや漫画に過度に依存している。
一方で、中国の市場では、漫画はむしろ斜陽産業。小説がコンテンツの核であり、漫画を引っ張っている状態。版権ビジネスの中心は「映像化(ドラマ・映画化)」で、これが一発当たれば、人生が変わるほどの収益になることもある。
でも、日本の作家は売れるかどうかが「漫画化やアニメ化がうまく動くか」にかかっていて、結局、自分の運命を他人に握られているようなものなんだ。
ただ、中国の競争は日本とは完全に次元が違う。私がこっち(日本のプラットフォーム)に来て最初にやったのは、いろんなキーワードが小説にどう影響するかテストしたり、おすすめの仕組みを調べたり、ランキングの法則を研究することだった。でも驚いたことに、日本の作家たちはネット歴が長くても、こういう「アルゴリズムやおすすめの仕組み」をほとんど研究していない。
実は、日本のプラットフォームは他国のものに比べて、仕組みとしてはかなり公平。他国は競争が激しすぎて、一部のアカウントがトラフィック(アクセス数)を総取りしてしまうから。読者は読みたい作家にたどり着けないし、作家も読者に届かない。その点、このプラットフォームはまだマシな方だと思う。
だけど、アクティブユーザーの熱量は、私が今まで見てきたプラットフォームの中で圧倒的に低い。ほとんど交流がないんだ。海外の多くのプラットフォームでは、みんなSNS感覚で気軽にノンストレスでコメントを残していく。でも、ここの作家はまるで「オフラインの単人ゲーム」をやっているみたい。作家たちが病んでしまう原因の一つは、この孤独感にあると思う。
中国では、作家が自分自身に投資する。自力でトラフィックを集めたり、話題を作ったり、とにかくあの手この手で盛り上げる人がすごく多い。
ロジックが完全に逆なんだよね。
中国のモードは「まず人を集める ➔ どうやって定着させるかを研究する」。
日本のモードは「どうやって定着させるかを研究する ➔ でも人が来なくて病む」。
だけど本質を言えば、集客ってプラットフォーム側の責任だよね。もっと多くの人を呼び込み、定着させるための解決策を見つけるのは、本来プラットフォームがやるべき仕事のはずなんだけどな。
生存戦略に対するスタンスも、国によって完全に違うよね。
中国のインターネット界隈では、もう数年前から「AIやショート動画プラットフォームの台頭という荒波の中で、ネット作家がいかにして収入を確保し続けるか」っていう研究が始まっていた。
それに比べて、日本でのこの手の議論はすごくバラバラで締まりがない。自分がまさに大打撃を受けている真っ最中だと分かっているはずなのに、「まあ、とりあえず一眠りしてから考えよう」って後回しにしているような、そんな空気感があるんだよね。
それに、こういう発信をしたら『あ、これ議論したいな』って食いつく人がいるのは分かっているんだけど、それでも結局みんなあえて議論しない道を選ぶんだよね。本当に不思議で面白い現象だと思う。
作家って、そんなにお金の話を堂々とするのが嫌なのかな?
でも、作家が稼げなくなったら、業界全体が危機に瀕するってことじゃん。本来なら、どうすれば自分がもっと稼げて、出版社も儲かって、印刷所も潤うのかをしっかり議論すべきだし、その方がみんな幸せになれるはず。
『お金の話をしたら読者に引かれるかも』って怯えるの、流石に過剰に恐れすぎだと思う。読者だって、自分の好きな作家が生活困窮して活動停止になったら、何一ついいことないのにね。
しかも、最初は日本の出版規模がよく分かってなくて、3〜5万部くらい発行されるのが普通だと思ってたんだよね。 でも実際は、数千部レベルがザラだって知って本当に驚いた。
それなのに、その現実について公の場で語る人は意外なほど少なくて、お互いに数字を明かす文化もほとんどない。
本当に……なんというか、みんな驚くほど我慢強いんだなって思った。