私には不労所得があったからこそ、何の気兼ねもなく1年で100万字もの小説を書き上げることができた。でも、「自分も同じようにやっていいですか?」と相談に来る若い子たちには、決まって「絶対にやめておけ」と止めている。大抵の人は小説を書く才能を持っている。書き上げられないのは、貧しさが限界に達したときに心が折れてしまうからだ。「金の問題じゃない、うつ病のせいだ」なんて綺麗事で言いくるめようとする人間もいるが、あんなものは嘘だ。すべては金の問題だ。本当に書きたい人間なら、たとえ今日飛び降り自殺するとしても、その直前に1ページ書き残すはずだ。まずは何としてでも毎日の飯を食える手段を確保すること。執筆の自由は、その先にはじめて手に入るものだ。