父の失踪により、卒業旅行を切り上げた郁弥は、深夜バスで早朝の秋葉原に到着する。郁弥を待っていたのは、メイド服を着た亡き母にそっくりな七海さよりだった。七海を見た郁弥はうっかり「かっ、かぁさん・・・」と声を出す。
「何を寝ぼけているの、郁弥くん。それよりも急いで」
郁弥と七海は郁弥の実家、ソーシャルアパートの『昌平ヒルズ』に向かって駆け出していく。郁弥と同じ深夜バスに乗っていた望月ゆとりは、それを見て追いかけるが途中で見失ってしまう。望月は思わず叫んでしまう。
「なんで、なんであの人がここにいるの・・・」
一方の郁弥たちは、『昌平ヒルズ』に着くが、退居希望者が行列を作っていて、後を絶たない。父の失踪によりオーナーとなった郁弥は、必死に止めようとするが失敗に終わる。途方にくれている暇もなく伝票の整理や幽霊騒動の解決をしていた郁弥は、父陽一が残した手紙を発見する。
ー困ったら、この人を頼りなさいー
郁弥は手紙に同封されていた名刺を頼りに、レインボープロダクション(Rプロ)の社長を務めるおじの太陽を訪ねる。Rプロの社員の狩野和子に助けられた郁弥は、おじに会い、
「郁弥、明日の朝、9時にUTファーレに来い。仕事をやる、稼げ」
と言われる。どうやらおじは、郁弥をアイドルのプロデューサーに仕立てたいのだ。従兄弟の陽介一味の権謀術数が待ち受けるとも知らず、郁弥は『昌平ヒルズ』の住人、井原心愛を助っ人にオーディション会場に乗り込む。
「わたくし、松田郁弥からの指名は、48・78・99の3人。・・・
郁弥はアイドルユニットのメンバーとして、道中に出会った月島晴海、ダンスが光る毛利凛、それに無能と罵られた美少女の北條由依の計3人を獲得。更に大胆な行動に出る。
・・・そして、21・22の2人の計5人です」
21番と22番はオーディションを欠席していたが、3年前まで子役として名を馳せた大物だった。大手プロダクションの社長も直々に彼女たちの獲得を狙っていると言う噂もあり他の審査員たちは獲得に二の足を踏む。
「カッカッカ、やめておけ。2人ともお前の手に負えるような玉ではない」
そう言う陽介を尻目に、獲得権を得た郁弥だが、『昌平ヒルズ』の負債総額は1億2000万円であることを知り、『昌平ヒルズ』の売却を検討していることを秋葉原信用金庫の担当、長田に打ち明ける。
「そんなの絶対ダメ〜、やっと見つけたんだから!」
突然、叫びだしたのは、深夜バスで同乗したあの美少女、21番の望月だった。『昌平ヒルズ』を手放すよりも、アイドルのプロデューサーをやめるように長田が勧めると、今度は望月の連れの渡辺が、
「そんなの、あかんやん。うちが困るやん」
と叫び、結局は郁弥の決断が明かされないまま話は持ち越しとなる。次の日の朝には、駐車場幽霊騒動の張本人、太田可憐が突然『昌平ヒルズ』への入居とアイドルユニットへの参加を宣言!
「ですから、ここの住人になれば、不法侵入にはならないでしょう」
こうして、合計6名でアイドルユニットが結成される。ユニット名も『ひとつ屋根の下』と決まり、レッスンがスタートする!