101:名無しの魔族
じゃあ財布の話で心が荒んできたところで、次は胃袋の話をしようぜ。
102:名無しの魔族
来たな、グーラ。
103:名無しの魔族
飯 テ ロ の 時 間 だ。
104:名無しの魔族
深夜にこの流れはまずい。
105:名無しの魔族
グーラについて語るなら、まず言っておくべきことがある。
あそこは食の街だ。
いや、そんなことは名前と噂だけで知ってると思うだろ
実際に行くと、想像していた三倍くらい食の街なんだよ。
まず門をくぐった瞬間から匂いがする。
焼いた肉の匂い、甘い菓子の匂い、香辛料の匂い、煮込み料理の湯気、魚を炙った煙、何かよく分からないけど絶対うまいものを作ってる匂い。
それが全部混ざってるのに、不思議と嫌じゃない。
普通なら匂いが強すぎて「うっ」ってなるはずなのに、グーラではならない。
むしろ腹が減る。本当に減る。
俺、朝飯食ってから行ったんだよ。
それなのに門入って十分で屋台の前に立ってた。
負けた。
106:名無しの魔族
早い。
107:名無しの魔族
十分快速敗北。
108:名無しの魔族
グーラで腹減らない奴いるの?
109:名無しの魔族
いない。
110:名無しの魔族
たぶん胃袋が別の世界に置いてきた奴くらい。
111:名無しの魔族
グーラでまず行くべきなのは【暴食市場】。
名前が直球すぎるけど実際そのままで、市場というより食べ物の迷宮。
右を見ても飯、左を見ても飯。
上を見ても吊るされた肉、下を見ても床に並んだ香辛料。
前に進もうとすると屋台、横に避けると別の屋台。
逃げ場がない。
112:名無しの魔族
おすすめは【地獄鳥の黒蜜焼き】。
皮がパリッとしていて、中の肉がジューシーで柔らかい。黒蜜って言うから甘すぎるかと思ったけど、香辛料と合わせてあるからしつこくない。むしろ密のお陰で肉がしっとりとした触感になって余計うまい。
あと【深海魔魚の血塩炙り】。
名前はだいぶアレだけど、塩気と脂が強くて酒に合う。
俺は昼だったから飲まなかったけど、隣のヴァイルドワーフが一口食べて無言で酒を追加してたから多分正解。
113:名無しの魔族
うまそう。
114:名無しの魔族
深夜にやめろよぉ!!
115:名無しの魔族
腹がめちゃくちゃ減ってきた。
116:名無しの魔族
グーラは酒も強い。
俺が好きなのは【胃袋亭】。
名前でふざけてるのかと思ったら、店主が真顔で「胃袋は命の器だ」とか言い出して、ちょっと納得しそうになった。
名物は【七層肉鍋】。
肉が七種類入ってて、何の肉か聞いたら店員が笑顔で「聞かない方が美味しいですよ」って言った。
怖かった。
117:名無しの魔族
聞かない方が美味しいはガチでホラーじゃん。
118:名無しの魔族
魔族領の飯屋あるある。
119:名無しの魔族
素材を聞くな。
味を信じろ。
120:名無しの魔族
グーラの良いところはただ大食いとか量が多いだけじゃないところなんだよな。
量は多いし大盛りは普通に危険だぜ?でもそれだけじゃなくて料理の幅が広い。
庶民向けの屋台もあれば、高級店もある。
甘味処もあるし、保存食専門店もある。
しかも料理人NPCの研究熱心さがすごい。
【赤鍋婆の煮込み小屋】って店があるんだけど、そこの婆さんNPCがめちゃくちゃ怖い。見た目も声も怖い。
なのに料理の説明だけやたら丁寧なんだよ。
「この魔牛の筋は三日煮込まねばならぬ。急げば肉が死ぬ」
って言われて、俺は肉にも死があるんだなって思った。
121:名無しの魔族
肉が死ぬ、とは?
122:名無しの魔族
深いようで何も分からん。
123:名無しの魔族
でも多分正しい。
124:名無しの魔族
甘味なら【黒蜜角菓子屋】。
ここは女子プレイヤーが多かった。
あと見た目が可愛い装備の男プレイヤーも多かった。
別に悪い意味じゃない。グーラの甘味は普通に映える。
おすすめは【悪魔牛乳プリン】。
悪魔牛乳って何だよと思うだろ?
俺も思った。でもミルク味が濃厚でまさに悪魔的にコクうま。あとプリンの上に黒いカラメルみたいなソースがかかってて、それが結構苦いんだけどミルクの甘味に合う。
プリンは結構甘めなんだけど、カラメルソースの苦さで調和されて全然胃もたれせずにスッキリ食べれる。
いや、スッキリって言っても後味は残るし逆にその後味が上手いんだけど。
あとこのプリンは【夜葡萄の生絞りジュース】と一緒に飲むと良いぜ。
葡萄の酸味とスッキリした甘みが口に残るカラメルソースの苦みを打ち消してくれるんだよな。葡萄ジュースはほろ酔いになれる奴と、未成年用のアルコール無しの奴があるから好きに選べる。
ほろ酔いの方はガチで気持ちいいぜ?
125:名無しの魔族
≫
長文飯テロやめい。
126:名無しの魔族
やめないで。
127:名無しの魔族
どっちだよ。
128:名無しの魔族
グーラは治安どうなん?
129:名無しの魔族
良くはない。
でもアヴァリティアみたいな契約事故系ではなく、単純に欲望が多い街って感じ。
食べ物の奪い合いとか、屋台同士の客引きとか、酔っ払いの喧嘩とかはある。
ただ、飯に対して真面目なNPCが多いから、料理に毒入れるとか腐ったもの売るとか、そういうのはかなり嫌われるっぽい。
一回、粗悪な魔物肉を売った商人とか、食べ物を粗末に扱った魔族は市場から追い出されてた。
130:名無しの魔族
食に対する倫理はあるんだな。
131:名無しの魔族
むしろそこだけ異様に厳しい。
132:名無しの魔族
飯で不義理する奴は許されない街。
133:名無しの魔族
結構ガチで好きかも。
134:名無しの魔族
グーラ初心者への忠告。
空腹で行け。
金を持って行け。
荷物枠を空けて行け。
保存食を買いすぎるな。
試食を甘く見るな。
「一口だけ」は罠。
大盛りは挑戦状。
そして、食べ歩き中にメインクエストを進めようとするな。
無理だから。俺は無理だった。
134:名無しの魔族
最後が実感こもってて草。
135:名無しの魔族
グーラ行く時点で攻略捨てろ。
136:名無しの魔族
それはそう。
137:名無しの魔族
次、王都バビロン行く?
138:名無しの魔族
待て、ルクスリアとグーラの間に挟まれたせいで胃袋と財布が両方死んでるんだが。
139:名無しの魔族
バビロンは全部死ぬぞ。
140:名無しの魔族
やめろ。
141:名無しの魔族
王都バビロンについて語る。
まずでかい。
「王都だし大きいんだろうな」くらいの感覚で行くと失敗する。あそこは街というより、複数の街を無理やり一つの城壁の中に詰め込んだ巨大構造物。
地図を見ても分からないし、歩いても分からない。
人に聞いても、聞いた相手が別区画の住民だと分からない。
俺は初日に三回迷った。
しかも三回とも別方向に迷った。
一回目は商業区から劇場区。
二回目は劇場区から貴族街の外縁。
三回目は何故か地下水路の入口にいた。
な ん で?
142:名無しの魔族
王都あるあるだね。
143:名無しの魔族
地図見ても迷う。
144:名無しの魔族
地図がでかすぎて地図の中で迷う。
145:名無しの魔族
バビロンは区画ごとの差がすごいんだよ。
まず【千王広場】。
王都の中心部に近い大広場。NPCもプレイヤーも多い。
大道芸人もいるし、商人もいるし、怪しい占い師もいるし、その場で依頼を出してくるNPCもいる。
そこから北へ行くと【魔王路商店街】。
高級店が多い。武器、防具、装飾品、魔道具、書物、全部揃う。
ただし目が飛び出るほど高いし、一見さんお断りで紹介状がないと入れないのが大半。入れたのは幸運なことに紹介状を手に入れられたごく少数のみ。
紹介状を手に入れた奴がここの店のアイテムを匿名で高値で転売したりしてるので、買わないように注意。
転売も一般向けに開いている店も、両方とも財布が死ぬから買うのは非推奨。
146:名無しの魔族
また財布死んでる。
147:名無しの魔族
財布に厳しすぎる。
148:名無しの魔族
バビロンは【奈落図書大魔堂】がヤバい。
本好き、設定厨、魔術研究勢、歴史勢は行け。
そして帰ってこい。帰ってこられるならな!!
あそこは図書館というより、知識の塔。
天井が高い。
本棚が高い。
蔵書量が高い。
要求される知識も高い。
閲覧許可が階層制になっていて、一般人とかプレイヤーは低層しか見られない。
でも低層だけでも十分ヤバくて、魔族史・王国史・人族、亜人との戦争史・魔物生態・都市行政・魔術基礎、全部ある。
あと司書NPCが怖い。
騒いだプレイヤーが一瞬で沈黙させられてた。視線で。
149:名無しの魔族
視線で沈黙は草。
150:名無しの魔族
いや分かる。
あそこの司書は圧がヤバい。
151:名無しの魔族
劇場なら【黒天蓋劇場】。
ここは観光勢におすすめ。魔族の演劇が見られる。
俺は「紅き王冠の悲劇」って演目を見たんだけど、普通に面白かった。
途中で魔族貴族の裏切りと復讐が出てきて、客席のNPCがめちゃくちゃ盛り上がってた。
プレイヤーも盛り上がってた。
あと役者NPCの演技がうまい。
DHOのNPC、演技までできるのかよってなった。
152:名無しの魔族
NPCの出来が良すぎるんだよ。
153:名無しの魔族
たまに中身いるんじゃねぇかと思う。
154:名無しの魔族
それは言わない約束。
155:名無しの魔族
バビロンで飯なら【王冠喰らい】。
名前が不穏だけど飯は美味いよ。めちゃくちゃ高いけど。
というか高級レストランだし金持ちのNPCと仲良くなって奢ってもらうか、上位の攻略組とか生産職じゃないと食べれないよ。
名物は【黒竜尾の赤葡萄煮】と【地獄香草の白身魚包み】。
どっちも高いけど美味い。特別な日に行くのが良いかも。
普通に現実の三ツ星料理とか超えてるから、たぶん人間の味覚とかを脳波で弄って旨味をより感じられるようにしてるんだと思う。
普段使いなら【三角角亭】かな。
安いし量もある。王都の割には良心的。
店員NPCが早口だけど仕事が速い。
156:名無しの魔族
王冠喰らい行った奴いるのか。
157:名無しの魔族
金持ちじゃん。
普通に三角角亭も高いんですが…。
158:名無しの魔族
≫156
一回だけだよ。
二回目は無理。自費で行ったし。
159:名無しの魔族
バビロンの宿はどう?
160:名無しの魔族
ピンキリ。
安宿は安いけど場所が悪い。高級宿は高いけどすごい。
そういう感じで中間を探すのが難しい。
俺のおすすめは【黒梟旅館】。
劇場区と商業区の間くらいにあって、値段は中の上。
部屋は清潔で飯もそこそこ。何より立地が良い。
逆に【笑う棺桶亭】はやめとけ。
名前で分かるだろ。やめとけ。
161:名無しの魔族
笑う棺桶亭泊まったわ。
162:名無しの魔族
勇者か?
163:名無しの魔族
ベッドが棺桶型だった。
寝心地は良かったけど、精神に悪かった。
164:名無しの魔族
良かったのかよ。
165:名無しの魔族
俺がダンピールだったからかもしれないけど。
166:名無しの魔族
≫165
絶対それじゃん。
俺も止まったことあるけど普通に寝心地最悪だったぞ。
167:名無しの魔族
バビロンは観光するなら目的を決めた方がいい。
「全部見る」は無理。
初回なら千王広場、魔王路商店街、黒天蓋劇場、奈落図書大魔堂
この四つだけでいい。
余力があれば王城外縁もいれるといい。でも王城周辺は警備が強い。
変なことはマジでするな。
168:名無しの魔族
変なことした奴いるの?
169:名無しの魔族
城門前で決闘申し込んだプレイヤーがいた。
170:名無しの魔族
馬鹿かな?
171:名無しの魔族
衛兵に連れていかれた。
172:名無しの魔族
そりゃそうだ。
173:名無しの魔族
ここまでの都市まとめるとこんな感じか?
ヘル
安定、初心者向け、住みやすい、飯も宿も標準以上。
スペルビア
実力主義、鍛冶、訓練、強者と職人の街。
インヴィディア
競争、情報、商人、書物、住みたくはない。
イラ
熱量、人情、酒場、闘技場、感情がでかい。
アケディア
治安最強、宿最高、癒し、休むならここ。
アヴァリティア
技術最強、財布死亡、契約書読め、でも面白い。
ルクスリア
美容、見た目装備、装飾、偏見で語るな。
グーラ
飯、胃袋、飯、胃袋、飯。
バビロン
全部ある、全部高い、全部迷う。
174:名無しの魔族
グーラだけ雑。
175:名無しの魔族
でも正しい。
176:名無しの魔族
バビロンも雑だけど正しい。
177:名無しの魔族
初心者におすすめルート作るならどうする?
178:名無しの魔族
ヘルで基礎を整える。
スペルビアで装備見る。
アケディアで休む。
グーラで飯食う。
余裕が出たらバビロン。
179:名無しの魔族
アヴァリティアは?
180:名無しの魔族
財布に余裕ができてから。
181:名無しの魔族
ルクスリアは?
182:名無しの魔族
見た目にこだわり始めたら。
183:名無しの魔族
インヴィディアは?
184:名無しの魔族
知識と情報が欲しくなったら。
185:名無しの魔族
イラは?
186:名無しの魔族
元気が欲しくなったら。
187:名無しの魔族
なんか良いまとめで草。
188:名無しの魔族
DHOって攻略も楽しいけど、街歩きが普通に楽しいんだよな。
特に魔族領は、都市ごとの特色がかなり強い。でも住民全員が同じ性格ってわけじゃないのが良い。
スペルビアにも穏やかなNPCはいるし、アケディアにも妙に鋭い商人はいる。
イラにも寡黙な職人はいるし、アヴァリティアにもちゃんと善良な技術者はいる。
都市の空気はあるけど、この辺の作り込みが良い。
189:名無しの魔族
急に良いこと言うな。
190:名無しの魔族
分かる。
191:名無しの魔族
都市名が七大罪由来だから最初は分かりやすい属性都市だと思ってたけど、実際はもっと複雑なんだよな。
スペルビアは傲慢だけど、誇りと向上心の街。
インヴィディアは嫉妬だけど、競争と切磋琢磨の街。
イラは怒りだけど、熱量と感情の街。
アケディアは怠惰だけど、休息と安定の街。
アヴァリティアは強欲だけど、技術と発展の街。
グーラは暴食だけど、食文化と歓待の街。
ルクスリアは色欲だけど、美と表現の街。
こう書くと普通に良い国に見える。
192:名無しの魔族
実際、魔族側から見たら良い国なんだろうな。
193:名無しの魔族
人族からどう見えるかは知らん。
194:名無しの魔族
魔族だからな。
195:名無しの魔族
とりあえず次スレでは各都市のヤバいNPCまとめも欲しい。
196:名無しの魔族
アヴァリティアだけで埋まるぞ。
197:名無しの魔族
ルクスリアの美容師NPCもなかなか。
198:名無しの魔族
グーラの料理人も濃い。
199:名無しの魔族
結論、魔族領は濃い。
200:名無しの魔族
知 っ て た。