質問(?)を頂いたのでこちらに。
補足といいますか、解説といいますか。
「母の作ってくれた最後のお弁当は口の中に入る前に雨に流された」
直接的に描写をしていないため、分かりにくいですね。少し整理をしていきます。
主人公の女の子の母親は七年前に亡くなっています。その時間は六時十二分。事故死でした。この辺は読み取れるようなことでしょうか。
彼女は当時高校生。部活の朝練、もしくは試合でその日は家をいつもより早く出たのでしょう。お弁当を持ち忘れた彼女に届ける為に追いかけた母は不運なことに、帰らぬ人となってしまいます。事故現場に駆けつけた彼女が見たのは、サンドイッチの具材がバラバラに散らばった鮮やかなものでした。(事故現場が鮮やかであったという表現が適切なものか悩んだために敢えて細かく書くことはしなかったのですが)
事故現場保存のため、彼女はそのサンドイッチを拾うことすら許されなかった。現場に入ることが出来るようになったあと、雨で全てが流されていました。母がここにいたという形跡も無くなってしまったようで、彼女はとても悲しくなったはずです。自分のために作ってくれた母のお弁当を食べることが出来なかったという気持ちを抱えながら、七年が過ぎます。きっと、彼女は後悔をしているのです。「あの日、私がお弁当を忘れなければ」「いつもと同じ時間に家を出ていれば」それから彼女はいくつかの【あの日】を避けて生活しています。あの日、食べることの叶わなかったサンドイッチを残して。
答えになっているでしょうか。
彼女を邪魔するものが無ければ、きっと口の中をじゃりじゃりさせていたはずです。現場に向かうことが出来た日は雨が降っていた。
説明が下手ですが、こんな感じです。