あとがきを入れ忘れたまま完結させてしまったので、近況ノートの方で書かせていただきます。
以下エピローグまで未読の方はネタバレ注意
今作はファンタジー世界における本格ミステリをテーマに書き上げたものです。
現実ではありえないトリック(体の大きさを変える薬を使い密室に侵入する)を一定のルールのあるアイテムとして落とし込むのは、難しいようでやってみると案外すんなりとできあがりました。
自分で子細なルールを作り、物語の進行に合うように調整することができるのですから、当然と言えば当然ですが……
この作品は様々な視点で話が進みます。
導入部のありすパート、捜査・推理部分の六助パート、解決編ではリリーの視点で進行し、またジャックとタルトが主役の章もあります。
本来であれば視点をコロコロと変えるのは読み手にとっては感情移入がしにくくなってしまうため、避けなくてはいけません。
ただ、この作品のオチであり、肝となる「架空の存在に明日はあるか」という問いかけを際立たせるためには、複数の「自我ある存在」を描く必要があるため、このような構成になりました。
メタ的なオチが苦手、もしくは読みにくいな、と感じた方がいらっしゃったら、申し訳ないです。