小山雪哉

平吾は野良仕事の帰りに、山道で尋常ではない音を聞き付ける。村へ連れ帰ってしまったらと戦慄する矢先、それは平吾の前に姿を現す。

小学校教員の柴田は、クラスに葦原青太郎という転校生を迎える。奇妙なことに青太郎は業間や昼休みには必ず教室を抜け出した。徹底的に人との接触を避ける彼を心配する柴田は、ある日、青太郎…

弟の失踪に居ても立ってもいられなくなった兄の英司は、深夜、弟が向かったと思われる路地へ向かう。腐臭のはびこる側溝、妖しげな叫び声。英司は路地の暗がりの先へと歩いていく。

大人になっても理解できない、幼少期の不可思議な体験は恐ろしい。少年時代の奇怪な経験を描いた短編集です。 座っているだけでお金が貰えるという噂を聞き、美大生のアトリエへ向かった少…

瑛介は気が滅入ると北山へ登る。辺鄙な村に嫌気がさした瑛介は、ある日、北山の中腹で、子供の叫び声を聞く。助けを求める声を追って山奥へ進むと、そこには時代遅れの格好をした家族が遭難し…

クリスマスの夜、大学からの帰路、拓士はふと駅前デッキに足を運ぶ。クリスマスは独りでいる方が安心する――そう言い残して去った友人を思い出す中、流れてきた懐かしいギターのメロディに、…

結衣子は毎月、友人の佐和が出店しているフリーマーケットに訪れる。ある日、佐和の隣に新しい店が出ていることに気付く。怪しげな編みぐるみを買ってしまった結衣子の周囲で異変が起き始め……

高校一年の四月、菜月、凛、心春の三人は、幼馴染の穂乃果から鏡を使った呪いの噂を聞く。菜月は半信半疑だったが、翌日、凜が体調不良で欠席し……。

部活帰りの路地で、明日香は不可思議な音を聞く。少しずつ崩れていくブロック塀に精神を蝕まれながらも、正体を探ろうとする。

ある朝小林は、池の前に三橋という生徒が佇んでいるのを見つける。寮の同室になって半年、噂通り彼は一切言葉を発さないでいた。その神秘性に小林は興味を抱く。しかし三橋を中心に不穏な事件…