殲滅公爵と恐れられた夫が、私の限界オタクだった件 - カクヨム https://kakuyomu.jp/works/2912051606490364083
↑の作品、完結ブースト発生しました(歓喜)。
読んでくださった方々ありがとうございます!!
カクヨムでの完結ブーストは初めて。正直、カクヨムでは発生しないものだと思ってました(笑)。
さて、タイトルのカクヨムコン。
当方、カクヨムコン未経験なんですが、なんかお祭りみたいで楽しいと聞きます。
次は、巻き込まれ異世界召喚✕ご飯✕溺愛なんかを書いてみようかと計画中。
殲滅公爵で学んだので、完結させてから投稿予定です。
以下、冒頭案。
……いつも冒頭のエピソードどう配置するか迷います。料理描写も要研究ですね(・_・;)
青空が広がる世界。野外に設置した簡易調理場で、私は忙しく立ち回っていた。
ジュー、ジュー!
フライパンから響く肉の脂が溶けて焼ける音。
グツグツグツ……。
三十リットルの寸胴鍋で仕込んだ具沢山の豚汁。私はじゃがいもを入れるのが好きだけど、ポテトサラダも作るから今回はなし。豚肉、大根、にんじん、長ネギ、しいたけ、しめじ。それから木綿豆腐。この|世界《・・》は地球で手に入る食材も多いから助かる。
それにきのこ類は森で手に入る。私に鑑定《食材限定》があって本当によかった。毒きのこに当たらずに済むし、なによりいくら採ってもタダなのだ。
先に茹でてあったじゃがいもは粗めに潰して、ゆで卵ときゅうり、にんじん、玉ねぎを混ぜる。マヨネーズは全卵で作った。
「絵麻さぁん! 今日のご飯は何——?」
この世界では聖女だけが身につけられるという特別な法衣を着た|梨里《りり》ちゃんが浄化作業から戻ってきた。
「エマ、肉」
この国最強の騎士と謳われるレックスは、青い宝石みたいな瞳をフライパンへ集中させている。とてもイケメンさんなのに、ひとたび行動すると犬みたいになる人だ。
「今日は生姜焼き定食! お肉も野菜もいっぱいあるよ!」
お肉に火が入りきる手前のタイミングで合わせてあったタレをフライパンに投入する。
ジュワワワ——!!
途端にしょうゆの香ばしい匂いが立ちこめた。レックスがゴクリとツバを飲み込むのがわかった。
「エマ、早く」
レックスが私の腰のあたりに腕を回して、さらには首筋に鼻先を押しつけてくる。甘えるしぐさは本当に大型犬みたいだ。
けれど、今は調理中。
私は彼の顔を仰ぎ、キッと睨みつけた。
「私が火を使ってるときは?!」
「邪魔しない!」
私の言葉に、梨里ちゃんが元気にコール&レスポンスし、レックスはチッと私の頭の上で舌打ちをした。
「レックスがお腹いっぱいになるために、お肉も野菜も美味しく調理したいの。わかるよね?」
「……わかった」
私が青筋を立ててにこやかに微笑むと、レックスはしぶしぶと言った様子で離れた。
そのタイミングで梨里ちゃんがお皿を持ってくる。一番最初に持ってきたのはレックス用の丼。一人で五人分も食べる彼の器はとても大きい。
「絵麻さん、あとは何をお手伝いする?」
「じゃあ、まずご飯をよそってもらおうかな?」
「はぁい」
梨里ちゃんは何も言わなくてもお手伝いしてくれる。ひと仕事終えた直後で逆に申し訳ないくらいだ。
「エマ、俺も」
「や、レックスは昨日、お肉独り占めしようとしたからいらないです」
私が断ると、見えないはずの犬耳がしょぼんと垂れた気がして、お肉の切れ端を口に放り込んであげた。
「美味い」
無事に耳は立ったようだ。
遠くからイスト隊の皆さんの声がする。さあ、急いで配膳しなければ。
三ヶ月前はまさか異世界で料理人として働くとは思ってなかった。
人生とはわからないものだ。