憤りと執着の話でした。
語り手にとって「月」は、優しい顔をしているのに残酷です。
「彼」と少し似ています。似たような性質かもしれません。
光は美しい。月自身は光源ではない。それなのに人を惑わせるだけの力を持っている。
「光を落とすな」
「その光で、人を誘うな」
語り手が怒りたかったのは、悔しかったのは、月に対してであり、「彼」に対してであり、そして何よりも、自分自身に対してです。
数年、あるいは数ヶ月前の己の幼さと、どうしようもなさと、やるせなさに。
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この二人は「生きる方向」が最後まで一致しなかったんでしょうね。