また新しく立ち上げて申し訳ないのですが、私の作家・読者として感想について思うところがあり、筆を取りました。
現在、器用貧乏についてスキルにハズレ臭がしないというご意見をいただきまして、何度かやり取りをしています。
その方の言っていることは間違っていないのですが、こと今回の件については色々ありまして、発端は
昔のたった一人ハズレだと言ったことを鵜呑みにする家族もどうなんでしょう?
なんでもそつなくこなせるスキルって普通に優秀と思わないのかな?
その分野で一番じゃないと意味がないとか人格を疑うレベルです。
という部分です。
これについて、
私はこれについて『自分の意見の押し付け』と返しましたが、説明が足りないためこういう意見が出てきても仕方がないという意見をいただきました。なぜそう言ったのかを説明します。
まず、『昔のたった一人ハズレだと言ったことを鵜呑みにする家族もどうなんでしょう? なんでもそつなくこなせるスキルって普通に優秀と思わないのかな?』
というのはあくまでも感想を書いた方の思っていることであって、全員がそう思うとは言えない点。
私は『器用貧乏』というものが『なんでもできる』けど『言われたことをやるだけだよね』『なんでもできるけど、重要なところは任せられない』と言ったことを思い浮かべたり、なんなら言われたことがあります。
この時点で感想者と私の間で差異が発生しています。
劇中でもレガーロに器用貧乏の説明も受け、昔の人がハズレだと言った、という部分も明示しています。
もし皆が万能と思っているなら、失笑は受けないだろうし、父親も口を噤まないでしょう。一部万能だと思っている人もいるかもしれません。
ラース自身、前世で色々やっても親に役立たずと言われていたので、反論しなかったという心理もあります。
こういうのを書いて欲しい、という意味合いで、次にバトンが渡った方が思っていたのでしょうが、それ以前に、
「あなたがそう思っていても、他の人は違うかもしれない」というのを考えていないでコメントしているのが嫌なんです。
その方も
まともに使えないようなたくさんのハズレスキルがある中で、ある程度人並み以上に出来る器用貧乏は十分有用なスキルに感じなくもないし、周りがハズレだと断じてしまうのに違和感を感じるのは一理あるのかなと。
こう書かれていましたが、一理はありますよもちろん。でも私も言わせてもらうと、「みんながハズレだってそう言っているのに、なんでハズレだと思えないの?」と言いたいです。第三者視点だから言える意見ですよね、というのはそういうことです。
よく考えれば有用だと気づくでしょう? と、言いますが、過去に一回持っていた人がいただけなので、目の当たりにした人はいません。
これは人並み以上にできると思っている人に聞きたいのですが、人間誰しも自分のやっていることは人並みにできていると思いませんか?(←こう書くと押し付けになります。そう思わない人もいるでしょう?)
でも、「どうなんでしょう?」と、「自分の考えとは違う」ということが見え隠れする書き方なので問題ありと判断しました。
これは聞き方の問題なので意図していないと思います。それに後の方は擁護してあげようという気遣いが感じられます。
あなたが「そう思っていても」「劇中では違う」んだという認識を持って欲しいということです。
読者が、万能だし器用貧乏って意外とマシじゃないか? と思う人は多いと思います。
ですが、人間の恐ろしさは流されてしまうことにあるんです。
例えば同じ性能のスマホが二つあったとして、有名人が片方を愛用していたらそっちに流れる可能性が高い、みたいな感じですね。
器用貧乏に至って考えてほしいのは「なぜその一人が言ったことで不遇扱いになったのか?」です。
・性格の悪い王様が家臣についた器用貧乏を馬鹿にし続けたから
・実は有能だとわかっているけど、スキルをもった息子が利用されないよう不遇だと言いふらした
・使いこなせず本当に役に立たなかった
こういう想像も面白いと思うのですがいかがでしょう。
作者が書いたことはある意味絶対ですが、答え合わせのような感じで考えを巡らせるのも一興かと。
作品の中で「あれ?」と思うこともあるでしょうし、私もよく問うことがあります。
でも、そういうとき「自分の中ではこうなんだけど、おかしくない?」というのは言わない方が良いと思います。人それぞれの考えがあるから、作中でそうしている理由は必ずあるはずなのです。
なので、ここはこういう意味ですか? くらいにとどめて、もし思っていることと違っても、「自分はこう思いますおかしいですよ」みたいなのは状況を判断して言って欲しいです。
例えば血は赤いのにみどり色の血が出るのはおかしい! みたいなのはグレーです。その作品では「そういうもの」なのかもしれません……
長々と書きましたが、その発言もう一回見直してみよう! という話ですね。