優しい世界を書くのが好きな小説家です。 ●著作リスト ・王都の外れの錬金術師~ハズレ職業だったので、のんびりお店経営します~(カドカワBOOKS様)1〜2巻好評発売中。 ・捨てられ聖女ですが、今さら戻れと言われてもお断りです! 〜婚約破棄されたので、魔王城でスローライフを満喫します〜(ベリーズファンタジー様)。 ・幼女無双 ~仲間に裏切られた召喚師、魔族の幼女になって【英霊召喚】で溺愛スローライフを送る(サーガフォレスト様)1巻発売中、続刊予定。 ・猫耳少女はスローライフを送りたい(原題)書籍化予定。 ファンタジー系、かわいい女の子達が活躍する話が好き。 人の優しさを主題とした温かい話を書きたいと思って日々創作中。 重度の猫好き。 チンチラゴールデン(ツンデレ)と元保護猫ちゃん(甘えっ子)のママです。 どうぞよろしくお願いいたします。
春は素晴らしい。 鼻孔をくすぐる沈丁花の香りに弾む君の笑顔を、桜が讃える。 夏が待ち遠しい。 僕の名を呼ぶ君の声に、蝉時雨も蚊帳の外へと消える。 秋が待ちきれない。茜色の空を眺める君は灯火のように儚く、美しい。 冬は 「お前、何気持ち悪い文章書いてんの?」 はんじょう!? え、どうして?いつの間に? 「いや、ここ楽屋だろ。台本読んでんのかと思ったら気持ち悪りぃ。春だの夏だの、お前引きこもってるから分かんねえだろ。」 はんじょう、それは文学に対する冒涜だよ。 「好きな子でも出来たのかよ。」 そ、それは。 「まぁいいや。ほら、リハーサルの時間だから行くぞ。」 楽屋から去る背中に言葉は出ず、溜め息と共に紙は丸めて窓から投げ捨てた。 春風に乗り紙屑は青空を舞う。 2人の恋の行方は、捨てられた紙屑はどこへ向かうのか。 おにやの本当の気持ちを唯一知る紙屑にもその行方は分からない。 冬は忘れない。はんじょう、君が産まれた季節だ。
よろしくお願いします