早稲田暴力会

自句自解は嫌いだけど、嫌いだからこそやってみたい！俳句誌『街』に一年間投句し、掲載された自身の俳句をひたすらに貶してその間の人生を振り返る自句自解風エッセイ。 ※第29回文学…

日本レガシー界の新星が体当たり取材で届ける人気連載！　今度の舞台は2020年東京オリンピックに合わせて建設された巨大アイスバス。灼熱地帯と化した東京で、人はいかなる願いをレガシー…

椅子デザイナーの柊には拾い癖がある。作った人の分身が捨てられてしまっているような気がするから。柊はある日若い男を拾う。名すら言わないふてぶてしい男を柊は「犬」と呼び、犬と柊の共同…

叙述の暴力は、作者と読者との不可避的な力関係によってというよりも、読まれることにおいて発生する。 読むことの暴力は、作者の死を明かすことで叙述の暴力を瓦解させるではなく、作者を殺…

何も言わずに済ませるために、あなたは会話をしている。あなたは自分以外の誰かへ向けて話しかけているつもりであったのに、いつの間にか自分自身の中へ沈み込んでいくだろう。会話が終わる。…

｢泣けば許されると思ってるの？｣ 泣くという不随意の行為を、許しを乞うためにすることが一体あるのだろうか。男はかけられた言葉の出所を、｢偽りの涙｣だと仮定した。男は｢偽りの涙｣の…

息子の学校に呼び出された。窓ガラスを割ったらしい。黙ったままの息子の背中を眺めながら、私は暴力的な獣を秘めた自身の背中を、そこに幻視する……。 小さな息子の父親として、自分の本性…

"ひとみは大真面目に言った。火星に歩いて行こうと思う。"主人公はその言葉に感化され、次第に今存在する場所は本当に居るべき場所なのか悩み始める。ここではないどこかに、きっと理想郷は…

"バランス。もう一匹犬を殺して、それで何の均衡がとれるのだろうか。" 飼い犬を殺された友達の話を聞いていたはずが、いつの間にか復讐をする成り行きになっていた。ゆるやかに不可避な…

虚偽か真実かを判別できるのなら、それは果たして万能にして反則の探偵といえるのだろうか。 他人の嘘を見抜ける少年を探偵役に据えて始まる学内ミステリー。 ※第27回文学フリマ東京、…

雑巾じゃないです生きているのです国道は昨夜の雨の跡だけ残して 大阪、西成。現地取材に基づき、町の景や人々の生活を詠んだ30首短歌連作。※第61回短歌研究新人賞最終選考通過作『それ…

"永遠の美って永遠の恥辱の真隣にあるの" ハセマツリカ、１２歳の時にポルノ同然の芸術写真を撮られた伝説のミューズ。彼女に囚われている彫刻家の美都。ミューズを追うことは彼女を凌辱…

"復讐は何も生まないというけれど、何かを生む必要なんて、どこにあるんだろう？" ーー中年女性二人が由比ヶ浜沿いのアトリエを、灯油を片手に駆け回る。真綿で首を絞められるような暴力…