椿 千

森の奥には魔女がいる。彼女に望めばどんな望みも叶えてくれる。ただしそれはあまいものと引き換えに、一度だけ。 強い望みがあるのなら、森へ向かえば彼女の元へ自然と導かれるだろう。 そ…

人は道端にあるものをどれほど認識しているのだろうか。例えば葉っぱ、例えば石ころ、例えば･･････。 毎日同じところにあるもの、すれ違う人、意識の外にあるものなんて、覚えていない…

その日、アルシェ公爵家の娘、ローズマリー令嬢は婚約者で王太子のベルフレッドに婚約破棄を言い渡された。理由はローズマリーがベルフレッドが親しくしていた令嬢をいじめていたからだとか。…

ふと周りを見渡せば見たことの無い景色に立っていた。ここはどこだ、俺は死んだのか？なんて考えていれば女性が現れた。「あ、異世界転生初めての方ですね」 ここは異世界に転生する前の世界…

元アラサーオタクの私が転生した先は、ファンタジー小説みたいな魔法がある世界でした。 ここは王道物語?!私はもしかして憧れのヒロイン?!お姫様?!なんて夢は、一瞬にして捨てました。…

朝、弟がいなくなったと父が騒ぎ出した。だけど私はカレンダーを見て気付いた。今日が何の日で、弟がどこに行ったのかを。 だから私は何も気付かないフリをして、いつも通り朝ごはんと弁当を…

「紹介したい人がいるんだ」 その言葉をいつかは父から聞くことになるとは思っていたから驚いてはいない。でも、まさかその相手が男だとはその時の私は全く思っていなかった。 小学生の時…