・役割
本作の主人公として小説のメインをはっている人物である
一人称小説のため、琥珀視点の話が9割以上を占めている
琥珀に与えられた役割は、主人公として物語を動かすこと。読み手が退屈にならないように展開を切り開いたり、腹の内で毒を吐きブラックな笑いを誘うのも仕事
夢という目的がハッキリしている人物であるし、それに向かっての努力や研鑽を怠らない描写を定期的に入れている。それが琥珀の“魂”となり作品に大きな影響を与えた
読み手の声の中にはVtuber小説を期待してこの作品を開いたというものもあった。その声は決して少なくないので、人気取りのためならば、琥珀に配信活動だけさせるのも戦略の1つとしては有りだったかもしれない
しかし、琥珀の夢への熱意を考えるとCGデザイナーとして活動しないのは不自然であると作者は判断した。Vtuberとしてしか活動しないのは、彼のキャラを殺すことと言っても差し支えないほどだ
結果、Vtuber小説なのにCGデザイナーとして活動することがメインになることになり、それが逆にこの小説の個性であり強みとなっていると作者は認識している。良くも悪くも琥珀の情熱が作品の根幹を作ったとも言える
ありがたいことに、この作品の影響でCG制作を始めたという声も頂いたし、CG制作している人にも受け入れられている面もあるので、他の作品では気軽に出せない味にはなっていると思う
作者が与えた役割以上に、読者から期待されているから後付けで追加された役割もある
それは本作のヒロインに昇格した師匠の相手役としての役割である
初期更生の段階では琥珀には恋愛をさせるつもりが一切なかった。それ故に、彼は恋愛方面に対する能力を一切振っていないし、その影響が本編に出ていた
人気投票1位の師匠の可愛さを最大限引き出せる存在として、読者サービスもこなせるようになってしまった
・名前の由来
名字の賀藤は、ガトーショコラから取り、賀藤に。本編では自分の名字が賀藤だったからガワにショコラと名付けたと解説していたが、メタ的視点で見れば逆である。先にガワにショコラと名付けたから主人公の名前を賀藤にしたのである
琥珀という名前は、宝石の琥珀から取っている。琥珀の石言葉の中に“創造”という言葉があり、クリエイターとして活動する主人公に与える名前としてはこれ以上ない言葉だと思った
・名前による影響
琥珀の年齢が16歳であることには、きちんとした理由がある
それは法律上、人名に使って良い漢字が定められていて、琥珀の2文字を昔は使うことができなかった
この2文字が解禁されたのは2004年の9月からである。本作が連載開始したのは2020年の12月であり、現実の時間軸と法律を照らし合わせると16歳を超えることができなかったのである
琥珀が大学生設定やフリーター設定も初期案の中にはあったけれど、そうした理由がありこの設定は不採用確定となった
高校でバイト禁止は聞くけれど大学で禁止は流石に無理があるので大学生設定ならバイト先の話もあったかもしれない
順調に稼げるようになってバイトを辞めるエピソードとかも挿入できたかもしれないけれど、相関図が余計にぐちゃぐちゃになりそうなので、現状の設定で良かったのかもしれない
・作者の総評
主人公としては申し分ないほどの活躍をしてくれていると思っている。もし、主人公が琥珀でなければここまでの人気は出なかったと思うし、この作品はここまで続かなかったはずである
彼の毒舌失礼ネタは人を選ぶものの、これを期待している読者もいるし、この作品における強みの1つでもあると思っている
作者の好感度としては高い。その理由としては、やはり夢や目標に向かって頑張っている人間というのは応援したくなるものだし、書く方の視点でもキャラにブレが出にくいというのもメリットに感じる
海賊王を目指したり、火影を目指したりと大きな夢や目標を掲げている主人公というのはやはり人気が出るものである。琥珀はその夢があるからこそ、主人公として選ばれたのだ
やはり、この作品の主人公として根幹部分を支えているし、絶対に替えがきかないキャラであるとも思う。琥珀の能力だけを完全コピーしたドッペルゲンガーを主人公に差し替えて性格を変えたらこの作品は破綻するレベルだと感じている
主人公を差し替えたら作品が破綻するという点においては、主人公として大成功している。ここまで作品を引っ張ってくれて、彼には本当に感謝しかない