毒にも薬にもならない、作者による作品解説。
基本、一人称の作品ですので、主人公(一美)が知り得ないことは描写できません。そのため、わからないことはわからないまま、解釈は読み手様に委ねるというという方針をとっています。が、「一応、作者はこういうことを考えながら、こういう設定で書いていました」という作品解説を書いてみました。
あくまでも裏設定、作者が考えていたことなので、実際の解釈は皆様のお好きにどうぞ。考えていない部分も多いので、「こういうことなら、もしかしたら、ここはこうなのかもしれない!」と想像の幅を広げて楽しんでいただければと思います。
以下、作品のネタバレ満載です。未読の方、謎は謎のままにしておきたいかた、余韻を楽しまれたい方は回れ右推奨。
舞台は現代日本をモチーフにした「乙女ゲーム」の世界です。わかる方にはわかるよう、結構あからさまに書いています。イメージは「とき◯モGS」などの、高校三年間を丸々使った恋愛育成シミュレーション。各キャラが求めるパラメータの数値が基準を超えないとEDを迎えられないタイプです。
ゲームの主人公は雅、作品主人公の一美はお助けキャラ、話しかけたら好感度を教えてくれたり、誕生日とか、好きなものとか教えてくれる役ですね。
その双子の弟英二は、いわゆるパッケージの中心とかにどどん!と載っているようなメインキャラです。葉◯くんとか、佐◯くんみたいな子ですね。満遍なくパラメータを上げないといけない代わりに、ライバルとなる女の子キャラがいないタイプ。
高橋は……流行とか、学力とか、その辺かな。運動ではなさそう。明確に決めてはいません。
雅はなぜ高校に入って豹変したのか。これは、ゲームが始まったので、プレイヤーが雅にインした、あるいは、雅の中で眠っていたプレイヤーの記憶が蘇ったか。そのあたりは決めていませんので、しっくりくる方をお好きにどうぞ。いずれにせよ、残念ながら中学までもいじらしく英二に片想いしていた可愛い女の子は「上書き」されてしまった想定です。
一美の必ず一週間で消える記憶の謎と、高橋だけはなぜ逸脱していたのか。
きっかけは、高橋が作中で話していた通り「一美の作ったチョコレート」です。
ときメ◯ GSをプレイしたことのある方はなんとなくわかるかもしれませんが、ゲームの中で、バレンタインではチョコレートを渡して、好感度を上げる、というイベントがあります。渡せるチョコレートは本来、手作りの本命と、買ってきた義理チョコの二つです。2人しか好感度を上げられないところを、雅は欲張り、「一美が作った手作りチョコ」を自身が作ったと偽って高橋に渡しました。
雅はこの時、自分への好感度が上がったと思っていますが、高橋から一美への恋愛ルートが開通された感じです。ゲームにないことをしたことによる反動ですね。まぁ、結局はただのきっかけに過ぎないので、そのルートを高橋自身の意思で進んだのですが。
結果、他のキャラとは違い、高橋だけは雅の攻略キャラから、一美と恋愛できる男の子になったわけです。
……あれ、お前だけギャルゲしてる?
なお、英二はどれだけ一美のチョコレートを食べても、「きょうだいが作った物を食べる」という行為はゲームの逸脱にはカウントされないため、影響ありませんでした。
こうして高橋はゲームから外れた存在になりましたが、一美の方は自分で何かしたわけでもないため、「ゲームのお助けキャラ」という枠組みからは逃れられません。
なお、一週間で消える謎は、単純にクリスマスイブから数えて、新年が8日後なので、そこから一週間後という縛りが生まれました。突然のメタァ…
ゲームは高校三年間、男の子から告白され、EDを迎えたい子の告白をOKしてEDになります。誰も高校生活の間に告白をしなかったのは、そういうゲームの縛りゆえです。
ゲーム自体は卒業式を迎えて終了していますが、現実ではそこでストップではなく、そのあとも生活は続きます。
きちんと描写できていた、したかは記憶が曖昧ですが、一美の記憶リセットについては、高橋は当然最初から知っていて、英二は二年前、つまり高校卒業してから(ゲームが終了してから)知りました。
そして、ついに英二と雅が破局を迎えます。
例え、雅が英二に未練たらたらであろうが、不本意であろうが、「別れる」ということに同意した時点で、ゲームは完全終了。皆が目を覚ました、ということです。
作中で、三人が「雅と決別したから?」と予測していますが、正解は「英二と雅が別れたから」でした。
最後に、タイトルの「ハッピーエンドのその後で。」ですが、こちらは英二と雅、そして一美と高橋の二組のカップルのその後を指しています。ダブルミーニングですね。
ここまで、毒にも薬にもならない作品解説に目を通していただき、ありがとうございました。