いつも応援ありがとうございます。
こちらでの告知が遅くなりましたが、キバコ、完結しました。
追いかけていただきました皆様に熱く御礼申し上げます。
このお話の中に登場した「柳町の前沢君」に関しては元ネタになった人物が複数おります。実在する人物をミックスして登場させておりますので、一人ではないです。前沢君に関しては、どこに登場したか、探してください。
その前沢君の元ネタの一人、というか、ひとかけらを担ってくれた人物について。時効ですから白状しちゃいますが、私の大学時代のお話。
年代がばれますが、携帯電話というものがない時代、家の留守番電話はマイクロカセットテープに保存されている時代だったんですが。
女性の一人暮らしだと思って(音声応答が女性の声だった)いたずら電話をかけてきた自称、「少年」がおりました。いわゆる、「今日の○○は何色ですか?」系統のいたずら電話なんですが。
衝撃だったのは、「何色ですか?」の質問の後に、「今後、こんな電話をしてもらいたくなかったら、宮城県仙台市…町○○番地、電話番号は○○、名前は○○、年齢は15歳まで連絡してください」ってまで、個人情報を全部留守番電話に熱烈に告白して電話を切ってくれておりました。
15歳少年よ、なにがあった!
私、抱腹絶倒しました。大爆笑でした。
自称「少年」君はそのあと、数度連絡してきてくれましたが、各回とも何色?しか聞かない、60秒足らずの「犯行」と「身元暴露」にこれは少年のSOSなのか?と思いつつ、音声応答を男性の声に変えるとパタリと終了しました。
2回目、3回目、もっとインパクトがある質問してくれたなら通報してやっても良かったんだがなぁ。
あ、私のネタ帳には彼の個人情報はありません。当時の私も個人の特定はしていません。ネタ帳に必要なことは書いておりますが。
いたずら電話かけてきて自分の個人情報さらすとは、どんな豪胆な奴やん。
と、録音を聞いたとき、一瞬度肝を抜かれた衝撃があったのでネタ帳に書いただけです。
2回目、3回目はどんな衝撃で迎えてくれるのかなぁ、と楽しみにしていましたが、それ以上の出来事はなく、男性音声の応答の前にいたずら電話はなくなり、私のあの衝撃は終わりを告げたのです。
キバコはこうして彼を「前沢君」として迎えました。少年だったのか成人だったのかわかりません。実は宮城に住んでいなかったのかもしれない。それでも、一人暮らしの部屋で録音を聞いた時のあの「衝撃」のお返しに、東日本を阪神大震災に、無名の少年を前沢君として登場させました。
まぁ、ほかにもモデルとなった人はいるんだけどさ。
もしも、電話の彼が生きていたなら、「今、お笑い芸人?」って聞いてみたい。
真顔で下着の色は何色?なんて話を振っておいて、そのあとツラツラ自分の個人情報きっちり残しておくというオチとつけてくれたお笑いのセンスに、拍手したい。
それから、今だから彼に。
家族構成まで録音するの、意味ある?
郵便番号の録音がないのは意図的?
そういうわけがありまして、キバコのキャラの一人が誕生しました。ご協力ありがとうございました。楽しんでいただけたら幸いです。
藤原 拝